平成25年2月より下肢静脈 瘤に対するレーザー治療を開始いたしまし た。

胆沢病院では、平成25年2月より下肢静脈
瘤に対するレーザー治療を開始いたしまし
た。
下肢静脈瘤に対するレーザー治療は10年
ほど前に日本に導入され、大学病院での先
進医療か個人病院での高額な自由診療の形
で行われていましたが、平成23年1月から
保険診療が可能となりました。
岩手県立病院で導入したのは初めてで、
現在、岩手県内でこの治療ができるのは当
院と盛岡友愛病院の2施設のみです。
その機序は、逆流のある伏在静脈内にレーザーファイバーを挿入し、レーザー
の熱で血管を焼き、閉塞・線維化させるというもので、従来から行われていたス
トリッピング手術と同等の効果があるとされています。
患者さんのメリットとしては、局所麻酔でできるのですぐに歩行可能なこと、
大きな静脈瘤でなければ切開創がないため傷が残らないことなどがあげられます。
また、抗凝固療剤・抗血小板剤を内服されている場合も休薬しないで治療が可
能ですし、高度肥満や術後再発症例の治療にも向いています。欧米では、ストリッ
ピングと血管内治療の比率は逆転し、70%以上が血管内治療になっているそうで
す。
参考までに、手術費用の目安は3割負担で片足5~6万円(ストリッピング手術
は片足4~5万円)となっています。日帰り手術が可能ですが、手術翌日の診察が
必要なので、遠方で通院が大変な方には短期入院での治療も行っています。
伏在静脈の拡張や蛇行が強い静脈瘤や凝固異常症の既往やステロイドを内服し
ているケースではレーザー治療の適応が無い場合もありますが、患者さんに納得
していただけるような治療法を提供させていただきますので、下肢静脈瘤でお悩
みの際にはご相談ください。
血 管外 科長 玉手 義 久