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教科外活動で 子どもたちにどのような力を身につけてほしいか

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教科外活動で
子どもたちにどのような力を身につけてほしいか
私は教科外活動を通じて、子どもたちに社会で生きていく力を身につけてほしいと思う。
社会で生きていく力とは、例えば自分が社会人として働くとき、または親になったときに
適切な言動をとれる力のことである。本論では、始めに社会で生きていく力の定義につい
て述べた後、それを学校の教科外活動でどのように養っていくのかについて触れ、最後に
それを教科外活動で行う意義について述べたいと思う。
まず、社会で生きていく力とは具体的にどのようなことを指すのか。これは文部科学省
でいうところの「生きる力」のことである。1998 年に出された中央教育審議会答申で掲示さ
れている「生きる力」とは、自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、
行動し、よりよく問題を解決する能力、自らを律しつつ、他人と協調し、他人を思いやる
心や感動する心など豊かな人間性とたくましく生きるための健康や体力、を指している。
これらは大きく分けると、自発的に問題解決に取り組む能力と集団のなかでよりよい生活
を営む能力の二つに分けられると思う。
前者の自発的に問題解決に取り組む能力についていうと、例えば、販売員になったとき
に商品の売り上げが伸び悩んでいる場合や、親になったときに子どもがいじめられている
ことが発覚した場合にどのような対策を講じるのか、といったことが挙げられる。また後
者の集団のなかでよりよい生活を営む能力とは、例えば社内で上司や後輩との人間関係が
うまくいかない場合にどのようにしてよりよい関係を築いていこうとするか、または女性
が結婚して家庭を持った後に両親の介護をしなくてはならなくなったが、家事と仕事と介
護をどのようにこなしていくのか、といったことが挙げられると思う。
このように、社会で生きていく力とは自分が社会人として働くとき、または親になった
ときによりよい方向に現状が向かうように主体的に取り組む力のことである。その力を養
うために、学校では教科外活動を通じて子どもたちの民主的人格の形成に寄与しなくては
ならないと思う。
次に、その社会で生きていく力を学校の教科外活動でどのように養っていくのかについ
て述べたいと思う。教科外活動とは文字通り教科以外の活動であるので、具体的には道徳、
特別活動(学級活動、児童会活動、クラブ活動、学校行事)や総合的な学習の時間などが
ある。戦前の教科外活動に当たるものは、もっぱら国家主義を育成する目的で国家儀式的
なものが多かったようだ。確かにそれも大切であるが、社会で生きていく力を育成すると
なると、それ以外にも必要な活動はたくさんある。例えば、給食当番や学校清掃である。
これこそ日本独特の文化である。先日 BS2 の『COOL JAPAN』という番組で子育ての違いを
テーマに取り上げていたとき、このことが話題になっていた。欧米に限らずインドでも、
給食はなくカフェテリア式であったりお弁当を持参したりするらしい。だから、みんなで
当番を決めて自分たちの食事を配膳し、みんなで好き嫌いなく同じ食事をすることは集団
生活を営む糧になるといって外国人たちは賞賛していた。また、掃除時間にしても外国に
はない文化である。外国では業者の人が学校にやってきて掃除をしてくれるらしい。しか
し日本では自分たちの学校を自分たちで清掃するので、これもまた社会生活を営む上での
社会規範を養うことになるということだった。
このように、教科外の活動では何も特別なことはしなくてよいのである。要は、社会で
生きていく力を育成することを念頭において、生活により密着した実践的な活動のなかで、
集団活動に必要なことを体験から学んでいける時間であればよいと思う。教科活動が知的
能力を育成するのに対して、教科外活動では人格的な能力を育成するべきである。
おそらく、私が教師になったら総合的な学習の時間に何をしようかとても迷うであろう。
何か特別に面白いことをしなくてはならないのではないかと試行錯誤してしまうと思う。
しかし、ふつうの生活体験をする機会が減ってしまった現在、子どもたちに必要なのは昔
ではごく当たり前にしていたふつうの生活なのではないだろうか。最近の子どもは日中は
学校へ行き、放課後も毎日のように習い事をしている子が多くいるし、共働きの家庭では
親と一緒に料理をしたり洗濯をしたりすることも少ないだろう。都会では山に登って虫取
りをすることも稀である。このような現状を踏まえた上で、今だんだんと減っている直接
体験、しかし今後の社会で生きていくのに必要と思われる体験を、まさにこの教科外活動
でするべきであると思う。
最後に、社会で生きていく力を教科外活動で行う意義について述べて終わりたいと思う。
もともと日本における近代の公教育制度は、産業革命を推し進める人材を養成するために
創設された。だがそれに対しては、徳育を重視するべきだという反対意見も強かった。な
ぜなら子どもたちは学校に行かなくても、基本的には共同体の人間形成システムのなかで
一人前の人間として形成されていたからである。しかし産業化が進むにつれて地域の共同
体も希薄化し、より学校教育の重要性が増してきた。
このようなことを考えても、教科外活動は本来、地域共同体が子どもたちを一人前の人
間として形成していた代替の役割を担っていることが分かる。私は教科活動では子どもた
ちに、教科活動や普段の生活では得ることの出来ない「体験」を沢山してほしいと思う。な
ぜなら学校とは、現実社会の縮図であると思うからだ。子供たちは小学校、中学校、高校、
そして大学で現実社会の縮図を体験した後に本当の現実社会へと巣立っていく。だから、
私は子供たちに学校で様々な「体験」をしてほしいと思う。そして先生が授業でおっしゃっ
たように、それぞれの「体験」を自分なりに内面化させて「経験」にしてほしい。そしてその
「経験」を将来社会生活のなかで活かしていきながら、よりよい社会生活を営んでいってほ
しいと思う。
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