日本再生、景気対策に「安全・安心・日本列島改造計画」の青写真を描け ----キーワードは団結・感動・希望の「日本力」---- 日本経済は大試練の時、 被災地復興計画を「日本モデル」に 東日本大震災により、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災者の皆様に心よりお見 舞い申し上げます。また、一日も早い被災地の復旧を心からお祈り申し上げます。 日本は今、未曾有な大惨事、東日本大震災、津波、福島原発事故そして、東京電力の計画停電と国難の連 鎖が続いている。日本経済は大ピンチ、大試練の時期を迎えた。 第二次世界大戦の戦後から今や65年。経済大国、先進国へと復興、成長した日本。今回の悲惨な大惨事は 東北、関東という広域であるだけに第三次世界大戦とも言えるほどの戦場となった。いや、原発事故が解消し ない限り戦場は拡大するであろう。さらに、福島原発事故により東京に進出していた海外の企業は職場を関西 方面に移転したり、社員は避難のため帰国するケースが多発しているという。海外からの観光客も激減だ。北 海道から輸出している農産物や魚貝類にさえ放射性物質汚染があるという風評で輸出への影響が懸念され ている。海外で評価の高い「北海道ブランド」は「日本ブランド」という大海に飲み込まれている。このような 様々な日本の状態を「日本沈没」と大きく報じた海外メディアもある。 しかし「日本沈没か」と問われれば「ノー」と言いたい。このような状態から立ち上がり、復興し、新たな日本を 構築していくのが日本力であり、日本人の団結力、勤勉性、底力である。そして、このピンチを脱した際には、 被災地復興計画を「日本モデル」として世界に誇示して欲しいものである。 企業の国内再配置が不可欠、 見直せ!北海道の存在、北海道力 今回の未曾有の大惨事から学ぶことは多い。まず、企業は防災や事業の持続性の観点からのリスクを回避 することだ。生産性を重視した一地域での集中立地は均衡がとれた分散を図らなければならない。 企業の国内再配置である。「ものづくり日本」の技術者、設備、ノウハウを護り、企業を永続させなければなら ない。 そこで、最も注目され、期待されなければならない地域は北海道だろう。なぜかはここで新たに論ずるまでも ない。気候、(広大な)土地、労働力(コスト)と企業立地の条件を満たしている。今までは主に、国内の流通コ スト、技術力の観点から進出を見送られてきた。しかし、これからの北海道は第六次産業(1次の農林漁業、2 次の食品加工・製造業、3次のサービス・流通業まで展開する経営の多角化)として有望であり日本の宝島と 成り得るだろう。 国民経済に影響の過度な「自粛」ムード、 長期になれば復興にマイナスも 日本の今の現状を見て日本の国内総生産(GDP*2010年の名目は約479兆円)は今後1、2四半期は横ばい ないしマイナスとなるかもしれないが、今年最終四半期には復興事業で上向く、とアナリストらはみている。し かし、この見解はあくまで電力供給環境が改善されるという前提だ。 国内の活動被災者の立場を考え、今や「自粛」ムード一色だ。歓楽街ススキノは夜になっても人影は例年に 比べて少ない。ネオン看板を消したり、照明を暗くする店が多いからだ。派手な消費やイベントなどの「自粛」 が進んだことで、日本経済を沈ませてしまうとの懸念の声も強くなっている。被災地の復興にもマイナスになる との指摘もある。 また、米紙ニューヨーク・タイムズは「津波後の日本は自粛という新たな強迫観念に襲われた」との見出しの 記事を掲載し、日本国民の多くが地震や津波の犠牲者への弔意から日常の活動を縮小するようになり、国民 経済への悪影響が懸念されると伝えた。「自粛」は日本人の道徳とも言える民族的な精神構造上にあり、共 有、支えの「善の精神」であるが、一方で早い時期での積極的な経済活動の始動が重要とも言えよう。経済は グローバルに動いており、国際的な企業戦争を展開中でもあるからだ。 防災、エネルギー、水、環境対策の総合的な 「安全・安心日本列島改造計画」を立ち上げよ 日本は過去20年間に及ぶ景気停滞とデフレで身動きの取れない状態が続く。 政府は復興事業を推進する に当たり、日本の再生、景気回復の政策として長期の「安全・安心日本列島改造計画」青写真を描き、新生日 本の像を内外に提示してはどうだろうか。しかも、緊急にである。 「日本列島改造計画」は1972年に田中角栄内閣が実行した政策。しかしこの政策は開発の候補地とされた 地域で土地の買い占めが行われ、地価が急激に上昇。この影響で物価が上昇してインフレーションが発生 し、1973年春頃には物価高が社会問題化した。 この反省から、「安全・安心日本列島改造計画」の立ち上げには復興のコンセプト、哲学が重要だ。従来の姿 を単に復元するという次元を越えて、日本列島を防災対策を第一義にエネルギー対策、水対策、環境対策の 総合的な「安全・安心」をコンセプトにした国づくり、町づくりが求められよう。 国民が政府に望むのは「復興を支援」するのではなく、「復興をけん引」して国民に希望を与える計画、展望 である。 東日本大震災被災者への様々な形での支援活動と被災者の感動行動は教科書では到底学ぶことができな いものである。それは、思いやり、信頼、尊敬、希望、団結という日本人魂というか「ありがとう」精神であろう。 中国の国営メディアの報道には、日本の地震対応を自国民に学ばせたい意向もあるという。
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