「長期記憶」のメカニズムと「直脳式トレーニング」 外部情報を通じて 人間は、五感を使って外部の情報を 運動野 取り入れます。取り入れられた情報は、 大脳皮質の各覚野へ運ばれます。 「直脳式トレーニング」はテキストを 聴覚野 視覚野 見る 見ながら音声を聞かせます。 (音声はスピードを少し早くして、集中 力が高まるように工夫しています。) 聞く 耳から聴覚野へ、目から視覚野へと外部 の情報を大脳皮質へ運びます。 自己保存の法則 しかし、外部からの情報が大脳皮質へ届かない場合も生じます。例えば、常に怒られながら日々を過 ごしている人は自分を守ろうと脳が反応します。まず、聞かない、聞きたくない、聞く気がなくなる、 聞けなくなる、そして聞こえなくなるのです。更に聞く脳力までが低下してしまうそうです。そうする と、外部の情報が聴覚野へ届かないという事態が起こるのです。「人の話を聞いてるの?」と言いたく なるようなタイプは要注意です。また、全く勉強をする気がない、やる気がない、そういった生 徒さんも要注意でしょう。 視覚野・聴覚野から海馬へ 外部から大脳皮質へ送られた情報は海馬 へ移動します。聞く脳力が低下した生徒た 聴覚野 ちは一般的には海馬も活発ではありません。 まず海馬を活発にすることが脳の活性につ 扁桃体 視覚野 海馬 ながり、「長期記憶」にもつながるのです。 「直脳式トレーニング」は「ベーシック」 という英単語や漢字のような比較的記憶し やすいテキストと「シナプス」という木の 枝の広がりのように全体の把握が必要な社 会や理科のテキストがあります。 直脳式トレーニングの状況 「直脳式」の「ベーシックトレーニング」の場合、1回目、3分聞く、見るからテスト、答え合わせ。 その後、同じテキストで2回目を実施します。そこで何割程度覚えているかで「直脳式トレーニング」 の成果を図るのです。このような成果とその他の要因も含めて直脳レベルが作られています。 1回目 のテストで1,2割だった生徒が 7,8割になったり、2回目のテストで5,6割だった生徒が満点を取れるよ うになります。同じように英語の本文も少しずつ得点をアップすることで着実に力を付けていることが 確認できるでしょう。これは海馬が活発に働いて、 情報を海馬までしっかり届けている証拠なのです。 海馬から大脳皮質へ 海馬に入った情報は海馬に留めるのではなく 大脳皮質に飛ばす(長期記憶)という大きな仕 大脳皮質 事があります。 もし海馬で情報が止まる場合、 「短期記憶」となってしまいます。 「ベーシックトレーニング」の手ごたえを感じ 扁桃体 ることができれば、 これと並行して、社会、 理科のテキストで「シナプストレーニング」に 海馬 も取り掛かりましょう。 「長期記憶のこころえ」が重要 しっかり覚えなければ、またテストで良い点を取らなければと強く思えば思うほど、 過剰反応のよう に海馬が情報をしっかりキャッチして放しません。 海馬がキャッチしたままであれば、海馬はもともと 情報を長く記憶できないので、 テストが終わると忘れてしまう 「短期記憶」なのです。 目先の結果に とらわれないで十分な睡眠を取るなど「長期記憶のこころえ」に書いてあることを 重視しなければ足踏 みするでしょう。 この考え方は本人だけではなく、 保護者の方や指導者の方がしっかり理解してあげ る必要があります。 また、 「長期記憶」を身につけていても「短期記憶」になることがあるので注意 しましょう。 睡眠中でも脳力アップ 睡眠時間→ 入眠 1h 2h 3h 4h 5h 6h 7h レム睡眠 睡眠曲線 8h 睡眠の重要性! 海馬が情報を大脳皮質に飛ばすことが、習慣化 されれば、睡眠中に長期記憶が完成するのです。 レム 睡眠 更に睡眠中に重要な働きをしています。それは睡 眠のなかでも夢を見ていると言われる時間帯です。 体温 レム睡眠の威力! 長期に記憶された情報は、他の情報と大脳皮質 ノンレム睡眠 メラトニン コルチゾール 発汗量 で「つながり」また「ひらめき」といった新たな ものも作り出したりすることで、適応力や発想力 などの脳力を高まります。それがレム睡眠の時間 成長ホルモン 長期記憶の他にどんな脳力アップが! といわれています。レム睡眠時の脳の活性化なく して脳力アップは語れません。 海馬から情報が大脳皮質に飛ぶことで学力だけでなく他にも変化を感じることがあります。塾生の中 で運動能力がアップしたり、芸術脳力がアップしたと喜ぶ生徒が増えています。また、高校受験でも推 薦で合格する生徒が増えています。 それから、相手の気持ちを読み取ることができる思いやりのある 生徒や、自分をコントロールすることができるような人間的に成長した姿がみられることが、とても嬉 しく思っているのです。知識をインプットし知恵をアウトプットできるのは、「長期記憶」の力です。
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