ポケモン GO が世の中の話題になったので、食わず嫌いではダメだなと

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ポケモン GO が世の中の話題になったので、食わず嫌いではダメだなと思い、 アプリをダウンロードして
やってみました。最初は、色々なポケットモンスターをゲットしていきましたが、あっという間に飽きてや
らなくなりました。そもそも何が楽しいか分かりません。 私がそのゲームの楽しみ方を知らないせいではな
かったかと思います。目標もなくやり方も自己流で分からないから楽しくないので す。ゲームに限らず、ど
んなことでも目標があり、やり方が分かれば、楽しんで努力することができると思います。
□ 9月に入り、就職試験に臨む生徒や看護学校を受験する生徒の面接練習が佳境を迎えています。 校長の面
接練習では、質問する内容は決まっています。志望動機と長所、学校生活の中で良かったこと(あるいは頑
張ったこと)、自己PRです。それがしっかり答えられなければ話になりませんし、そこでの回答を聞けば
他の質問にどう答えるか予想できるからです(先生方の練習では色々な質問がされているだろうという安心
感もあります)。
□ 初めて校長面接に臨んだ生徒の多くは、志望動機の段階で「?」でした。練習が終了して検証(これにす
ごく時間がかかってしまう生徒もいます)に入った段階で「どうしてそこを受けたいと思ったのか本音を教
えて?」と聞くと、自分が志望動機として言ったことと違うことを言う生徒が多くいました。つまり、面接
用の志望動機は、本当は動機ではないということです。「こう言ったら相手に受けがいいだろう」と思って
表面を取り繕っているに過ぎないということだと思います。
□ 生徒の心の中に埋まっている本当の思いを掘り起こすこと に成功できたら、みんな素敵な志望動機を言う
ことができています。だからどんなに時間がかかっても、 指図することはせず、生徒が自分の気持ちを掘り
起こす手伝い(生徒が自分ではうまく言葉にできない思いを解釈して翻訳したりなど)をしています。 その
過程で、つらいことや苦しいことを思い出したり、うまくできなかった自分に悔しい思いが募って 涙を流す
子が多くいるのですが…。
□ 生徒の可能性を伸ばす教育とは、言うことはたやすいですが、実践することはなかなか大変だと思いま
す。良かれと思っても指導しても生徒が心に壁を作って受け止められないことがあります。そんな生徒でも
その壁を壊して、内在する可能性を伸ばすことが教育には求められています。まったく教育という仕事は、
根気がいる仕事ですね。
□ 今回は、夏の甲子園2連覇する前の全道大会に出られるかどうか も疑問符が付く実力だった頃の駒大苫小
牧野球部の生徒にメンタル指導をしたスポーツメンタルトレーナーの臼井博文さんの文章をみやざき中央新
聞から転載(中略しています)します。何かの指導の参考になれば幸いに思います。
★ 夢を叶えようとすると誰もが「壁」にぶち当たります。それを乗り越えるために知ってお
くといいのが「夢実現の法則」です。たとえばダイエットを目指している人に、「ジムでの
トレーニングとケーキバイキングのどっちが正しい?」 と聞くと、みんな「トレーニング」
と答えると思います。でも同じ人に「楽しみなのはどっち?」と聞くと、きっと答えは「ケ
ーキ」でしょう。「止まらないのはどっち?」と聞いても答えは「ケーキ」だと思います。
これではダイエットがうまくいくはずはありません。
★ 高校生に「第一志望校に合格するために大事なのは、暇があったら勉強か、暇があったらゲームか、正し
いのはどっち?」と聞くと、間違いなく「勉強」と答えるでしょう。 でも「楽しいのはどっち?」と聞くと
「ゲーム」と答えるし、「続くのはどっち?」と聞いても「ゲーム」と答えると思います。「勉強が大事」
だと分かっていても、ゲームが好きだからゲームをしてしまうのです。 ここをたださなければ、勉強ができ
るようにはなりません。
★ 何事も「正しい」から続けられるのではなく、「楽しいこと」しか続けられないのです。これが夢を実現
する上での大きなポイントです。「楽しくない。でも…しなければ」と思っていたら続けられません。「 …
しなければ」で行動すると、その義務感がプレッシャーとなり、マイナスの 脳内神経伝達物質が一瞬のうち
に出ます。
★ たとえば「いい話を聞いた。明日からプラス思考でやらなければ!」と思った瞬間、マイナス思考になる
のです。そうではなく、「この練習(勉強)が将来たくさんの人を笑顔にできる」とか「面白いと思って取
り組もう」と思うことが大事なのです。一流のスポーツ選手は、そういう脳にすることができたので、夢を
つかんでいったのです。
★ 夢実現の法則の1番目は「…しなければならないでなく、ワクワクすることを夢に持て!」です。
甲子園に出場したことのある高校生は、「いよいよ来月から夏の甲 子園の予選が始まります」という放送
を聞いた瞬間、全身にドーパミンが流れてワクワクします。過去に行った経験があるからです。しかし甲子
園に行ったことのない選手たちは、「甲子園」という字を見ても興奮しないしワクワクもしません。
★ 甲子園を本気で目指す球児が一番先にやるべき事は、「甲子園」や「全国制覇」の字を見たときに全員が
すぐにワクワクして笑顔になる、そういう努力をすることです。それが「弱小チーム」を「強豪チーム」に
変化させていくのです。
★ 私は、メンタルトレーナーとして駒沢苫小牧高校の野球部を指導したことがあります。 当時は、チームは
非常に弱く、甲子園に行くどころか地区大会ですら勝ち抜けないほどでした。 初めて行ったとき、私は彼ら
に5時間の講習を行いました。その数週間後、監督から連絡がありました。
★ 「すごいことが起きました。講習の翌日、全員が練習日誌に『目標、全国制覇』と書いたのです」と。 次
に訪れたとき、「みんなハードル上げたね。夢を甲子園優勝にしたんだって?」といいました。 当時の北海
道のチームはどの高校が甲子園に出場しても初戦敗退でした。 だから他のチームから「カモ」呼ばわりされ
ていました。北海道代表との対戦が決まった瞬間、くじを引いた多くの高校がガッツポーズをしていたのだ
そうです。だって北海道は練習環境が悪すぎます。 苫小牧の冬の気温はマイナス10度から20 度、外で練
習できるのは1年の半分くらいだけなのです。
★
そんな中「全国制覇」を目標に掲げた彼らに、まず目標達成のポーズを考えて
もらいました。彼らが考えたのは「人差し指を立てる」ナンバーワンポーズでし
た。キャプテンが言いました。「優勝したら、みんなで人差し指を掲げながらマ
ウンドに集まろう。すべてのスポーツ新聞の1面トップに僕たちが人差し指を掲
げる写真を飾ろう」と。さらに彼は言いました。 「優勝したときに人差し指を掲
げるナンバーワンポーズのルーツに、僕たちがなろう!」と。
★ そして2004年8月、彼らは甲子園で初優勝を果たしたのです。何と翌年も
連覇を成し遂げ、人差し指を掲げてマウンドに集まる写真がすべてのスポーツ新
聞の1面トップを飾りました。そのとき、ナンバーワンポーズの中心にいたのは、田中将大投手でした。そ
れ以降、プロ・アマ問わず、色々なスポーツで、優勝した勝者がその喜びを表すとき、人差し指を掲げなが
ら1ヶ所に集まるというポーズをみんながするようになったのでした。
★ 夢を実現する法則の2番目は、「夢の話を聞いてくれる友だち(ドリーム メイト)を持つこと」です。
脳は「思ったこと」ではなく「口にしたこと」を実現しようとします。 「無理」「つらい」「苦しい」な
どの言葉を口にすると、脳内のノルアドレナリンが減少し、疲労回復が遅くなったり免疫力が下がって、病
気にかかりやすくなります。誰かに「バカ」とか「サイテ-」と言うと、言われた人だけでなく自分自身に
も同じように言われていると脳が感じて傷付くのです。だから夢を応援し合うドリームメイトが必要なので
す。日常的に使ってきたマイナスの言葉を変えることは簡単ではありません。そこで ドリームメイトとの
「3秒ルール」です。
★ 「マイナスの言葉が口に出たら3秒以内にプラスの言葉を言う」というルールです。元
ジャイアンツの桑田真澄投手は、それを実践していました。「ドリームメイトに」ではな
く「ボールに」でしたが。たとえばノーアウトランナー一塁のとき、ボールに対して「君
はゲッツーになる。君はゲッツーになるために生まれてきた」とつぶやいていました。桑
田投手が最初にうちに来たときの勝ち星は2勝だけでしたが、この「つぶやき投法」にす
ることで勝ち星が飛躍的に増えていきました。
★ 脳で思うことはなかなか変えられないので、使う言葉を変えることから始めるといいの
です。だから優秀な指導者は、姿勢や言葉遣いなどを正します。 「しっかり立て」「ちゃ
んとあいさつしろ」「言葉遣いをあらためろ」「話すときは目を見ろ」などと、まず基本
を正すのです。あとは、常に目にするところにプラスの言葉を貼り、なるべくそれを口にするといいでしょ
う。
(株)サンリ取締役室長・メンタルトレーナー 臼 井 博 文