「施設に入れない対策」を徹底し、 トマト黄化葉巻病を防ぎましょう!

植物防疫ニュース(速報No.9)
平成27年9月4日
栃木県農業環境指導センター
「施設に入れない対策」を徹底し、
トマト黄化葉巻病を防ぎましょう!
当センターの8月の巡回調査では、夏秋や抑制作型のトマトほ場でトマト黄化葉巻病(図1)の発生
が認められています。本病を防ぐには、病原ウイルスを媒介するタバココナジラミの防除が重要です。
タバココナジラミは、作付末期に施設から飛散した後、雑草や野良生えトマト等で増殖し、定植時に再
び野外から施設へ侵入します(図2)。
定植時の侵入を防ぐことが本病の最も重要な防除対策となるので、施設内外の雑草やトマトを適切に
処分するとともに、媒介虫や感染源となる罹病植物を施設内に入れない対策(図3)を徹底しましょう!
図1 トマト黄化葉巻罹病株
図2 施設内外のコナジラミ類の発生消長
(2週間間隔での黄色粘着板による調査)
図3 施設に入れない対策
◎防除対策
1 施設内外の雑草や野良生えトマトは、媒介虫の増殖源となるため、除草を徹底する。
2 施設開口部(出入口、側窓、天窓)に 0.4mm 目以下の防虫ネットを張り、特に施設の出入口を二重
(前室等)にして、媒介虫の侵入を防ぐ。
3 施設周囲に光反射シートを設置し、媒介虫の侵入を抑制する。
4
施 設 に 紫外線カットフィルムを利用し、媒介虫の侵入とハウス内での分散を抑制する。ただし、
紫外線カットフィルムはマルハナバチの活動に影響があるので注意する。
5 感染が疑われる苗はほ場へ持ち込まない。罹病苗は土中に埋めるか、ビニル袋に入れて密閉し、枯
死させてから処分する。
6 育苗期や定植時に粒剤を施用し、媒介虫の寄生と増殖を防ぐ。
7 黄色粘着板を設置し、媒介虫の捕殺と発生状況の把握に努め、発生初期に表1を参考に薬剤をロー
テーション散布する。
表1 トマトのコナジラミ類に登録のある主な薬剤 薬剤名
ベストガード粒剤
ベリマークSC
アニキ乳剤
コルト顆粒水和剤
エコピタ液剤
ムシラップ
希釈倍数又は
使用量
1~2g/株
400倍
使用時期
育苗期(株元処理)
定植時(植穴処理土壌混和)
育苗期後半~定植当日(灌注)
1,000~2,000倍 収穫前日まで
(平 成 27年 8月 31日 現 在 )
使用回数
薬剤系統名
1回
ネオニコチノイド
1回
ジアミド
3回以内 マクロライド
4,000倍
収穫前日まで
3回以内 その他
100~200倍
収穫前日まで
-
物理的防除剤
500倍
収穫前日まで
-
物理的防除剤
詳細は、農業環境指導センター(℡ 028-626-3086)までお問合せ下さい。
病害虫情報発表のお知らせはツイッター「栃木県農政部 (@tochigi_nousei)」、農業環境指導センター
ホームページ(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/index.html )でもご覧になれます。