﹁つながり﹂を生み育む 図書館協力業務における 情報の発信と共有 ︶。 冊 子 版 及 び メ ー ル マ 報学に関する内外の様々な情報を発信し て い ま す︵ 図 ガジンの記事、ニュース速報﹁カレント R﹂に加えて、国立国会図書館が実施し 館に興味をもってもらえればありがたい、 という思いもあるからです。 以降、勤務日には毎日更新を行い、新着 カレントRは、カレントポータル開始 ■利用者と﹁つながる﹂ために 究リポート等を掲載しており、これらを 情報についてのRSSフィードを発信し た図書館・図書館情報学に関する調査研 合わせた記事数は 万件を突破し、記事 ています。たとえ少量ずつでも定期的に は約 へ の 月 間 ア ク セ ス 数︵ 20 0 9 年 体で提供しています。以下では主に、開 の記事です。その執筆は、図書館協力課 加されるニュース速報であるカレントR ﹁役に立った﹂﹁面白かった﹂という感想 す。冊子版やメールマガジンの記事でも、 また、ウェブならではの利点もありま かと考えています。 がりや信頼感の醸成に役立つのではない 情報発信をすることが、利用者とのつな 月︶ たメールマガジン﹃カレントアウェアネ 前述の 万件の記事の大半は、日々追 ■ニュースは硬軟とりまぜて 万アクセスとなっています。 国立国会図書館関西館図書館協力課で 実施、図書館及び図書館情報学に関する 情報の収集と提供、総合目録ネットワー ク事業、レファレンス協同データベース 年余を経過したポータルサイト 1 内 外 の 図 書 館 関 連 サ イ ト・ ブ ロ グ 等 の 新聞・雑誌のほか、RSSリーダー等で や反応が見えるようになりました。例え 開設によって、ウェブ上で利用者の関心 ど多くはありません。カレントポータル ざわざ感想を教えてくださる方はそれほ 下、 ﹁カレントポータル﹂︶について紹介 ウェブ上の情報をチェックし、担当者そ ﹁カレントアウェアネス・ポータル﹂︵以 れぞれが興味や得意分野に応じて、アン インターネット環境下での情報発信、そ カレントポータルは、2006年 します。 から正式運用を開始した、国立国会図書 焦点をあて、カレントアウェアネス・ポー タルとレファレンス協同データベース事 5 ソーシャルブックマークの数やそこに付 けられたコメントを見ることで、より明 ﹁ 面 白 い ﹂ も 含 め て い ま す。 こ れ ま で に ﹁新しい﹂ ﹁重要﹂ ﹁役に立つ﹂だけでなく、 うなコメントを見ると、こちらも喜びを ますが、役に立ったことがうかがえるよ 間違い等を指摘されたりすることもあり カレントRで紹介するニュースは出 取 り 上 げ た﹁ 面 白 い ﹂ ニ ュ ー ス と し て 典 を 記 載 し て お り、 そ れ ら の サ イ ト の 感じます。利用者の反応が分かることで、 等があります。このように、硬いニュー 情報をRSSリーダー等でチェックす は、 例 え ば、 ﹁ 図 書 館 を 利 用 中、 ず っ と スだけでなく、いわばB級ニュース的な れ ば、 カ レ ン ト ポ ー タ ル を 利 用 し な く こちらにもより一層のやりがい・緊張感 ものも取り上げるのは、それをきっかけ が生まれます。 にこのサイトに興味をもってもらい、さ て も、 同 じ 情 報 に ア ク セ ス す る こ と は 後ろをついてきてくれるイス登場︵オラ らには﹁カレントアウェアネス﹂や図書 ンダ︶﹂や﹁犬を聞き手に本を読む練習﹂ 取 り 上 げ る ニ ュ ー ス の 選 択 基 準 に は、 確に反応が分かります。時には、訳語の 性を重視しています。 度で概要を簡潔に伝えるものとし、速報 3 月 業についてご紹介したいと思います。 ウェアネス﹄でしたが、多くの方々のご 協 力 の お か げ で、 2 0 0 9 年 に 創 刊 周 年・ 通 巻 3 0 0 号 と い う 節 目 を 迎 え る こ と が で き ま し た。 現 在、﹁ カ レ ン ト ア ウ ェ ア ネ ス ﹂ は、 季 刊 の 冊 子 版 に 加 え、2002年の関西館開館時に開始し 30 も 関 心 の 傾 向 が 分 か り ま す が、 さ ら に、 ば、記事ごとのアクセス数を見るだけで 6 ∼ 行程 テナにひっかかったものをニュースとし カレントアウェアネス・ポータル│ 情報発信により生まれる ﹁つながり﹂ 年・300号・ 万アクセス 1979年 月でした。わずか ページ ントアウェアネス﹄が誕生したのは 図 書 館 に 関 す る 情 報 誌 と し て﹃ カ レ ■ 30 の冊子としてスタートした﹃カレントア 8 て取り上げています。内容は 館のウェブサイトで、図書館・図書館情 こから生まれる﹁つながり﹂という面に 等 を 行 っ て い ま す。 本 稿 で は こ の う ち、 設から 事業、障害者図書館サービスの支援業務 30 をいただくことはあります。しかし、わ ︵以 ス速報﹃カレントアウェアネス R -﹄ 下、 ﹁カレントR﹂ ︶をあわせた つの媒 は、 図書館職員を対象とする研修の企画・ 図 1 カレントアウェアネス・ポータル 調査情報係の係員 名が担当しています。 3 ス E - ﹄、 2 0 0 6 年 の ポ ー タ ル サ イ ト 開設時に開始されたブログ形式のニュー 国立国会図書館関西館図書館協力課 1 9 1 3 3 6 30 8 丸善ライブラリーニュース 第 7・8 合併号 で き る か も し れ ま せ ん。 そ の よ う な 状 況におけるカレントポータルの存在意 義 と し て は、 大 量 の 情 報 か ら 図 書 館 に 関 連 す る・ 役 立 つ 情 報 を 選 択 し て 掲 載 す る と い う 点 が あ る と 思 い ま す。 も ち ろ ん、 膨 大 な 情 報 全 て を チ ェ ッ ク す る こ と は 不 可 能 で す が、 情 報 の 取 捨 選 択 は、 図 書 館 の 業 務 に 共 通 す る 大 事 な 役 割 だ と 考 え て い ま す。 今 後 も、 利 用 者 れ、調べ物の参考に活用されるなど、よ り幅広いつながりが生まれています。 用者と利用者をつなぐ場となっています。 サービスを行う際、同様の質問に対する それぞれの図書館がレファレンス ■参加館をつなぐ レファレンスサービスは図書館の重要 回答事例がレファ協に登録されていれ ■利用者と図書館をつなぐ な サ ー ビ ス の 一 つ と い わ れ て い ま す が、 利用者には説明しにくいものではないで で き ま す。 こ の﹁ プ ロ セ ス ﹂ が 記 載 さ ば、そこから回答のヒントを得ることが 協の事例には、回答プロセスが記載され どのようなサービスが行われているのか、 ば、回答の助けとなります。またレファ しょうか? レファ協には、図書館が実 際に行ったレファレンスの記録が登録さ ていることが多いため、関連事例があれ れているので、図書館がどのような質問 ※公共・大学図書館の母数は『図書館年鑑 2009』より。専門 図書館の母数は、 『専門情報機関総覧 2009』の専門図書館協 議会正会員数。 ※国立国会図書館には支部図書館を含む。 と の つ な が り を 意 識 し な が ら、 情 報 発 れていることがレファ協の特徴です。ど か、さらには﹁なぜ﹂そのツールを使っ 27 館 6 分館 信を継続していきたいと考えています。 を受け、どう答えているのかを具体的に の ツ ー ル を 使 っ た か、 他 に 何 を 調 べ た たかなど調査の考え方を知ることがで 10 カレントアウェアネス・ポータル 伝えることができます。 また、一般公開された未解決のレファ 国立国会図書館 http://current.ndl.go.jp/ レンス事例に、利用者から情報が寄せら (約 507 館) http://crd.ndl.go.jp/ レファレンス協同データベース 度アクセスして見て下さい。 事例が数多く登録されています。ぜひ一 レファ協には、読み物としても面白い られています。 ゆるやかな協力レファレンスがかたち作 共有し、さらには相互に補い合うという、 を超え、レファレンスに関するデータを 利用することにより、気軽に館種や地域 ネット環境下の共通プラットフォームを つ 参 加 館 が、 レ フ ァ 協 と い う イ ン タ ー 情報も異なります。さまざまな情報を持 ります。また、それぞれ持っている地域 参加館は、それぞれ得意な分野が異な なくありません。 この機能によって解決に至った事例も少 報等をお知らせするコメント機能があり、 またレファ協には、参加館間で追加情 れ解決に至るというケースもありました。 きます。 さらにその情報は元々の質問者にも伝え られ、非常に喜ばれたそうです。 このように、レファ協は、図書館と利 37 用者をつなぐ、時には図書館を介して利 専門図書館等 レファレンス協同データベース事業│ レファレンス事例を通じた﹁つながり﹂ マ ニ ュ ア ル ﹂、 1,659 館 ビ ス を 記 録 し た﹁ レ フ ァ レ ン ス 事 例 ﹂、 書など、参加館が所蔵する特殊なコレク 129 つ目は特定のテーマ、トピックに関す 大 学 図 書 館、 専 門 図 書 館 等 に お け る レ ションに関する情報を記載した﹁特別コ つ目は参加館に関する 大学図書館 レファレンス協同データベース事業 ファレンスに関するデータを蓄積し、イ レ ク シ ョ ン ﹂、 3,126 館 ︵ 以 下、 ﹁レファ協﹂ ︶ は、 公 共 図 書 館、 る情報源の探索方法を説明した﹁調べ方 ンターネットを通じて提供することによ 情 報 を 記 載 し た﹁ 参 加 館 プ ロ フ ァ イ ル ﹂ 割のデータが一般公 万件ものアクセスを集め ているものもあります。個々の図書館で には、累計で 現在の参加館数は約490館で、さま 対 のやりとりですが、レ 行われているレファレンスは、基本的に 利用者との 310 つ目は個人文庫や貴重 り、図書館等におけるレファレンスサー です。 種類合計で約 万 千件が登録 され、このうち約 5 登録されているレファレンス事例の中 開されています。 4 レンスの記録が非常に多くの方に利用さ 公共図書館 3 1 種 類 で す。 ファ協に登録することで、一つのレファ 1 母 数 図 2 レファレンス協同データベース データベース検索画面 ビス及び一般利用者の調査研究活動を支 に至っています︵図 ︶。 6 4 ざまな規模や館種、地域の図書館が参加 しています︵表 ︶。 登録されているデータは 4 (2009 年 9 月末現在) 表1 参加館数 2 援 す る こ と を 目 的 と し て、2002 年 月に実験事業としてスタートしまし し、同年 月にデータベースの一般公開 た。その後2005年 月に本格事業化 4 2 つ目は参加館で行われた質問回答サー 丸善ライブラリーニュース 第 7・8 合併号 9 1 参加数 館 種 12 4 4 8 1
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