2010年6月 Vol.10 船橋中央法律事務所ニュースレター 不動産賃貸借契約で失敗しないポイント② 前回に引き続き不動産の賃貸借契約にまつわるトラブルを回避するための具体的な方法につい てお話しします。 ③解約申し入れとは 建物賃貸借契約において、期間の定めがない場合または期間の定めがないものと見なされる場合 は、当事者双方は解約申入れによっていつでも建物賃貸借契約を終了させること ができます。ただし貸主の側から解約申入れをする場合には、貸主の側に解約を申し入 れるに足りる正当事由が必要とされ、また賃貸借契約が終了するのは解約申入 れの日から起算して6か月後になります。正当事由の有無の判断要素については、土地 賃貸借の更新拒絶の場合と同様です。 ④賃料改定 貸主は、土地建物の価格の上昇・固定資産税の増額など、地代家賃を従前のままに据え置くのが 公平でないと考えられるような事情が生じた場合には、賃料の増額を請求することができます。 借主がこの増額請求をそのまま承認するならば特段問題はなく、貸主の増額請求が借主に到達 したことによって賃料改定の効果が発生します。仮に当事者間で話合いがまとまらない場合、 貸主は簡易裁判所へ賃料増額の民事調停を申し立てます。賃料の変更を求める場合、いきなり 訴訟を提起することはできず、まずは調停を申し立てる必要があります(調停 前置主義)。賃料の増額が認められるためには、 1 現行の賃料を決めた時期から相当の期間が経過していること 2 経済的事情の変動があったこと、たとえば固定資産税が上がったこと、土 地建物の価格の上昇があったこと、当該物件の賃料が近隣建物の賃料に比べて 低いことなど 3 公平の観念からみて従来の賃料が適正でなくなったと認められることが必 要です。 すなわち、従来の賃料を決めたときから相当の期間が経過し、その間に新たな経済事情が発生し、 このため従前の賃料を据え置くことが公平でないと認められるに至ることが必要です。 ⑤敷金の返還 敷金とは不動産、特に建物賃貸借契約の締結に際し 、賃料その他借主が負う賃貸借契約上 の債務を担保する目的で、賃借人から賃貸人に交付される金銭のことを言います。建物の明け 渡しに際し未払賃料がある場合や、原状回復が必要となりその費用を賃借人が負担する場合に、相 当額が敷金から差し引かれた上賃借人に返還されることになります。 建物の賃貸借契約においては、特約で原状回復は賃借人の費用負担とされているのが一般的ですの で、敷金全額が戻ってくることは稀ですが、 返還金額が不当に低い場合や内訳に疑問があ る場合には、法的手段を行使し争うべきであると言えます。 お問合せ 船橋中央法律事務所 弁護士 茅山糧也(かやまりょうや) TEL:047-437-0951 / FAX:047-437-0952 dふぁfだffだふぁふぁ fdafdafdad E-mail:[email protected] dfaddafafdfa URL:www.funabashichuolaw2.com/ (当事務所が運営する中小企業法務専用サイト)
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