ました。 平成8年 月のある朝、一本の電 話から、私たち家族の人生は一変し ●交通事故で意識不明に した。 夫を見守りま ように、毎日 どもをあやす いながら、子 の様子に戸惑 みました。夫 夫に悩み苦し まうことがあります。ボイスレコー 見て何をするかを何度も確認します。 け、わからなくなったら常に手帳を 手帳をいつも身に付 ジュールを記入した 認し、日中はスケ まずその予定表を確 きます。朝起きると を枕元に用意してお それから、夜寝る 前には翌日の予定表 後で確認できるようにしています。 す。 後にその絵を思い出しながら描きま また、記憶障害のリハビリとして 毎日のドリルは欠かせません。例え く覚えていないこと た家族のことを、全 症状のなかで特に顕著に表れてい るのが﹁記憶障害﹂です。新しいこ ●昨日の記憶がない などを、その都度手帳に書きこんで、 ﹁こちらは消防署です。ご主人が交 ある日医師から、脳に損傷を受け た後遺症で、﹁高次脳機能障害﹂で ダーを使って、時間や次の動作を知 障害となった夫を支えて 通事故に遭われました⋮﹂ あると診断されました。初めて耳に らせ、夫の生活管理を行っていた時 ●別人になってしまった夫 年間もこの障害と闘う日々が続こう が続いたのです。同 とが記憶できないため、夫も家族も 期もありました。 す。 年経った今もリ 歩も歩くことがあるほどです。 慣をつけました。今では一日に2万 のあいだ夫婦2人で歩き、散歩の習 たが、私の言葉かけにより、何年も 何をするにも意欲がありませんでし 最近、夫は近所を一人で散歩して います。始めの頃は、障害の影響で ●日課の散歩 ば、問題の絵に色塗りをして、数分 まるでテレビドラマの1シーンの ようでした。 する言葉で理解できませんでした。 ハビリの先生と共に、夫に合った方 年間の闘い・出会い、 そしてこれから~ 車で出かけた夫が、交差点で信号 無視の車に衝突され、頭を強く打ち 当時、この障害に対しての指導や 情報は何もなく、これからどうすれ 法を常に模索する日々が続いていま ~ 意識不明で病院に搬送されたのです。 ばいいのか、いつ治るのか不安だけ 事故から数週間が経過すると、怪 我は回復に向かい、家族もやっと安 の毎日でした。そして、それから 戻れることと思っていました。夫の とは夢にも思っていませんでした。 じことを何度も聞い とても辛い毎日です。 けれど、手帳を見ることも忘れてし 心でき、あとは退院して元の生活に 変化に気づいたのはそんな頃でした。 たり、 突然怒り出した 数分前に見舞いに来 り、 塞ぎ込んだり⋮。 朝起きると、昨日までのことは忘 れてしまってほとんど覚えていませ ん。そのため、出来事や今した行動 2013.12 No.111 広報 3 (15分後) もう一度言います。 日記を書きましょう。 夜8時です。 日記を 書きましょう。 17 17 事故前とは全く別 人になってしまった 7時です。 おはようございます。 今日の予定を 確認してください。 17 11
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