演 題 番 号 : 演 題 名 :Gn-RH 製剤を用いた経膣採卵法の検討 発 表 者

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番 号
:
名
:Gn-RH 製剤を用いた経膣採卵法の検討
者 氏 名:○尾形康弘1)、日高健雅1)、松重忠美1)、堀内俊孝2)
者 所 属:1)広島県畜技セ2)県立広島大
1.はじめに:牛体外受精胚を作出するために、超音波画像診断装置を用いて、生きた牛から反復して卵胞卵子を採取
する経膣採卵法が利用されている。経膣採卵時の未成熟卵子の採取個数を増加させるため、優勢卵胞の除去や低単位の
FSH の投与等が行われているが効果的な方法は確立されていない。今回我々は、経膣採卵前に牛に Gn-RH 製剤を投与す
ることで、優勢卵胞の除去を行い、その後に発育する小卵胞の数を増加させ、採卵個数の増加や卵子の品質を向上させ
ることが可能であるか実験を行った。
2.材料および方法:当センターおよび広島県立大学に繋養されている黒毛和種経産牛7頭を用いて行った。経膣採卵
は、アロカ SSD-1200 の超音波画像診断装置とクック社のダブルルーメンニードルを用いて経膣採卵を行った。Gn-RH 製
剤は、酢酸ブセレリンと酢酸フェルチレリンの2種類を用いた。
3.成績:Gn-RH 製剤投与後の卵胞数の変化は 0 時間後 22.4±7.4 個、24 時間後 21.4±6.1 個、48 時間後 25.1±7.2
個および、72 時間後 24.9±4.5 個で 48 時間後が最も多くなっていた。Gn-RH 製剤投与 48 時間後の未受精卵子採取成績
は、無投与区 18.6 個、酢酸ブセレリン区 27.8 個および酢酸フェルチレリン区23.7 個で A と B ランク卵子数は、それぞ
れ、6.0 個、8.6 個および 8.0 個であった。
4.考察:Gn-RH 製剤投与後 48 時間目がもっとも卵胞数が増加し、卵胞径の平均も大きく経膣採卵には最も効果的な時
期と考えられる。また牛卵子の回収数も Gn-RH 製剤投与によって卵巣内の卵胞数が増加し、牛未成熟卵子も増加した。
また、Gn-RH 製剤投与によって、卵胞径が大きくなることで、卵胞卵子の回収作業も効率的となった。これらのことよ
り、Gn-RH 製剤投与は、経膣採卵時の回収卵数を増加させることに有効な方法である。