胆石症 腹腔鏡下胆のう摘出術 よくある胆石症のQ&A

胆石症
最近、欧米の生活様式が浸透して胆石症が急激に増えつつあります。食事中に
摂取するコレステロールも原因のひとつといわれています。
一般に、40歳以上(forty)、女性(femaile)、肥満(fat)、多産(fertile)
、
白人(fair)が胆石になりやすい5Fといわれています。食後1∼2時間でみぞ
おちの右側が痛くなるのが特徴です。時に右肩が痛くなるときもあります。
手術は、現在では腹腔鏡下胆のう摘出術が標準術式となっています。
腹腔鏡下胆のう摘出術
1992年、わが国に腹腔鏡下胆のう摘出術が導入されてから、外科における内視鏡外科
維新がスタートしました。手術痕もほとんどなく、早期に社会復帰ができるという多大な
恩恵が患者様に浸透し、今や胆石症のゴールドスタンダードとなってきました。
腹腔鏡下胆のう摘出術は、全身麻酔下でおなかの中に炭酸ガスを送り込み、ドームのよう
におなかを膨らませ手術を行います。細いマジックハンドのような器械で胆のうを切除し
オヘソから体外に摘出し手術を終えます。
よくある胆石症のQ&A
Q:胆石ってなんですか?
A:胆のうという胆汁(消化液)を貯める袋状をした臓器があります。その中に石ができ
ることを胆石といいます。石といっても、ビリルビンやコレステロールといった体内
でできたものが蓄積してできたものです。それが原因となって炎症を起こしたものを
胆のう炎といいます。
Q:どのような症状がでるのでしょうか?
A:みぞおちの右側が痛くなったら胆石症を疑います。特に、天ぷらや脂っこいものを食
べたあとに痛くなります。肩が痛い、背中が痛いなどおなか以外に痛くなるときもあ
ります。
Q:人間ドックで胆石があるといわれましたが。
A:一般のドックではエコーだけしか施行されていませんので一度当院にご来院ください。
専門医が、他の画像診断とあわせて治療すべきかどうかご説明させていただきます。
前述したように痛みがあれば基本的に手術の適応となります。
Q:胆石症の治療にはどのようなものがありますか。
A:大きく分けて、胆石溶解剤と手術です。コレステロールでできた石は溶けてなくなる
こともありますが、効果も少ないうえ一生薬を飲み続けなければなりません。
腹腔鏡下胆のう摘出術は、術後の痛みも少なくまた早期に社会復帰が可能となります。
Q:胆のうを取ってしまっても大丈夫なんでしょうか?
A:まれに手術の後肩こり、下痢、腹部の違和感をいわれる患者さんもおられます。
「胆のう摘出後症候群」といいますが、多くは2∼3ヶ月で緩和します。また
胆のうを取ると大腸がんになりやすいといわれる研究者もおられますが、まだ
結論は得られていません。
Q:胆石症と以前からいわれていますが、症状がありません。どうしたらいいですか?
A:症状をもたない胆石症を「無症候性胆石」サイレントストーン(眠れる石)いいます。
多くは無症状なのです。一生のうち症状を示す方は約2割といわれています。
痛くないので放置していても良いですが、まれに悪性(癌)になるような胆石もある
ので是非ご来院ください。