考察:なぜ清涼飲料水にソルビン酸が 0.01g/kg 入っていると食品衛生法違反になるのか? まず清涼飲料水が、なぜソルビン酸添加が許可されている品目に入っていないのかを考え る必要があります。 札幌市保健所のご担当者の説明によると、「清涼飲料水は殺菌を前提とするのでソルビン酸 の添加の必要性が小さく、業界からの要請もなかったので許可品目から除外されている」 とのことです。 つまり、清涼飲料水の性格上(たくさん摂取するなど)の理由から、ソルビン酸を添加禁 止にして健康リスクを小さくする、ということではなく、特に必要がないので許可品目に 入っていないということになります。 すると清涼飲料水へのソルビン酸添加規制が行われる拠り所は、 ① 清涼飲料水は許可品目として記載されていない(「〇、〇、、以外のもの」) ② だからソルビン酸の許容基準がない=基準がない以上、使用が認められていない ③ だから一切検出されてはいけない という文面の解釈論だけで規制があるわけで、 ④ だから 0.01g/kg 含有は食品衛生法違反ということになります。 0.01g/kg 含有はチーズやみそなどの許容量に比較すると 1/300、1/100 程度のきわめて低い 濃度(健康リスクは極めて低い)ですが、これがクロになってしまうのは、単純に法律文 面の記載不足を三段論法で解釈していったら、犯罪になっていたというようなものです。 現実論として、規制値がない場合にはその含有量が安全か否は、一般的な経験・慣例にも とづいて判断するというのが当たり前のバランス感覚だと思いますがいかがでしょうか? 法律ですのでクロになればさまざまの社会的制裁をうけることになります。ですから法律 は遵守するのが私どもの基本的な立場ですが、健康リスク管理の目的に乖離したまるでト リックのような法律解釈で制裁を加えるのが是か非か、行政のあり方についてひろくご検 討をたまわりたいものです。
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