Video 2 : Current Memory Technology Update

Video 2 : Current Memory Technology Update ほとんどの人がメモリについて考えるとき、デスクトッ
プ・コンピュータやサーバで一般的に使用されている
DDR を思い浮かべます。DDR は、主流の商用メモリ・テ
クノロジーで、市場の大部分を占めています。 DDR3 は現時点で、メインストリームのコンピュータ・
テクノロジーで、当初は実行速度が最高 1600 Mb/s と定
義されていましたが、現在の仕様では最高 2133 Mb/s と
なっています。さらに、最高 2.3 Gb/s になる可能性もあ
ります。また、オーバクロックを使用する、特殊な組み
込みアプリケーションも見えてきました。DDR3 で今最
も求められていることは、パワー・レベルをより低くす
ることです。DDR3 には 3 種類の定義された電圧クラス
があり、1.5、1.35、1.25 V バージョンから選ぶことがで
きます。DDR3 は、3D 積層と呼ばれるメモリ・テクノロ
ジーの中で一般的に使用されるようになってきました。
これは、今日、私がお話しするメモリ・テクノロジーの
変革の推進源の中心です。DDR4 は、現在規格を策定中
の次世代メモリです。現時点では 2.4 Gb/s で定義されて
いますが、目標は 3.2 Gb/s です。この速度に到達するか、
いくつかの物理的限界のために到達できないかは、今の
ところ未定です。高速化を実現するために、コントロー
ラと DRAM 間でドライブ長やタイミングなどの最適なパ
ラメトリック設定を決めることができる、プロトコルがあります。このようにして、メモリ・テクノロジーは
次のレベルへとステップアップし、そのための変更や手法のようなものが必要となります。 GDDR は、デスクトップ・コンピュータに搭載されるグ
ラフィック・ボード用に普及していますが、組み込み
システムでの使用も検討されています。JEDEC が策定し
た最新世代のものは GDDR5 です。現時点では、6 Gb/s
で動作する GDDR5 メモリが入手できます。来年には、
7 Gb/s で動作する可能性があります。8 Gb/s まで向上す
るという話もあります。このレベルの速度を実現する
には、コントローラと DRAM 間のパラメトリック・イ
ンタフェースとなる接続を最適化するために、大量の
トレーニング・シーケンスと消費電力が必要です。
GDDR5 は、基本的にシグナル・インテグリティにも有
用なポイントツーポイント接続でのみ使用されます。
また、エラーがチップごとに識別され、コントローラが適切に対処できるように CRC チェック機能が組み込ま
れた最初のメモリです。トランザクション・リトライにも対応できます。コントローラは書き込み不良などの
問題を検出すると、データのリライトが必要かどうかを決定します。 特にバッテリ駆動デバイスの消費電力を最適化する
場合は、LPDDR を使用してください。LPDDR は揮発
性メモリですが、消費電力を低減するようにアーキ
テクチャやインタフェースが最適化されています。
この場合の焦点は、システム内の負荷によってクロ
ック・レートを低い値または高い値に調整するため
に、超低電力モードに入って即座にこのモードを終
了できるようにする点にあります。また、すべてが
わずかに異なるようにパッケージ化されます。 モバイルの分野では、LPDDR2 がメインストリーム
のメモリ・テクノロジーです。現在、800 Mb/s で
動作していますが、規格では最高 1067 Mb/s の動作
を定義しています。現在、1600 Mb/s を目標にした
LPDDR3 の仕様が開発中です。実用化の時期は、現
時点でははっきりしていませんが、私は来年末くら
いになると思っています。JEDEC によって現時点で
規定されているものではありませんが、新タイプの
メモリ・インタフェースとして、ロー・レイテン
シ・インタフェース、略して LLI があります。LLI は、
多くのバッテリ駆動デバイスや移動機デバイス・イ
ンタフェースの規格に貢献している MIPI と呼ばれ
る組織が推進しています。LLI は、ある ASIC から別
の ASIC にメモリ・トラフィックを通信できる、最
初の高速シリアル・インタフェースとなります。 また別のメモリのカテゴリとして、スタティック・
メモリがあります。現在、スタティック・メモリの
ほとんどは、ポートを 2 つ備えています。スタティ
ック・メモリによく使用される業界用語に、4 倍速
データ・レートを意味する QDR があります。QDR
は、読み込みと書き込みが同時に行える 2 ポート・
メモリのことです。つまり、クロック・レートごと
に、データは 4 回入力/出力できます。不揮発性メ
モリとして、フラッシュ・メモリがあります。フラ
ッシュ・メモリには さまざまな種類があります。 NAND 型および NOR 型のフラッシュ・メモリについて
聞いたことがあると思います。不揮発性メモリでは、
コモディティ・フラッシュ・メモリ環境でのいくつか
の制限に対処するために、非常にさまざまな改良がな
されています。代表的なものに、個々のバイトに上書
きするのではなく、メモリのブロック全体に一度に書
き込もうとする取り組みがあります。メモリ容量が増
大するにつれ、デバイスの耐久性は低下します。NOR
型フラッシュ・メモリは、摩耗するまでに 100,000 回
以上、書き込むことができますが、大容量の NAND 型
フラッシュ・メモリは 1,000 回しか書き込みができま
せん。このように、容量の増大に伴い、耐久性は低下
します。 このため、6 番目のタイプのメモリが登場しました。
基本的にフラッシュ・メモリやマス・ストレージ・デ
バイスで、どちらも組み込むことができます。カメラ
や電話などのシステムでは、はんだ付けされたパッケ
ージに内蔵されていることもあります。また、フラッ
シュ・メモリをカード上に取り付けたリムーバブル・
メモリに採用され、USB デバイス、コンパクト・フラ
ッシュ・カード/セキュア・デジタル・カード/マル
チメディア・カードなどの小型プラスチック・パッケ
ージ・デバイスになっています。これらの次世代メモ
リは、現時点では JEDEC と SDA(Secure Digital Association)によって規格が策定されています。JEDEC
のものは UFS、SDA のものは UHS‐2 と呼ばれています。
どちらもまだ販売されていませんが、現在取り組みが行われている次世代メモリです。メモリ・テクノロジー
には 6 種類の基本タイプがあり、根本的な変更、それぞれのテクノロジーが直面している根本的な限界があり、
デザインやテストでの変革が推進されています。