みんな気になる 痔の話

42号 2013年
痔ろう(あな痔)
みんな気になる
痔の話
症 状
痔ろうの
なりたち
出血 脱出
正常な肛門腺。
痔 核
クッション
内痔核
垂れ下がったクッション
内痔核は以前、大腸の一部の末端である毛細血管が力みなどによっ
てコブ状になったものと言われていましたが、最近はその内痔核の上に
筋肉、血管、神経などで出来た粘膜組織(クッション)があり、それが垂
れ下がってくるのも含めて内痔核と言います。
ですから全ての人が内痔核(痔核)を持っています。今まで言われて
いた内痔核であれば、切除すれば再発しませんでした。
クッションが垂れ下がって肛門の外に脱出したものも含むことから内
痔核というより痔核と言われています。
肛門腺に細菌が侵入し、
炎症を起こす。
炎症が肛門周囲に広がり、
化膿する。
膿を出したあと、管が
できる。
痔ろうは放置しておいては治りません。一応傷が治っても、また膿む場合が殆どです。何回も膿むと膿んだ場所が広範
囲になり、肛門を締める括約筋が損傷されてしまいます。また、痔ろうから痔ろう癌になることもあるため、痔ろうと診断さ
れたならば早期に根本的な手術が必要です。手術して、治ってもまた別の肛門腺から痔ろうになることがあります。
当院では括約筋を切らないように心掛け、便が漏れないように工夫して手術をしています。原因は分かりません。
裂肛(切れ痔)
症 状
出血 痛み
直腸につながる、肛門上皮に傷ができたものです。便が固い場合、
下痢した場合、いきんだ場合に傷ができます。裂肛は
必ず痛みと出血を伴います。何度も出血を繰り返すと、付属物(見張りイボ、肥大乳頭)が生じ、治療を遅らせます。
内痔核の
なりたち
急性の裂肛
痛みがなく、出血する
ことが多い。
排便の時に脱出するが
自然に戻る。
立っているだけで脱出し
指で戻す。
脱出したまま元に戻らない。
痔核は直腸に出来るので、痛みは伴わず、薬では治りません。そして生命に別状ありません。
症状は痔核が脱出したり、出血で、そうなると来院されます。特に脱出した痔核を肛門内に手で押し込むようになると、
時に脱出すると、肛門内に押し込めず、肛門括約筋で締めつけられ腫れて、強烈な痛みを生じます。ですから脱出するよ
うな痔核は何らかの処置が必要です。
原因は体質が多いと思います。特に便秘などによっていきむと痔核が垂れ下がってきます。疲れ、飲酒等も直腸の血量
を豊富にし、ひどくなります。便を軟らかくして無理のない仕事、暴飲、暴食を避けることが、痔の悪化を防ぎます。
治療は時に出血だけのものはそのまま放置するか、坐薬などを投与して治します。常時脱出するもの、出血が止まらな
いものは手術をおこない、症例によっては注射で固める方法もあります。
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膿 痛み
直腸の末端と肛門上皮(肛門)の上限の袋状になったところがあり、そこから肛門腺が10∼12個あります。この肛門腺
が破れると便などが入り、膿むため、放置しておくと我慢できない痛みとなります。
切開して膿を出すか、自然に破れて膿がでると痛みが取れ楽になります。炎症が落ち着くと肛門腺と皮膚に道ができ、
これを痔ろうと言います。
院長 家田浩男
内痔核(いぼ痔)
症 状
裂肛の
なりたち
慢性の裂肛
肛門ポリープ
予防は生活習慣に気をつけ
て便秘や下痢をしないように心
掛け、いきんで便をしないこと
です。また、普通便の人でも旅行
したりすると、精神的に便秘に
なることがあります。旅行しなく
便秘のため硬くなった便で、肛門
慢性化するとキズが深くなり、潰瘍化し
ても何らかの精神不安で便秘
上皮が切れてキズができる。
皮膚に突起物や肛門ポリープができる。
になることがあります。
狭くなった肛門は手術をしないと治りません。手術は括約筋を切って肛門を緩めるか、肛門の裂肛部分をとり、そこに
皮膚でカバーすることです。
裂肛は女性に多いと思われますが、男性も女性もほぼ変わりません。男性の裂肛は時に肛門腺が関与した場合が多
く、狭窄になり易いです。
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