元民生局次長ケーディス氏に聞く-(全文PDF)

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12
13占領政策の根本原則と 部落問題
である。
このほか、松本治一郎が憲法第二四条の「婚姻は、両性
の合意のみに基いて成立し」とある「のみ」を入れるよう
に主張したのは自分で、それは一九三一一一年におこった高松
差別裁判の糾弾闘争の経験からきたことだとのべている点
(「のみ」は三月四曰の曰本政府案で初めて挿入された)
る。
について、ケーディスは記憶にないとし、また当時「エ
明も十分に説得力があるとはいえず、今後の解明が待たれ
たが、そうした修正に総司令部が最終的に妥協した背景と
タ」という言葉は聞いたが使わず、「水平社」と言ったと
で日の。□)だったのを「国民」(□①・で]の)に修正してしまっ
四条も含めてほとんどの条文の主語が「自然人」(ロロ日H巳
③さらに日本政府は民政局とのどたん場の交渉で、第一
しては、当時の合衆国国内における差別撤廃の取組みの歴
の高齢だが、記憶力は確かで、発想も柔軟なのに驚かされ
聞きとりは、約二時間におよんだ。ケーディスはかなり
④それに対し、同一民族、同一国民内の差別である部落
と考えられており、妥協の余地はなく、したがって憲法第
差別をなくすことは、占領政策の根本原則にかかわること
た。ここに訳出したのは、全体の三分の一程度であり、す
証言している。
史的限界を考えなければならないだろう。
一四条にもまず「カースト」が、のちに「社会的身分又は
草案にはあったのに、三月四日の草案では削除されました。
ケーディス何条だったか忘れましたが、一一月一一一一日の
のべた別の条項があったのに、それも削除されたのです。
渡辺草案の第一六条ですね。
除されたのです。外国人は法の平等な保護を保障されると
たが正しい。というのは、ちょうど同じ時に、出身国が削
エヶーディスそれは、大いにあり得ると思います。あな
たの示唆の通りかもしれません。》私の間違いでした。あな
る意図はありませんでした。
渡辺日本政府は、外国人を曰本人と平等に扱おうとす
ケーディス削除された月
渡辺それが、削除されました。
籍起源」がどうなったんですって?
ケーディスそう、あり得ますね、大いにあり得ろ。「国
んです。
ないか、とつ結果は同じですが、かなり意味は違うと思う
たの記憶であり、通説でもあります。でも、私はこう考え
ているんです。三月四日の草案では、「カースト」にかわ
って「門地」が置かれ、「国籍起源」が削除されたのでは
かわって「門地」が置かれたというわけです。これがあな
渡辺つまり、「カースト」が削除され、「国籍起源」に
ケーデイスそうです・
文中にカッコで補足した。
なお、聞きとりのなかで最小限度必要と思われる点は、
のだ、まものである。
かで渡辺の発言としている箇所の大部分は、彼女の英語力
くれた南まほろさんにもお礼を申しあげる。聞きとりのな
また、実際の聞きとりにあたって通訳の役割を果たして
き、公表についても了解を得た。お礼を申し上げる。
内容について正確を期するため、当人に読んでいただ
ど重複部分は割愛した。
でに他の聞きとりなどによって明らかになっている事実な
⑤当初、草案では、華族は現存の一代に限り認められる
門地」が挿入された。
としていたが、日本側からの提案で即時廃止となったこと
は知られているが、提案者については不明である。聞きと
りの中でケーディスは社会党ではないかと発言している
⑥かくして憲法の上でも法律的にも部落民を排除する根
が、必ずしも根拠はない。
の問題であり、占領政策はそこまで踏みこむものではな
拠がなくなったとすれば、あとは曰本の「文化」(:]苣吋の)
く、あとは曰本人の責任だというのが、ケーディスの結論
(聞きとり)チャールズ・ケーディス(一九八九・三・一一○)
カースト、国籍起源
渡辺いくつか質問させていただいて、よろしいでしょ
うか。
ケーディスどうぞ。
渡辺一つは、「カースト」という言葉がいつ、丹そして
なぜ、窪削除されたのか、ということです。
ケーディスいつかは、わかります。記憶していますが、
本当のところなぜかは、わかりません。もしかしたら、ゴ
ードンさんなら……。
渡辺いいえ、彼女も知りません。
ケーディスニ日本側が三月四曰付の草案を提案した時に
は「カースト」はありませんでした。しかし一一月一三日の
アメリカ側の草案にはその言葉はありました。あなたは、
いつとお尋ねですね。一一月一一一一曰から三月四日の間に「力
1スト」は抜け落ちたのです。
れへ(〈口昌・息】薯にかえて倉甘且]〕葛を置いた、と。
渡辺あなたは、手紙の中でこう書いておられますね。
日本側から民政局へ提出された三月四日の草案では、「自
然人」にかわって「国民」を置き詞「カースト」が削除さ
’
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11
’
15占領政策の根本原則と部落問題
せん。私は、この草案は持っていません。これは、何の草
「日本国民たると否とを問わず」というのは記憶がありま
ケーディスそうですね、「国籍」は記憶がありますが、
けられます。
とを根拠にした差別はなくなる、これは確かなことでしょ
外国人が法の平等な保護を保障されたら、外国人であるこ
案ですか。
だから、あなたは多分正しいと思います。もし草案の中で
う。だから、日本側は外国人に対して差別扱いできるよう
題された書類です。ハッシー文書のなかに入っていました。
四六年一一一月六日に内閣によって承認された公式英訳文」と
渡辺との草案は、「提案された日本の新憲法の、一九
に望んだのです。だから彼らは、「国籍起源」も「外国人は
法の平等な保護を保障される」というのも、同時に削除した
のです。あなたが正しいと思う。私の手紙が間違いです。
ケーディス「日本国民たると否とを問わず」というの
渡辺ところが、三月六曰に実際に公表された草案に
は記憶にありません。
渡辺それでは、一一つめの質問です。以前に、三月六曰
の書類は何なのでしょうか。三月六日の曰付になっている
は、そうした言葉が含まれていないのです。いったい、こ
日本国民たると否とを問わず
の日付のある憲法草案のコピーをお送りしましたが、その
ケーディス私は、その書類を見たことがありません。
のです。
草案のことは御存知ないとのことでした。
ケーディズ知っています。知っているが、持ってはい
渡辺私は最近、佐藤達夫氏が書かれたある資料を読み
民」のかわりに「自然人」とすること、そして「曰本国民
ました。その中で佐藤氏は、民政局と日本政府とは、「国
リアムズはメリーランド大学に寄贈しました。
ません。私はそれをウィリアムズ博士にあげまして、ウィ
いや、ちょっと待って。間違ったかも知れません。私が
たると否とを問わず」及び「国籍」を挿入することに同意
持っていないと言った草案は、一一月一一一一曰の草案です。ウ
ィリアムズに送ったというのは、一一月一三日の草案のこと
したとのべています。一九四六年三月四曰の討議の結果の
私たち民政局は四つの草案を公けにしています。つまり三
ケーディスあり得るでしょう、しかし彼は私に電話は
ですか。そんなことは、あり得ますか。
削除するように頼んで、了承を得ました。これで、正しい
には、代理の白洲次郎氏)が民政局に電話をし、四文字を
ケーディス『日本の政治的再編成』という本のなかで、
ことです。
で、三月六曰のものではありません。
渡辺わかりました。その草案の中で、一三条には「曰
月四日案、三月六曰案、四月(一七日)案、そして六月
しませんでした。私には、わかりません。多分、彼はハッ
本国民たると否とを問わず」とか「国籍」というのが見受
す。「自然人」というのは「曰本国民あるいは外国人」と
法草案作成時の)運営委員会に属していました。私は、電
(二○日)案です。私たちが公表したもののなかには、「曰
本国民たると否とを問わず」というのはなかったと思いま
話で佐藤氏と話をしませんでした。
「自然人」も削除したのですか。何を削除したというので
ケーディス「曰本国民たると否とを問わず」と同じく
のが信じられないのです。
渡辺私には、そんな重要なことを電話で話したという
シーかラウエルに電話をしたのでしょう。この二人は(憲
とフゥェル文書は知っていますか。彼の文書は高柳さんや
いう意味だと思いますが、《《]呂目のの①。H団屋の口愚という一一一
つの言葉は、どの草案にもなかったと思います。
田中英夫さんによって出版されました。曰本で出版されて
います。ラウエル文書です。この文書を読んだことがあり
ますか。
渡辺はい、白木語で出版されていますね。
渡辺「自然人」は残りましたが、「日本国民たると否
すかo
書の中に目]呂目の冊・門回]】①ロ..というのがあったかどう
とを問わず」は削除され、そして三月六曰に公表されまし
ケーディズ私が言っているのがそれです。ラウエル文
か、記憶していませんp日本で出版された文書の中にはい
た。
ケーディスそう、普通ではない、きわめて異常なこと
す。
などということがありうるのか、疑問に思っているので
ではなしに、電話をしてそのような重大な事柄を議論する
渡辺それらの言葉を抜いて、です。直接会って頼むの
ケーディスそれらの言葉を抜いて?
っていますか。
渡辺いいえ、ありません。
ケーディスそう、はいっていない。
渡辺佐藤氏の言われるところによると、彼は三月五曰
に、「日本国民たると否とを問わず」及び「国籍」が含ま
れている、民政局がタイプした原稿を受けとった、といい
ます。恐らく、これがそうなのでしょう。しかし彼(厳密
16
17占領政策の根本原則と部落問題
です。私は、たくさんの電話を記憶しているわけではあり
ません。自分自身のことなら、話はできますが、ハッシー
やラウエルのことまでは、話せません。天国へ行った時
に、ぜひ彼らに尋ねてみるべきでしょうね。
それは、電話だけですか。佐藤氏は、電話でだけで話を
したというのですか。
渡辺はい、一度だけの。
ケーディスー度だけね。私が言ったように、それは例
外です。私はそんな電話を覚えていませんし、もし彼がラ
ケーディスじゃ、彼は誰に電話をしたと言っています
です。
か、民政局の誰に。
渡辺その中では、誰に電話したとは書いていなかった
と思います。
ケーディスけれども、自然人というのは外国人を含む
広い意味だと思いませんか。自然人というのは日本人も外
国人も意味すると思うのです。そうではありませんか。ど
をしてくれただろうと思います。そしたら、私も記憶して
ケーディスだから、除いたのでしょう。(「自然人」が
渡辺はい、含みます。
ケーディス両方とも含みますね。
渡辺その通りです。
ちらも、同じ事ではありませんか。
いるでしょう。でも、私は記憶していません。佐藤氏がそ
ウエルやハッシーに電話をしたのだったら、彼らは私に話
んなことを書いていると聞いたのは、これが初めてです
残ったのだから、たとえ「日本国民たると否とを問わず」
が削除されても)私には、そう重大なことではなかったの
し、草案の中で資]呂目のmの。門口]】のロ:というのを見たの
も初めてです。ゴードンさんにも同じ質問してみました
です。
り通訳に話をしたのかもしれませんね。彼らは、それが重
ケーディス佐藤氏はゴードン氏、ゴードン中尉、つま
渡辺なるほど。
か。
渡辺はい、でも彼女もそういう事実さえ知りませんで
ケーデイズどうして佐藤氏はそんなことを言ったので
した。
大なこととは思わなかった。知りませんよ、推測するだけ
ですけれども、だからその人は私に話をしなかった。日本
と、あなたは言いましたつけ?
スさんを含めて、民政局としては、それに反対しました。
えて「すべて国民は」にするよう提案しました。ケーディ
語を話せる人が三人いました、ゴードン中尉、ハースコヴ
しょうね。佐藤氏はなにか書いた物の中でそう言っている
渡辺そうです、彼がある雑誌に書いた資料を読んだん
イッッ中尉、それにゴードンさんです。ミス・シロタです
しかし、皆さんは曰本政府と日本語に困惑しておられてい
は、それは草稿に入れるべきだと考えていました。また
るという条項に困惑したということはありません。私たち
ケーディス草案の外国人は平等な法的保護を保障され
ましたね。
いない。
自
「すべて国民は」ではなく、「自然人」という言葉を使う
べきだと考えていましたから、それに反対したのです。
で、今日の憲法にはその言葉が含まれていません。
てへ外国人がアメリカ市民と一○○パーセント平等ではあ
後まで反対するということでした。そして合衆国におい
ていたのは、その問題が根本原則にかかわる場合にだけ最
しかし、ホイットニーやマッカーサーから私が命じられ
ケーディス「すべて国民は」になっていますね。
りませんでした。だから、日本の外国人を日本国民と同じ
張できるかと感じていました。今曰、合衆国の外国人はほ
ぼ平等に処遇されています。でも、四○年前は、そうでは
水準に位置づけることが根本原則だとどれだけ一貫して主
なかったんですね。
ケーディスいつ?三月六曰から四月一六日の間に削
でしょう。
f一つ例を、挙げましょう。地下鉄の場合、合衆国の国民
ケーディス四回ですよ。
国民になる意志を申し立てないイタリア移民は、地下鉄で
下鉄では働けませんでした。イタリアから来たばかりで、
か、あるいは国民になる意志を申し立てた外国人しか、地
渡辺その四回目の論議で、日本政府が「自然人」にか
閣は数度にわたって民政局と議論していますね。
渡辺日本側の資料によれば、三月六日以降、曰本の内
本国民と同様に外国人を処遇することを望まなかったから
除されたと思います。なぜか?それは、日本の内閣が曰
されたのか、御存知ですか。
渡辺その通りです。なぜ、そしていっその言葉が削除
う言葉が、最後には削除されてしまうわけですね。それ
渡辺そこで、三つめの質問です。その「自然人」とい
然人
ケーディスそして、私にも記憶がない。
渡辺そう。
ね、まだ結婚していなかったから。しかし彼女は記憶して
’
◇
◆
18
19占領政策の根本原則と 部落問題
は働けなかったのです。彼らの一人が、合衆国の最高裁判
ん。「水平社」でしたつけ、私が聞いたのは、その言葉で
でも私は、「部落」という言葉は聞いたことがありませ
の国民は平等であるべきだったからです。
す。あなたが私に手紙を書いてくるまで、部落というのは
所に提訴して、合衆国憲法の修正第一四条はすべての人に
は訴えを却下しました。
渡辺水平社は英語で岳①F①ぐの一日のシ叩の。&畳・口と訳
だ、総司令部も民政局も。
ケーディスそれじゃ、私たちは皆、水平社だったわけ
す。
渡辺戦前の日本で、部落差別と闘った組織の名前で
味ですか。
聞いたことがありませんでした。水平社って、どういう意
法の平等な保護を保障していると主張しましたが、最高裁
今日なら同じ判決を下すとは思いません。その判決は合
衆国において誤まりだったと思います。でも、私は最高裁
判所にいたわけではありませんからね。
曰本国民となる条件は国会で決定する、これは別の条項
にあります。憲法のコピーを持っていますか。
渡辺はい。
になるよう望む組織という意味です。
されています。水が平らなように、すべての曰本人が平等
ケーディス第一○条ですね、「日本国民たる要件は、法
律でこれを定める」。これは曰本側発案の条項で、民政局
ケーディスなるほど、とても面白いですね。
が起草したのではありません。言いかえると、彼らは外国
人が曰本国民となるのを難かしぐしようと、確かに望んで
渡辺「エタ」という言葉は聞かれたことがあります
ったのか、それを知りたいのですが。
渡辺華族制度を完全に廃止するというのが誰の意見だ
修正したのです。
た。それは根本原則です。部落を含めて、人々の間に差別
えていました。部落は部落でない人と同じであるべきでし
私たちは部落の人たちは曰本人と平等であるべきだと考
の松本治一郎、彼は水平社だ、と。
水平社という言葉を使いました。例えば、参議院の副議長
ケーディス聞きましたが、使ったことはありません。
か。
いたのです。だから日本側は、例の条項を提案したので
す。.
根本原則
渡辺日本の部落差別をなくすことはどうでしたか。そ
ケーディスはい、確かです。曰本国民ですし、すべて
れは、根本原則に含まれていましたか。
があってはならないと、私たちは考えていました。すべて
の人は法のもとに平等なのです。
渡辺お手紙には、福島慎太郎氏やハーパート・ノーマ
ケーディスそうです。一九四五年八月に日本に来た時
ご承知のように四○年前のことですから、間違っているか
ケーディス社会党の提案から来た、と私は思います。
には、知りませんでした。他の日本人から違った扱いをさ
とか。…:。考えがあるわけではありません。確かではあり
も知れませんが、社会党から来たと思います、鈴木義男だ
ンから部落問題について知ったと書いておられましたが。
れている日本人がいるなんて、全然知らなかったのです。
すべての曰本人は同じだと思っていました。たとえ知って
もし華族制度が続いていたとしたら、今日でも華族がい
て国会で、衆議院でそれは修正されたのです。
たわけですね。例えば東久邇は死ぬまで公爵でい続けられ
ませんが、社会党から来たのでしょう。総司令部ではなく
した。ノーマンが、そうではないんだと、私に教えまし
いても、私は他のすべての人と同じように部落民と接しま
た。そもそも私は、曰本に来た時、日本について何も知ら
た。幣原もそうだし、すべてそうです。でもそれは民主的
的な原則だなんて言えますか。私たちは、第一章の「天
な原則でしたか。イギリスと同じような華族がいて、民主
なかったんです。
華族制度
提案や修正の九○パーセントは総司令部、民政局に認めら
皇」にはたいへん厳密でした。でも、日本側が言い出した
渡辺華族制度の廃止について、質問させて下さい。
れました。たとえそれがいい考え方でなくとも、日本側の
あります。でも日本では華族はなくなったのです。公爵も
私たちは賛成ではありませんでした。イギリスには上院が
ケーディスいくつもあります。一つは、参議院です。
渡辺たとえばどんな条項に賛成しなかったのですか。
提案の九○パーセントに私たちは反対しなかったのです。
ケーディスどうぞ。
渡辺(民政局で起草した)最初の草案では、華族制度
の廃止は不徹底にしか提案されていませんでした。
ケーデイスそう?将来これ以上華族は増やさないと。
幣原男爵やほかの人のようにすでに華族だった人たち、彼
らは華族のままでいることができました。日本側がそれを
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21占領政策の根本原則+部落問題
院では諸州の、下院では国民の代表が選ばれます。でも日
一つ院がいるのですか。合衆国には上院がありますが、上
ない、男爵もない。どうして参議院がいるのですか。もう
ましたか。
能性があると思いますよ。最初の草案では、どうなってい
ケーディス彼女は記憶にない。でもそれは、大いに可
渡辺彼女に尋ねましたが、彼女は知りませんでした。
ケーディス「のみ」がですか。
渡辺その言葉は、ありませんでした。
本には州というものがありません。県というのは州と同じ
ではありません。だから、どうして参議院がいるのでしょ
ケーディズ彼は正しいと思います。
渡辺はいっていませんでした。
ケーディスはいっていなかったo・
渡辺そうです。
うか。でも、私たちはそれが根本原則にかかわる問題だと
言うことはできませんでした。
は根本原則の侵犯ではありません。しかし、もし第二院が
渡辺それでは、最後の質問です。第二次世界大戦後、
根本原則の例は、こういうことです。第二院を持つこと
されるのではなく、国民によって選挙されなくてはならな
はなくなった。外国人に対する差別はなくならなかった
ケーディスなくしたと思いますよ。部落に対する差別
部落差別を撤廃できなかったのはなぜでしょうか。
あるならば、それは内閣や天皇、高額納税者によって指名
い、それはまさに根本原則です。
部落差別
あなたから手紙をもらうまでは、それはもうなくなったと
たら、彼らもそれはもうなくなったと言うでしょう。私も
ンが、そしてもしホイットニーやマッカーサーが生きてい
が、部落に対してはなくなった。もし福島が、もしノーマ
みに基いて成立し」とあります。松本治一郎は、自分がこ
渡辺ところで第二四条には、「婚姻は、両性の合意の
いますが。
の「のみ」という言葉を入れるよう主張したのだと言って
上の根拠ですか。
今曰では、何が差別の根拠ですか。法的なあるいは憲法
思っていました。私はたいへん驚いたのです。
ケーディス彼は多分正しいでしょうが、私は記憶して
I…
渡辺法的にも、憲法上の根拠もありません。
!
差別語と差別表現について、表現の自
BS判1、Soo円
差別表現と糾弾
の基本的な視座を提示。
り上げ、部落問題の理論的解明にとって
批判、差別と表現など多様なテーマを取
究と部落、戦後の部落史、国民的融合論
初めて追究した意欲的な論文集。占領研
現代史の視点から、部落史の諸問題を
渡辺俊雄箸BS判1、Soo円
I
いません。第二四条は、ほとんどゴードンさんが書きまし
た。
ケーディス憲法はが社会的身分や門地による差別の禁
渡辺もちろんあります。
止をうたっていますp憲法のなかにまだあるのでしょう。
ケーディスそれでは、差別の理由はありませんね。
ています。
渡辺その通りです。でも、たとえ憲法のなかにはそう
書いてあっても、国民は心の中で、部落差別はあると思っ
ケーディスそれでは、それは文化の問題ですね。時間
がかかるでしょう。文化を変えるには、時間がかかりま
す。
、
由と差別の問題への基本的な見方を提起。
〒556大阪市浪速区久保吉l-6-I2
aO6(568)1300振替大阪7-13183
㈱部落解放研究所
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