建設業界を縁の下で支えるN&Cの施工管理技術者派遣が急拡大

ニュースサイト『サーチナ』2013年7月31日付経済ニュースに
当社代表 長田健のインタビュー記事が掲載されました。
建設業界を縁の下で支えるN&Cの施工管理技術者派遣が急拡大
公共施設の老朽化が社会的な問題となり、自民党の財政出動
に伴う公共工事の発注増が実施されている中、その工事を請け負
う建設業界が人材不足にあえいでいる。民主党政権の「コンクリー
トから人へ」の政策転換によって大幅な縮小した建設市場に合わ
せた人員構成をしたために、急速に立ち上がる建設需要に対応で
きないという。大手ゼネコンをはじめ多くの建設現場に施工管理技
術者を派遣しているエヌ・アンド・シー(N&C)代表取締役社長の
長田健氏に、建設業界の現状と、派遣業務の見通しについて聞い
た。
――建設業界の人手不足が深刻だということですが、実際の状況は?
1992年にピーク84兆円産業といわれた時から、リーマンショックの影響を受けた2010年~2011
年には、建設市場全体で約40兆円の市場規模へと半減しました。この直後に民主党政権が誕生
し、「コンクリートから人へ」という政策転換がいわれたため、建設業界では、40兆円市場に合わせ
る形で人員構成をしてしまいました。現在の建設市場は48兆円規模に回復し、深刻な人手不足に
なっています。
そもそも、建設業界では、バブル崩壊による需要の減退で1990年代から2000年にかけて新卒採
用の抑制を続けました。この結果、今の30代中盤から40代中盤の働き盛りの層の人員が絶対的に
少ないのです。さらに、60歳以上の「団塊の世代」が退職し始めているので、人手不足に拍車がか
かっています。
――建設現場での人手不足を補うため、派遣社員の活躍の場が広がっているようですが、御社
では、どのような人を採用し、派遣しているのですか?
中途採用で、経験者を採用しています。たとえば、リーマンショック後に大手ゼネコンの人員整
理で退職を余儀なくされた方や、地場の建設会社で現場管理の経験がある技術者の方々を採用し
ています。派遣法におけるコンプライアンス面においても経験者の採用は重要な位置づけです。
当社が派遣している施工管理技術者には、4つの仕事の側面があり、未経験者が即戦力として
務まる仕事ではありません。たとえば、現場の進捗を管理する「工程管理」は、ビル1本建てるの
に、約100工種以上が入るといわれる専門工事業者が、何時に何が搬入され、何時にどこの業者
から何人やってくるのかなど、全て管理する必要があります。その上で、計画どおりに工事を進める
工程管理能力が問われます。
また、「品質管理」は、水漏れ、強度不足などの不良工事がないよう検査業務を行ったり、施工
される上で大切な施工図面を作成、チェックをする技術が必要です。「安全管理」は、現場が無事故
で竣工を迎えられるよう、不安全箇所がないか、不安全行動をしていないかなど、常にチェックをし
なければなりませんし、安全に関わる書類の作成も重要な業務です。「原価管理」は、現場の予算
に対する管理であり現場の根幹的業務のひとつです。いずれも経験を積まなければ簡単にはでき
ない高等な管理業務です。
――派遣される施工管理技術者は、どのような現場で活躍しているのですか?
完工高が1000億を超える建設会社の現場や、空調・衛生設備工事大手企業、電気設備工事大
手企業を重要顧客62社と定めており、約870名を配属しております。その他は、地方における有力
なゼネコンに派遣しています。
具体的な現場は、たとえば、東京の名所が震災で破損をした際に、復旧工事を超大手企業の社
員とともに携わり活躍いたしました。改修工事の中では、神経を使う高所作業でしたし、無事故で工
事を終えなければならないというプレッシャーも大きかったのですが、見事に成し遂げました。
また、国内における大型現場では、北海道から九州まで必ずと言って良いほど当社の社員は関
わっております。
――これからも、施工管理技術者の派遣ニーズは衰えることはないのですか?
新宿、六本木などで実施されてきた100億を超すレベルの開発案件は減っています。しかし、建
設会社の完工高は減っていません。それだけ工事が小ぶりになっていって、現場数が増えている
のです。大手ゼネコンの正社員は、その増えた現場の数だけ、配置して常駐しなければなりませ
ん。例えば1000の現場から1500の現場に現場数が増えると、それだけ社員を配置しなければなら
なくなり、大きな負担になっています。結果的に人手が足りない管理業務は、当社などのサポート
が不可欠となるのです。
さらに、建設現場には監理技術者や主任技術者など規模に応じて常駐義務があります。加え
て、監理技術者の配置には適切さを求められるような時代になってきているため、建設会社は社員
の配置が一層難しくなっています。たとえば、マンション工事経験の多い監理技術者を、高度な技
術を要する大型病院の新築工事に配置しようとすると、経験値として問題が生じます。そもそも人
が足りない中で適切配置を実行しようとすると、結果的に当社などの派遣社員のサポートが必要と
されます。
――それだけニーズが強いと、派遣業者の間で競合もあると思うのですが、その中で、N&Cの
特徴は?
派遣先が大手建設会社、大手設備会社が中心で、大型案件に関わることができるということが
大きいのですが、社員一人ひとりを大切にしたい、永く勤めることができる派遣会社にしたい、とい
う思いから社員の安全と衛生自体にも力を入れていることに特徴があります。派遣社員を集めた安
全講習を、全国各地で年間50回程開催しています。先日行われました宮城県女川町での安全大会
では、わざわざ女川町長や派遣先の大手建設会社も参加していただく盛大な大会になりました。
建設現場は危険が伴います。安全第一、健康第一を心がけ、真剣に安全大会をやっています。
また、この大会は、1つの現場に1人で派遣されるケースが多い派遣社員にとっては、同じ社員が一
緒になって共感できる場でもあります。私も時間が許す限り出席し、社員との懇親を深めています。
ここで聞いた社員の要望から、退職金制度、永年勤続表彰、財形貯蓄の導入など、新しい人事規
定も設置しました。
――これからのN&Cは?
建設業界における技術者の集団として、企業による需給バランスの調整をする建設業の縁の下
の力持ちとしてやっていきます。2016年6月期には2000名体制にする計画です。
また、重要顧客大手62社に対して、現在は全体の64%の技術者を派遣していますが、この派遣
比率を70%にする目標を持っています。2010年1月は43%でしたから、3年余りで大きく向上しまし
た。全体で320社の取引先がありますが、大手62社との取引を深め、雇用の継続性、契約の安定
性を確保していきます。これは、派遣社員にとっても、大手ほど業務分掌がされているので、責任
範囲が明確になっていて働きやすいという声を聞きます。社員のためにも大手企業への派遣の機
会を増やしていきます。
一方、BIM(ビルディング インフォメーション モデリング)という考え方に基づいた「3D CAD」
の研修プログラムを、現在開発しています。BIMの考え方は、1980年代にアメリカに始まって、少し
ずつ世界の建設市場に広がってきています。 今、日本の現場で「3D CAD」を扱える人は皆無
に等しい状況です。大手ゼネコンでも技術者の養成に着手したところですから、業界とともに「3D CAD」で施工図面が書けるような人材育成のお手伝いができればと考えています。
さらに、近年の人手不足に対応するため、未経験者の採用も本格的にスタートする考えです。
一昨年、昨年と新卒社員の採用を実施し、ベテランの施工管理技術者とペアで現場に派遣して、見
習いとして研修を進めてきました。既に、2年間の研修を終えた新入社員は、今年から、十分に戦力
として現場に出せるようになりました。ここで得たノウハウを、これからは中途採用者にも広げてい
きます。
最後に、建設業界では技術者の需要と供給が保たれておらず、技術者不足は深刻な問題で
す。当社では施工管理技術者(建築・設備・電気・土木・プラント)を積極的に採用しており、多くの
技術社員が全国で活躍しています。多少の経験でも活躍できる研修生制度等もありますので、安心
して門を叩いて頂きたいです。日本の建設現場を一緒に支えて頂く仲間を現在も募っています。
(編集担当:徳永浩)