「豊かな心」とは、美しいものに感動し、常に生きることの喜びと感謝の気持ちに 満ち、明るく、前向きに、たくましく生きようとする心です。 「豊かな心」は、自分を大事にすると同時に他人を思いやる心でもあります。そし て、ルールやマナーを守り、社会に貢献しようとする実践的な力の基礎になります。 時と場所を上手にわきまえ、他人の立場や心を充分に尊重できるような判断力と行動 力に支えられて、初めて「生きる力」は本当の力となるのです。 そのためには、家庭での生活が何よりも大切です。子どもが安心して過ごせる空間 の中で、幼児期から青年期に至るまで、生きることの喜びを家族とともに味わいなが ら、基本的な生活習慣、善悪の判断、自立心や自制心など、「生きる力」を身につけ ていくことを目指します。 また、地域社会のなかで大人が子どもたちと積極的に行動をともにしながら、社会 人としての経験と判断を実地に伝えられるような活動を活発にしていきます。 さらに学校生活においても地域社会や家庭との綿密な連携を推し進めていきます が、まずは保護者や教職員、地域の大人たち自身が、明るく、たくましく、生き生き と人生を楽しんでいる姿を子どもたちに示していくことを目指していきます。 いつの時代においても、子どもたちに本当の学力を身につけさせることは、学校教 育の基本的な目標の一つです。特に鹿嶋市では、教科における学力の向上を、大きな 目標としています。しかし、本当の学力とは、子どもたちが主体的に学ぶ意欲を持 ち、達成感や充実感を味わいながら、自ら課題を発見したり解決したりできる力を身 につけることです。そうした力が身につけば、自然に教科の課題も達成できるでしょ う。 学校教育に対しては、確かな学力の定着と向上とを目指して、各校がそれぞれの課 題を見極めて校内研修や研究に取り組み、教育上の創意工夫が行えるようにします。 とりわけ教職員については、直接子どもの指導に当たるという職務上児童生徒に与え る影響力の重大性を考えると、その資質や指導力の向上や適切な教職員の配置は欠く ことができません。 そのために教育支援体制の強化を図ります。教職員の研修や複数教員による授業、 少人数学級の実施などを行うとともに、鹿嶋市独自の教職員配置を行い、子ども一人 ひとりに、きめ細やかな指導を行います。 さらに鹿嶋師範塾を中心に、教員研修機能の充実・強化を図るとともに、学校教育 5 支援者育成セミナーを実施するなど、市民の意欲と教育力を高めていきます。 また、子どもたちに生きる力となる学力を身につけさせるためには、低学年の間 に、家庭において自主的に勉強する意欲を高めて、その習慣をつけることが必要で す。家庭での教育や学習に対しては、家庭と学校が連携・協力できるよう支援を行い ます。 これからの国際社会を生きていくためには、自分と他者との違いに気づき、それを 正しく理解することが必要になっていきます。 そのためには、まず郷土の歴史や文化が有する固有の価値を理解することが大事で す。それによって初めて、異なる文化や言語を有する国や地域の固有な価値(国民 性)を理解することができます。また、異なる文化を理解することは、郷土や自国の 文化を捉え直すことにつながります。つまり、郷土理解教育と国際理解教育は、くる まの両輪となってその効果が発揮される関係にあります。 まず、郷土教育では、「鹿嶋の民話」の活用と、公民館による地域の特性を活かし た郷土教育、学校郷土歴史学習の支援等を実施し、その定着を図っていきます。 次に、国際理解教育では、海外派遣交流事業による異文化生活体験と外国語コミュ ニケーション能力の育成をさらに推し進め、国際社会の中で生きるための資質や能力 を育てます。 さまざまなスポーツや芸術に親しむことは、私たちの生活を充実させ、豊かなもの にします。特にストレスの多い現代社会にあって、個人が生涯にわたり心身の健康を 保持していく上で不可欠なものです。そして、スポーツ・芸術文化活動は、人間関係 の広がりと深まりを伴って、人々の意欲と活力とを相互に高めます。 一人ひとりのニーズに応えられる活動機会の充実を図るため、スポーツ・芸術文化 活動の関係団体等の支援を行い、生涯学習の充実に努めていきます。 6 学校施設は子どもが一日の生活の多くの時間を過ごす場所です。快適さ・居心地の よさが感じられ、子どもの気持ちを受け止める包容力を持ち、子どものやる気を引き 出す場とならなければなりません。安全・衛生面はもちろんのこと、教育の場として 適切な環境を提供する学校づくりに努めます。 ハード面では、文部科学省が策定した「学校(幼稚園)施設整備指針」に基づき、 既存学校施設の改修・改装・耐震化を進めていきます。 ソフト面では、子どもと日々接する教職員の資質の向上と、学校の教育活動を支え る教育行政の充実を図ります。 また、図書館やスポーツ施設など、学校以外の教育施設の整備・拡充も進めていき ます。 7
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