植物防疫ニュース(速報 N o .1 8 ) 平成25年9月2日 栃木県農業環境指導センター ハウス周辺環境の整備とタバココナジラミ防除を徹底し、 トマト黄化葉巻病を防ぎましょう! 冬 春 ト マ ト で は 、近 年 、タ バ コ コ ナ ジ ラ ミ が 媒 介 す る ト マ ト 黄 化 葉 巻 病( T Y L C V ) の発生が多く見られています。 ま た 、 県 中 部 の ト マ ト ハ ウ ス 周 辺 で 行 っ た 調 査 で は 、 H 25産 終 了 時 か ら 現 在 ま で 、 ハ ウスの内外でタバココナジラミ(媒介虫)の発生および保毒虫が継続して確認されてい ま す ( 図 1 、 2 )。 野外の媒介虫は、雑草等で増殖し、本病に感染している野良生えや家庭菜園のトマト 等でウイルスを獲得していると考えられます。ハウス内外のトマトや雑草を適切に処分 すると共に、媒介虫や感染源となる罹病植物を施設内に「入れない」対策(図3)の徹 底が重要です。 誘殺数 保毒虫率 5/7 5/21 6/4 6/18 7/2 保 毒 虫 率 % H25産終了 35 30 25 20 15 10 5 0 6/23 6/30 7/7 7/14 7/21 7/28 8/4 保 毒 虫 率 % 8/11 図2 媒介虫のトラップへの誘殺数および 保毒虫率の推移(ハウス外) 図1 媒介虫のトラップへの誘殺数および 保毒虫率の推移(ハウス内) 黄色粘着板の設置 70 60 50 40 30 20 10 0 誘殺数 保毒虫率 ( ) 4/23 70 60 50 40 30 20 10 0 コナジラミ類の誘殺数( 頭) 607 ( ) コナジラミ類の誘殺数( 頭) H25産終了 140 120 100 80 60 40 20 0 施設に「入れない」 罹病苗 タバココナジラミ 雑草除去 粒剤施用 薬剤散布 防虫ネット 光反射シート 紫外線カットフィルム 野良生えトマト・雑草の除去 野良生えトマト 図3 防除対策 【防除対策】 ・ほ場内外の野良生えトマトや雑草は、媒介虫の発生源となるため、除草を徹底する。 ・ ハ ウ ス 開 口 部 に 0.4mm目 以 下 の 防 虫 ネ ッ ト を 張 り 、 媒 介 虫 の 侵 入 を 防 ぐ 。 ・施設の出入口を二重(前室等)にして、媒介虫の侵入を防ぐ。 ・ハウス周囲に光反射シートを設置し、媒介虫の侵入を抑制する。 ・ハウスに紫外線カットフィルムを利用し、媒介虫の侵入とハウス内での分散を抑制す る。ただし、紫外線カットフィルムはマルハナバチに影響があるので注意する。 ・感染が疑われる苗や、媒介虫のほ場への持ち込みに注意する。感染苗は土中に埋める か、ビニル袋に入れて密閉し、枯死させてから処分する。 ・黄色粘着板を設置し、媒介虫の捕殺と発生状況の把握に努め、発生初期に薬剤を散布 する。 ・育苗期や定植時に粒剤を施用し、媒介虫の寄生と増殖を防ぐ。 表1 トマトのコナジラミ類に登録のある主な薬剤 薬剤名 希釈倍率・使用量 使用回数/使用時期 ベストガード粒剤 1~ 2g /株 (平成25年8月28日現在) 1 回 / 育 苗 期 (株 元 処 理 ) 成分名/成分の使用回数 ニテンピラム/4回以内※ 1 回 / 定 植 時 (植 穴 処 理 土 壌 混 和 ) アニキ乳剤 1,000~ 2,000倍 3回以内/収穫前日まで レピメクチン/3回以内 コルト顆粒水和剤 4,000倍 3回以内/収穫前日まで ピリフルキナゾン/3回以内 サンマイトフロアブル 1,000~ 1,500倍 2回以内/収穫前日まで ピリダベン/2回以内 ※ 育 苗 培 土 混 和 、 育 苗 期 の 株 元 処 理 及 び 定 植 時 の 土 壌 混 和 は 合 計 1回 以 内 、 散 布 は 3回 以 内 詳しくは、農業環境指導センターまでお問い合わせください。 Tel: (028)626-3086 Fax: (028)626-3012 HP: http://www.jppn.ne.jp/tochigi/index.html
© Copyright 2024 Paperzz