関西大学 物理・応用物理学科 http://www.phys.kansai-u.ac.jp/ 研究室紹介 1/4 淺川 誠 (量子放射光物理研究室) asakawa@ipcku.kansai-u.ac.jp http://www.phys.kansai-u.ac.jp/~prpl/ オフィスアワー: 金 5限 個室(2 号館研究棟別館 1F) 電子の運動をコントロールして光を作る研究を 行っています。主に、電子を金属内から真空中に取 出す装置、電子を光速近くまで加速する装置、自由 電子レーザーと呼ばれるタイプのレーザー装置の 開発研究を行っています。また光を利用した検査技 術の開発も行っています。これらの研究を通して光 2010.04.06 “場”を扱いますから、同じ“場”を扱う「電磁気 学」や、ベクトル場を扱う「物理数学B」は得意で あってほしいです。あとは実験を志すのなら工作好 きであることと計測に必要な電気回路・計測工学・ 実験系科目・光学系科目、理論を志すなら計算機系 科目を履修していることが好ましいです。私もカバ ーしていない学問分野まで幅広く履修しておくこ とで、卒業研究ではお互いに未知の情報を提供し合 い、協力して良い研究成果を築き上げられればいい ですね。 を記述するための電磁気学、電子の運動を記述する ための力学を‘体感’できるくらい深く理解できま す。また特殊相対論や量子論についても学習します。 学習も大切ですがそれと並行して、実験装置設計の ためのシミュレーション技術や電子・光の計測技術 など、‘アイデアを現実の物にする能力’の修得を 目指します。現時点での成績より、研究室を生活の 中心に置き自分の能力を伸ばそうという意欲のあ る人が来てくれると嬉しいです。 伊藤 博介 (物性理論研究室) hitoh@ipcku.kansai-u.ac.jp http://www.phys.kansai-u.ac.jp/~cms/ オフィスアワー: 金 5 限(事前に連絡することが望 ましい) 研究室(第 5 実験棟4F) 物質は磁性,超伝導などの様々な性質を示します。 物性理論研究室の伊藤グループでは,「これらの性 質が生じる起源・機構は何か?」という基礎的な視 点と,「これらの性質をうまく利用することで,何 板野 智昭 (流体物理研究室) itano@ipcku.kansai-u.ac.jp http://www.phys.kansai-u.ac.jp/~fluid/ オフィスアワー: 月 9:30~10:30 個室(第 5 実験棟4F) 流体の速度が速くなるにつれ、流れは空間的に複 か役に立つものを作り出せないか?」という応用的 な視点に立って研究を進めています。理論物理学的 な手法に加えて,計算機シミュレーションを用い, スピントロニクスと超伝導エレクトロニクスを中 心に,様々な物質の物性解明・物性予測を行ってい ます。 雑で時間的にも変動の多い状態(乱流)に遷移しま 新奇な物理現象の探索および新機能デバイスの す。乱流は私たちの身の回りに偏在しています。乱 開発にチャレンジする意欲のある学生を求めてい 流が自由に制御できれば、抵抗が減るので、その結 ます。卒業研究では,学内外の研究グループと共同 果、高速に走れ、かつ低エネルギー消費で環境にや して進めている研究プロジェクトにも積極的に参 さしく、騒音も小さな乗物が作れるといったように、 加してもらえればと考えています。 有益なこと限りありません。乱流の理解を目標にし 卒業研究を通して,自分の頭でとことん考え抜き, て、実験と理論の両面から次の基礎研究を進めてい 考えたことを計算機で試すことができる人材(関大 ます。1)熱線風速計の試作と小型の低乱風洞の設 風に言えば THINK×ACT を実践できる人材)に育 計、2)平行平板間流れの非線形定常解の探索と可 ってくれればと思います。 視化。 専門の「流体力学」を履修していることは当然必 要です。流体運動を表現するためには速度や圧力の 関西大学 物理・応用物理学科 http://www.phys.kansai-u.ac.jp/ 研究室紹介 2/4 伊藤 誠 (量子多体物理研究室) itomk@ipcku.kansai-u.ac.jp http://www.phys.kansai-u.ac.jp/~manybody/ オフィスアワー: 木 2限 研究室(第 5 実験棟4F) 当研究室では、陽子、中性子と呼ばれる微小粒子 の集合体である「原子核」の性質について理論的な 研究を進めています。原子核はミクロな多体系です が、天体内の元素合成過程、中性子星等といったマ クロスケールな宇宙現象の多くを支配している重 要な系です。従って、原子核自身の解明に加え、そ 2010.04.06 <研究室が望む学生> ・量子力学の世界を実験的に体験したい「知性派」 の人。 ・実験には忍耐と体力が必要です。 「肉体派」の人。 ・モノ作りが好きな「技巧派」の人。 ・環境,医療など社会問題に対して物理学で貢献し たいと思う人。 ・ソフトウエア開発やシミュレーションに興味のあ る人。 など,協調性があり意欲的な学生を歓迎します。 の宇宙現象への影響を考察することも主要な研究 テーマになります。この様にミクロからマクロに渡 る研究を進めるには、旺盛な好奇心と、粘り強く一 途なやる気が大切です。 ゼミは和田先生の研究室と合同で輪読を行い、原 子核の性質や宇宙との関連性について基礎的な知 識を身につけます。卒業研究では、天体現象に関連 齊藤 正 (環境デバイス物理研究室) saitoh@ipcku.kansai-u.ac.jp http://www.phys.kansai-u.ac.jp/~ecophys/ オフィスアワー: 木 3限 個室(2 号館教養教授棟4F,401 向い) する量子力学や原子核のテーマを取り上げて実際 半導体の光・電子物性を実験的に研究し,光デバ に数値計算を進めてもらう予定です。そのため、卒 イスや環境デバイスへの応用を目指しています.光 研に入る際には、量子力学とその関連科目の理解と デバイスには,①発光ダイオード(LED)や半導体 ともにコンピュータの取扱にも知識があることが レーザなどの発光デバイス ②フォトダイオードや 望ましいです。また余力のある人は量子力学の散乱 太陽電池などの受光デバイス ③光変調器や光偏向 理論の勉強もしておいてください。 器などの光制御デバイス,があります.「環境デバ イス」は齊藤の造語でまだ世の中で認知されていま せんが,希少元素や有毒物質を除外した環境半導体 を用いて地球環境改善に役立ついろいろなデバイ 稲田 貢 (環境デバイス物理研究室) スを作って行くことを考えています.研究テーマに inada@kansai-u.ac.jp http://www.phys.kansai-u.ac.jp/~ecophys/ は物性やデバイス特性自体だけではなく,試料・デ オフィスアワー: 火 3限 個室(2 号館教養教授棟4F) 次世代の光・電子デバイス,センサーなどへの応 用を視野に据えた, 「 半導体量子ドット,金属ナノ 粒子,分子集合体などのナノ構造の物性」「金属酸 化物薄膜の物性」 「試料作製技術,測定技術の開発」 に関する研究を行なっています。 デバイスへの応用を目指して,「物質」をデザイ ン→作製→測定→解析する実験系の研究室です。半 導体,材料系,電器製造業などの企業に就職した際 に専門知識を生かすことができます。 バイスの作製方法,測定評価方法なども含まれます. これらの研究を通して,半導体物性,デバイス物理, プロセス技術などを学ぶとともに,PDCA(Plan Do Check & Action)サイクルに基づく研究・開発の進 め方を修得していきます. いい研究は片手間ではできません.大学生活の締 めくくりに,いっしょに研究に没頭してみません か?元気の良い学生を求めています. 関西大学 物理・応用物理学科 http://www.phys.kansai-u.ac.jp/ 研究室紹介 3/4 鈴木 直 (物性理論研究室) ntsuzuki@ipcku.kansai-u.ac.jp http://www.phys.kansai-u.ac.jp/~suzuki/ オフィスアワー: いつでも(不在の場合があるので、 事前にメールで連絡することが望ましい ([email protected]) 個室(第 6 実験棟4F) 物性理論研究室の鈴木グループでは、第一原理電 2010.04.06 さんからの積極的な問題設定も歓迎します。 1期生のプレ卒研(3年次秋学期)では、流体物 理研究室(関・板野)に配属された学生は、3つの 班に分かれて、実験や計算に関する3つの課題:(1) 熱線風速計の製作、(2)マイクロチャネル流れの実 験、(3)計算機演習を、4 週毎に順に経験しました。 その中で、流体物理学の基礎を身につけるとともに、 子状態計算に基づいて、超高圧極限物性の解明や新 自分の適性を見つけて、4年次の卒業研究に結びつ 物質の理論設計、さらには量子スピン系の問題に取 けていきます。 り組んでいます。 第一原理電子状態計算とは、物質の性質(物性) 積極的に自分で工夫して流体実験を行う意欲の ある人、新しくコンピュータ・プログラムを書き上 を決めるのに最も重要な働きをしている電子の げる気概のある人を求めます。力学、電磁気学、統 物質中における運動(量子力学的状態)を、構成 計力学、物理数学などの基礎科目をしっかり修得し 原子の種類とその配列を与えるだけで、計算する て基礎力を身につけることが重要です。 ことを指します。これにより、原子の配列が常圧 の場合とは大きく異なる超高圧極限環境におけ る新奇な物性の解明・予測、自然界には存在しな 藤井 和成 (弾性波工学研究室) fujii@ipcku.kansai-u.ac.jp い新機能を持った物質の設計などが可能となっ http://www.phys.kansai-u.ac.jp/~fujii/ ています。また、電子は電荷という属性以外にス オフィスアワー: 火 午後 研究室(2 号館教養教授棟 2F) ピン(小さな磁石)という量子力学的な属性を持 っており、このスピンが織りなす多彩な物理現象 の研究も行っています。 卒業研究では、どんなに小さいことでも良いから、 これは自分がオリジナルで成し遂げたのだと言え るようにして下さい。また、大学4年の間に一生付 き合える良い友達を見つけて下さい。 弾性波の発生や伝播に関して理論的,実験的に考 察を進めています.できる限り現象を今はやりの数 値計算に頼らないで,理論的に解明し,得られた結 論について,実験的に確証するというやり方をよく とっています.ただ理論的には従来から弾性波の計 算によく使われている関数論などを使って,目的の 波を抽出するようにしていますが,モデルがだんだ 関 眞佐子 (流体物理研究室) sekim@ipcku.kansai-u.ac.jp http://www.phys.kansai-u.ac.jp/~fluid/ オフィスアワー: 水 13:30~14:30 研究室(第 5 実験棟4F) 水や空気に代表される、液体や気体の運動を調べ、 ん複雑になってきますと,簡単に解析できなくなっ て,結局,数値計算に頼る部分が増える事になり, すっきりした結果が得られない場合も多々ありま す.実証実験は室内で手軽に行えるモデル実験によ って,測定された波形データをデータベース化する 波形処理システムを構築して,目的に応じて処理プ その背後にある物理を学ぶのが流体物理学です。私 ログラムを作りながら使っています.最近では弾性 たちは、「バイオ流体・マイクロ流体」をキーワー 波の伝播をビジュアルに表現できるシミュレーシ ドとして、血管内の血液流れやマイクロ流路内の流 ョンソフトを使っての解析も進めています.ハード れを中心に、流れ構造や流れ中に浮遊する粒子運動、 とソフトの両方に興味のもっている人,食事も忘れ 物質輸送に関する研究を行っています。レーザー顕 て物事にのめり込める人,小さいときおもちゃをと 微鏡、µPIV 法などを用いた流体計測とコンピュー ことん分解しその仕組みを知ろうとした人,一緒に タ・シミュレーションによるモデル解析の両面から やりましょう. アプローチしています。広く流体現象に関する、皆 関西大学 物理・応用物理学科 http://www.phys.kansai-u.ac.jp/ 研究室紹介 4/4 山口 聡一朗 (量子放射光物理研究室) yamso16@kansai-u.ac.jp http://www.phys.kansai-u.ac.jp/~prpl/ オフィスアワー: 金 午後 個室および研究室(2 号館研究棟別館 1F) 私の研究室では、光を測る研究を行っています。 主にミリ波・マイクロ波帯の電磁波を用いてさまざ まな対象物の 2 次元断層像や3次元像を調べるイ メージング装置を研究開発しています。この装置を 応用して鉄筋コンクリートの内部検査や小さなガ 2010.04.06 超音波を可視化する装置や高感度な検出法の研究 もしています.大きなシステムをみんなで共用して 実験する研究室ではありません.自分の実験装置を 組んだり,自分で測定試料を準備したりします.手 を動かすことが大好きで,実験や工作をいとわない 人に向いていると思います.また,企業や他分野研 究室との共同研究が盛んですので,社会を知るチャ ンスも多いと思います.超音波技術を身につけて 様々な分野へ貢献しませんか? ン組織を発見する新しい診断装置を作ります。本研 究を通じて電磁波の伝搬や光学系の基本について 学びます。また、マイクロ波の光学系や高周波回路 の設計と製作、結像の計算機シミュレーションなど の学習によって、実験物理の技術を修得します。研 究室配属までに特に電磁気学・電子回路・幾何光 学・波動光学・その他光学に関する科目を十分よく 和田 隆宏 (量子多体物理研究室) wadataka@ipcku.kansai-u.ac.jp http://www.phys.kansai-u.ac.jp/~manybody/ オフィスアワー: 月 12:10~13:00 個室(第 5 実験棟4F) 修得しておいてください。また、実験装置を手作り 量子力学に支配される、原子核などサブアトミッ で製作しますので、手先が器用であるとか、工作が クシステムの物理を、理論的に研究しています。例 得意であるなど、モノ作りが好きで意欲的な学生さ えば、宇宙における元素合成や加速器で作り出され んが本研究に向いています。 る新しい原子核などがテーマです。 ミクロの世界や宇宙に興味を持つ、好奇心旺盛な人 を求めます。理論系研究室なので、装置による制約 がない分、本人のやる気しだいでいろんなことが勉 山本 健 (超音波物理研究室) ken@ipcku.kansai-u.ac.jp http://www.phys.kansai-u.ac.jp/~ultrasonic/ オフィスアワー: 水 12:10~13:00 個室(2 号館研究棟別館 1F) 触っただけでは判断できない生体の硬さ・柔らか さを測ったり,小さすぎてはさみでは切れない分子 を切ったり,目では見えない体の中身を観察するこ とができる超音波を研究しています.具体的な研究 テーマは,軟骨や皮膚等の生体組織の硬さ・柔らか さ評価,超音波キャビテーション(微小気泡)によ る高分子分解,時間を反転したかのように振舞う超 音波を用いた医療診断や非破壊検査法の開発等で す.音波を使って物の性質を知り(音波物性),そ の知識を医療・工業分野へ応用(超音波工学)する 立場で研究をしています.また,超音波の新しい現 象や不思議な振る舞いを調べるために,光を使って 強できます。 ゼミは、量子論や原子核・宇宙などに関する英語・ 日本語の文献を輪読します。卒論のテーマとしては、 大学院を目指す人には、それにつながるものを考え ています。4年で卒業する人には、卒論の経験が社 会に出てから役立つようにするつもりです。 履修に当たっては、特に量子力学はしっかり勉強し ておいてください。物理数学や解析力学も身につけ ておくことが必要です。自力でプログラムが作れる 人には、数値計算を伴った課題を与えますから、コ ンピュータ関係の科目もしっかり履修しておいて ください。
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