南さつま海道「とるぱ226」整備構想

南 さつま海 道 「とるぱ226」整 備 構 想
■ 1.整備構想の目的 ■
本市には、美しい自然や豊富な農林水産物などの資源をはじめとして、貴重な歴史・文化的遺産
や設備の整った県立吹上浜海浜公園・スポーツ施設など、これからの本市の観光・交流施策を推進
するうえで、活用できる素材が数多くあります。
特に、変化に富んだリアス式海岸が続く南西部の海岸線は、坊野間県立自然公園として指定され
るとともに、坊津地域の双剣石周辺をはじめとする海岸線は、国の名勝としても指定されています。
南さつま海道「とるぱ226」整備構想は、本市の南西部を循環する国道 226 号(以下、「R226」とい
う。)沿線の雄大な景観を眺望する施設や関連する周辺施設の整備を行うことにより、本市の特色あ
る観光資源を有機的に結びつけるとともに、各施設間の回遊性を高め、本地域の活性化を図ること
を目的として策定するものです。
■ 2.整備構想の基本方針 ■
1. 整備対象区間においては、地域が持つ特性や観光資源を有効に活用し、市民
や観光客が何度も訪れたくなるような景観整備を行います。
2. 景観眺望施設の位置及び整備にあたっては、国道等の改修に係る道路残地等
の活用を図るとともに、可能な限り、既存施設を活用した施設整備を行います。
3. 景観眺望施設に関連する周辺施設(R226 及びアクセス道など)の整備にあ
たっては、周辺の景観に配慮するとともに、点在する観光資源へのアクセスの
向上や回遊性を高める施設や動線として整備を行います。
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■ 3.整備構想の戦略展開 ■
(1) ブランド・イメージの発信と確立
他に類を見ない観光資源を豊富に抱えるR226 周辺の魅力を最大限にアピールするため、
「海道八景」の選定を行うとともに、「海道八景を眺望する施設(以下、「とるぱ226」という。)」を
選定し、本市のこれからの観光戦略を展開するための自然景観ブランドとして位置づけます。ま
た、「海道八景」のブランド・イメージをガイドマップやHPなどの媒体で強力にアピールすること
により、「海道八景」及び「とるぱ226」の知名度を上げ、本地域のブランド・イメージを戦略的に
発信し、確立していきます。
○ 「海道八景」の選定
○ 「海道八景」を撮る、描く、詠むスポット&パーキング「とるぱ226」の選定
○ 「海道八景」を詩に詠んだ歌碑の建立
○ 「海道八景」及び「とるぱ226」に関する情報発信(HP掲載、ガイドマップなど)
○ 「とるぱ226」周辺のグルメ、宿泊、観光及びイベントなどの情報発信
○ 地域資源の保持、復元、修復、再生及び保存 (例:谷山の段々畑、大当の石垣群など)
○ 「とるぱ226」認定に向けた取り組み
「*とるぱ」とは、
・
「とるぱ」とは、写真を撮るパーキングの意味で、観光スポットの紹介や交通事故の防止に役立っ
ています。
・
本構想においては「とるぱ226」を、(1)写真・ビデオを撮る、(2)絵画を描く、(3)詩(俳句など)
を詠むスポット&パーキングとして整備することとします。
(2) 「とるぱ226」の整備
「海道八景」と他の観光資源や観光施設の立地状況、またはこれらの資源や施設への動線を
考慮し、本地域の魅力を高める施設として、R226 沿線に本地域の景観形成の核となる「とるぱ2
26」を整備します。
○ 「海道八景」を撮る、描く、詠むスポット&パーキング「とるぱ226」の整備
・ 素敵な景色を撮る、描く、詠むことが出来る場所(眺望スポット)の整備(陸上・海上)
・ 安全にかつ円滑に駐車が行える駐車場の整備
・ 案内、情報板の設置
・ 眺望に配慮した樹高の低い草木の植栽
・ その他附帯施設の整備
例:トイレ、ポケットパーク、プロムナード、休憩所、展望施設、転落防止柵等
・ 集客力を高める道の駅等の商業施設の整備
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◆「とるぱ226」内に整備する施設配置のイメージ図
透過性の高い転落防止柵を整備します。
周辺の状況を考慮
展望施設を整備します。
し、眺望スポットを
整備します。
東屋などの休憩所
を整備します。
時間・距離を考慮
し、トイレを整備しま
集客力を高める
す。
道の駅等の商業
施設を整備します。
・植栽による緑のイメージや
透過性の高い車両
季節感の演出をします。
用防護柵を整備しま
・眺望に配慮した樹高の低い
R226 (国道 226 号)
す。
草木の植栽をします。
※植栽
眺望スポット周辺の情報などの
案内板を設置します。
安全にかつ円滑に駐車が行えるように駐車場を整備します。
(3) 回遊性の向上
R226 及び周辺道路からの観光資源や観光施設等へのアクセスを容易にして回遊性を確保す
ることで、観光しやすい仕組みを整えていきます。また、観光ルートづくりとあわせて、これまで点
在していた観光資源を面的に結び付け、観光客の回遊性を確保します。
・
R226 及びアクセス道における整備が必要な箇所の選定
・
幅員が隘路である区間の解消など、R226 及びアクセス道の整備
・
観光客の利便性と回遊性を高めるための観光案内板や道路標識等の設置
・
高齢者や障害者の回遊性・利便性を高める取り組みとして、点字ブロック整備や歩道等の
バリアフリー化
◆丸木崎展望所 案内板
◆ホキノ山公園 案内板
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(4) 景観の創出・保全
R226 に点在する個性ある美しい景観の魅力を一段と高めるため、また市民が誇りに思える美
しい景観を保全し、次世代に継承するため、本整備構想内の景観の創出・保全を図ります。
・
景観にあった案内板など、統一的なサイン・標識の整備及び設置
・
透過性の高い車両用防護柵(ガードレール)の設置
・
維持管理を考慮した植栽による緑のイメージや季節感の演出
・
屋外広告物の掲示、建築物の高さ・意匠など広告物等の規制を含めた、景観保全を対象と
する屋外広告物条例などの制定の検討
・
観光客が気持ちよく「とるぱ226」を利用できる環境美化事業の実施
◆植栽帯の整備
◆車両用防護柵の設置
◆コスモスの植栽
■ 4.「とるぱ226」を活用した取り組み(ソフト事業)の展開 ■
前記「ブランド・イメージの発信と確立」、「とるぱ226の整備」、「回遊性の向上」及び「景観の創
出・保全」の戦略展開に併せて、「海道八景」及び「とるぱ226」を活用した以下のソフト事業を展開し
ます。
① 観光資源へのアクセス及び回遊性の向上
・
観光資源と商業施設との相互割引制度や共通入場券等の導入の検討
・
「海道八景」をテーマとした俳句及びフォトコンテストの実施
・
観光資源をつなぐ周遊観光バスのルート等の検討
・
観光ルート案内人の育成
② 地域資源の活用
・
商業施設やものづくり産業を含む観光ルートの開発
・
ものづくり産業の見学、体験(そのための支援)プログラムの検討・実施
・
休館日の分散化や開館時間の延長
・
「とるぱ226」、観光資源及びイベントの連携やイベントの連続開催
・
参加型体験企画の充実
・
文化施設のライトアップ
・
住民参画による地域環境美化活動
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■ 5.整備構想の目標年次と見直し ■
本整備構想の目標年次は平成28年度とし、整備にあたっては、他計画との整合性や緊急度を勘
案しながら実施していくこととします。
■ 6.整備構想の重点整備地域 ■
本整備構想においては、R226とR270の連結点である加世田本町を起点とし、坊津町栗野付近を
終点とする総延長60㎞の区間を整備対象区間とします。また、整備対象区間内の越路浜から笠沙
恵比寿までの越路恵比寿ルート、リアス式海岸展望所から耳取峠までの枇榔島耳取峠ルートの2ル
ートを重点整備区間として位置づけます。なお、観光資源の集積状況から、A・B・Cの3つのエリア
(ゾーン)に区分し、エリア内の優先順位を基に「とるぱ226」、周辺の道路及び景観などの必要な整
備を行うこととします。
■ 7.海道八景の選定候補地 ■
Ⅰ.桟敷島と松島
Ⅱ.立羽島と崎ノ山半島
Ⅲ.野間半島−1
Ⅳ.野間半島−2
Ⅴ.沖秋目島
Ⅴ.秋目浦
Ⅵ.久志浦−1
Ⅵ.久志浦−2
Ⅶ.泊浦
Ⅷ.坊浦「名勝『双剣石』
」
Ⅸ.浦尻
Ⅹ.開聞岳
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■ 8.「とるぱ226」の選定候補地 ■
①.越路浜(大浦地域越路)
②.ホキノ山公園(笠沙地域赤生木)
③.大当海岸公園(笠沙地域大当) ④.高崎山付近(笠沙地域高崎山)
⑤.大崩付近(笠沙地域谷山)
⑥.リアス式海岸展望所(笠沙地域馬取山)
⑦.笠沙美術館(笠沙地域黒瀬)
⑧.後藤鼻付近(笠沙地域黒瀬)
⑨.鑑真記念館(坊津地域秋目)
⑩.今藤峠(坊津地域今藤峠)
⑪.平尾付近(坊津地域久志)
⑫.丸木崎展望所(坊津地域泊)
⑬.九玉神社付近(坊津地域小泊) ⑭.輝津館(坊津地域坊)
⑮.浦尻付近(坊津地域坊)
⑯.耳取峠(坊津地域耳取峠)
⑰.東シナ海
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■ 9.整備構想の全体イメージ ■
越路恵比寿ルート
④
⑤
Ⅱ
③
A
Ⅲ
Ⅰ
②
①
⑥
⑦
B
⑧
Ⅳ
⑨
Ⅴ
⑰
枇榔島耳取峠ルート
・
重点整備区間
・
エリア(ゾーン)
・
「海道八景」選定候補地
⑩
Ⅵ
⑪
・○ 「とるぱ226」選定候補地
C
⑫
Ⅶ
⑬
⑭
Ⅷ
Ⅸ
出典
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⑯
Ⅹ
道路の走りやすさマップ(国土交通省九州地方整備局)
南さつま海道「とるぱ226」整備構想
発行/平成 19 年 1 月 南さつま市企画政策部企画課
〒897-8501 鹿児島県南さつま市加世田川畑 2648 番地 TEL : 0993-53-2111 FAX : 0993-52-0113
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