世博記念ワークショップ(Expo Wuxi Workshop) (会場:無錫恵山軟件外包園) プロジェクト&プログラムマネジメント (P2M)標準ガイドブックについて (Project & Program Management for Enterprise Innovation) 2010-7-23,24 NARAコンサルティング (情報提供者 奈良隆正 PMAJ 鮫島千尋) 1 世界のPM規格と特性 Portfolio Management (米) Program Management (米) APMBoK (英) Projects (プロセス重視) Int’l Competence Baseline(ICB) ( IPMA ) ANCSPM (オーストラリア) PMI PMCDF (米) PMBOK Guide (米) 職務能力 People (コンピテンス重視) SAQA (南アフリカ) プロジェクト マネジメント 職能 P2M (PMC,PMS) (日本) 組織力 Organizations PMI OPM3 (米) P2M(PMR) (日本) 原典: Dr. Lynn Crawfordを改定 2 プロジェクト・プログラムのモデル ・ プログラムを構成するプロジェクトを、独立した管理単位として全体統合することを 目的としたプログラムの標準モデルである 【スキームモデム】 構想計画 【システムモデム】 【サービスモデム】 システム構築・製造 システム利用・利益の生 産 (運用・保守改善) (使命の洞察・戦略方針) (プロジェクトの具現化) 伝統的PM 機能企画・設計 詳細設計 開発・構築・実証 導入 運用(保証) (プロジェクト(PMBOK適用範囲) P2M適用範囲 3 P2MはこれまでのPMとどう違うのか 企業戦略 戦略実現の設計 戦略実現の設計 プログラム AA プログラム プロジェクト A1 プロジェクト A2 全体使命達成・最適化 環境変化への対応 プログラム B プロジェクト A3 使命・目的 使命・目的 n P2Mの特長をキーワードで表すと l 価値創造とイノベーションの仕組み づくり l 複雑問題・複合課題への挑戦 l 自律・個別プロジェクトのマネジメントと全体 計画 統合を両立させるプログラムマネジメント l プロジェクトへのライフサイクルアプローチ→ 是正 成果物 実施 l l l 進捗評価 l l 在来のPMの範囲 3つの標準プロジェクトモデル: 「スキームモデル(構想化)」、「システムモデル (構築)」、「サービスモデル(成果価値の再利 用や更なる付加価値追求)」 壁を突き破る「使命達成型職業人」モデル 高い視点と広い知識ベースがもたらす全体最 適 ミッションの明確化・価値定義・構築シナリオ 展開・プログラム実施設計など、システムモデ リングによるプログラムやプロジェクト設計の「見 える化」 構想したプログラム/プロジェクト価値の、継続 的評価の仕組みによる達成 「場の理論」のプロジェクトへの応用による価 値協創 プラグラム価値検証・成果物価値最大化 P2Mの範囲 4 P2Mの生い立ち これまで、日本が特徴としたのは「ものづくり」がベースで その中核能力は、生産技術力であり、これにより企業 価値を高めていた。 2000年頃から、中国などに首位の座を譲った。 ・ 「仕組みづくり」による再生に注力し、 価値を生み出す思考の体系、知識・実践 体系をP2Mで構築した。 → 「企画づくり」「システムづくり」「利用づくり」 企業価値を高める → 「人づくり」 5 P2Mの特徴 (1) Q プロジェクトの基本思想 第Ⅰ世代:「品質」「コスト」「タイム」 D QCD:鉄のトライアングル 第Ⅱ世代:業務プロセス重視、ステークホルダー の要求に合わせる。 BPRは特徴的 第Ⅲ世代:環境変化を意識し、複雑な使命に 問題解決の道を開き、事業価値を向上する。 個人実践能力(コンピテンシー)をチーム力として 生かす。 C 6 P2Mの特徴 (2) ① プロジェクトとプログラムというコンセプトを 初めて結合させた。 ② 企業や組織の戦略および技術・組織運営と プロジェクト/プログラムを結合させている。 ③ その技術システムを使って経営システムに 乗せて、あるいは社会システムに乗せて問 題を解決する。 (この傾向が1990年代以降は非常に強く出てきた。) 7 P2Mの特徴 (3) ④ プロジェクトマネジメントを組織や企業の 便益に結びつけている。 (これまでは、納期、コスト、品質と言うプロジェクト遂行の 効率性、生産性に重点をおき過ぎているといえる。) ⑤ 技術システム構築に限定したプロジェクト マネジメントをビジネスモデルと融合して、 ビジネスやコミュニティモデルの価値創造に 拡張した視点である。 ⑥ 複雑なハードシステムとソフトシステムを 融合する知識横断型、実践体系である。 8 P2Mの特徴 (4 ) ⑦ システムズ・アプローチを基礎にしている。 システム分析、システム設計、システム マネジメントの体系を背景に、システム構築 の実務を知識・能力体系化し、視野を広げる 利点がある。 ⑧ 「システム構築がなぜ必要か」という事業 動機(Why)や「何を何のために」(What)、 「システムがどのように使われるか」 (How) を重視。 vs これまでは「どのように効率的に作るか」(How)を目指してきた。 9 P2Mの特徴 (5) ⑨ P2Mは、事業主(オーナー、発注者)と受注 者が、システム構築を継承し包括しながら 共存共栄できる事業モデルに拡張して 「全体最適」を追求する。vs 「部分最適」 ➉ プロジェクトマネジメントを「価値の獲得」と 定義している。 vs これまでは「成果物の獲得」、「コスト効率」が目的である。 10 P2Mタワー プログラムマネジメントの知識体系 ミッション (ミッションを達成するために 課題の処理、問題解決に プログラムマネジメント* 必要となる知識群) 統 合 マ ネ ジ メ ン ト ミッションプロファイリング アーキテクチャマネジメント プログラム戦略マネジメント プログラム実行の統合マネジメント アセスメントマネジメント プロジェクトマネジメント プロジェクト戦略マネジメント* 個別マネジメント群 *P2M独自の マネジメント要素 プロジェクトファイナンスマネジメント* ライフサイクルマネジメント プロジェクトシステムズマネジメント* スコープマネジメント プロジェクト組織マネジメント タイムマネジメント プロジェクト目標マネジメント コストマネジメント プロジェクト資源マネジメント アーンドバリューマネジメント リスクマネジメント 品質マネジメント 情報マネジメント 報告・変更・課題管理 関係性マネジメント* 引き渡し管理 バリューマネジメント* コミュニケーションマネジメント コミュニティ プロジェクト1 プロジェクト3 プロジェクト2 11 ダイナミックプロジェクトサイクル 戦略使命 複合プロジェクトの統合 スキームモデル システムモデル サービス モデル 12 日本型プロジェクトマネジメントP2Mの目指すところ □ 現場遂行のプロジェクトマネジメント(PM)から政策・戦略の 実現に役立つPMに格上げ □ グローバル化、IT化、競争激化、スピード化への対応 □ IT革命を意識して事業を知識体系(情報)で武装する □ 金融・製造・ITの統合によるイノベーションと市場創造を目指す □ 企業変革の必要性への対応 □ ハード型プロジェクトの運営改善 □ ソフト型プロジェクトへの有効性 □ 製品開発、医薬品開発などの上市期間短縮に役立つ □ 企業経営そのものへのPMの適用 □ PMのグローバルスタンダード化 13 日本型プロジェクトマネジメントP2Mの目指すところ □ PM実践力形成 1) 課題発見の能力と達成の能力 2) 問題解決策発見の能力と処理j能力 3) コミットメントを発信し、その成果を説明・報告する能力と 責任 4) 業務改善・改革(Reformation)・革新(Renovation) 推進実践の能力 5) 価値創造の能力 6) コミュニケーション能力 14 PMは組織を横断した目的を達成させる 変革が経営の大きな命題の一つになっているが 従来の縦割り組織では変革に追従出来ない。 全社を横断した複雑な諸問題に対処していくた めには,多分野にまたがる統合的努力が必要で、 PMはまさにこうした諸問題に対処するものである。 15 実践力 実践力の達成目標 P2Mの実践力は、 「体系的知識」、「実践経験」、 「姿勢・資質・倫理観」に 根ざして形成される。 実践力の達成目標は 次の通りです。 Ⅰ 全体思考様式 問題発見、問題克服、解決への道筋思考ができる Ⅱ 戦略思考様式 戦略要素を知る、優先順位をつける、障害に手を打てる Ⅲ 統合思考様式 変化を知る、価値を維持する、オプションを適用する Ⅳ リーダーシップ様式 改革に挑む、意思決定ができる、状況打破ができる Ⅴ 計画行動様式 目標と資源を計画する、組織をつくる、ルールを決める Ⅵ 実行行動様式 契約を理解する、システム思考ができる、指揮できる Ⅶ 調整行動様式 進捗予測ができる、進捗障害を知る、解決できる Ⅷ 人間関係様式 チームを維持する、メンバーを動機づける、場をつくる Ⅸ 成果追求様式 成果を追求するマインド、エネルギー、共感形成力、責任感、対外組 織説得力、価値を考える、結果をフィードバックする Ⅹ 生活様式 自己規律ができる、倫理を守る、責任をもてる、前向きの姿勢がある 16 • ご清聴ありがとうご座居ました。 資料提供 組織; 特定非営利活動法人 日本プロジェクトマネジメント協会 17 補足資料 1.オフショアの課題 2.PMに必要な能力 18 オフショアの課題 (1)品質の検証や確認に時間がかかる (2)サプライヤーの実力を把握しにくい (3)商習慣が日本と全く異なる (4)言語の壁が高い (5)文化の壁が高い (6)契約した事意外はしてくれない (7)変更への対応力が低い (8)良いサプライヤーが見つからない (9)サプライヤーが無断で変更する (10)サプライヤーに要望を伝えにくい (11)サプライヤーを指導する現地の自社拠点に優秀な人材が居ない ⇒こんな事を言っているうちはオフショアは成功しない 19 社会/人間系 形 式 知 業務/技術系 Ⅲ Ⅰ コンセプチャルスキル PMBoK ・戦略シナリオ構築法 ・概念化/抽象化技法 ヒューマンスキル ・知識/論理 Ⅴ ・Off-JT プロジェクト ・リーダーシップ マネージャー ・説得力 経験則 ・経験/実践 ・コミュニケーション能力 暗 黙 知 形 式 知 ・Lessons Learned 暗 黙 知 Ⅱ Ⅳ ・経験のマネジメント 人を扱う 仕事を扱う PMに必要な能力 20 出典:JPMFジャーナル 第7号(一部加筆)
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