「JASPAR提案仕様のAUTOSAR採用結果」 Japan Automotive Software Platform and Architecture 一般社団法人JASPAR 1. はじめに 車載組込ソフト国際標準仕様(AUTOSAR) に、 JASPARから提案したRTEプロファイル仕様が採用 された JASPARは、既存の小規模ECUでも、AUTOSAR化出来る 様、性能維持・リソース(ROM、RAMサイズ)低減を 実現する「RTEプロファイル仕様」をAUTOSARに提案した AUTOSAR R4.1.1仕様に、消費リソースを抑制出来る 「RTEプロファイル」が正式採用された Japan Automotive Software Platform and Architecture 2/13 1.1 AUTOSARとJASPARの協力関係 JASPARは、車載組込ソフト国際標準規格AUTOSARを車両適用に向け、 実装・検証で貢献 JASPAR-AUTOSARは定期的にミーティングを持ち、相互の活動状況を共有 AUTOSAR(Automotive Open System Architecture): 自動車用ソフトウェアの部品 化/共通化を行うため、BMW ・BOSCHなどが中心となって 設立した欧州の標準化団体 提案 JASPAR(Japan Automotive Software Platform and Architecture): トヨタ・ホンダ・日産等の日本 国内のメーカを中心に自動車用 ソフトウェア・通信・ハード ウェアの標準化を推進している 業界団体 ・仕様策定 ・国際標準化 AUTOSAR仕様 ・実装、検証 ・課題抽出/方策の検討と実証 Japan Automotive Software Platform and Architecture 3/13 2. JASPAR活動で判明したAUTOSAR仕様の利点と問題点/課題 JASPARの活動の中でAUTOSARを分析 利点 : 制御ソフトウェアの共通化、部品化が可能 課題 : 消費リソースの増加とパフォーマンスの低下 他製品へのソフト流用が容易に 利点 AUTOSAR Software Architecture 各社固有機能 II 競争領域 ソフトウェアの部品化が可能。 容易に他のECUの再構築が可能 汎用機能 II 非競争領域 Basic Softwareによる ソフトウェアの共通化、 ハードウエアの抽象化 各種ECU機能に対応出来る様にする為、誤ったプロファイルを 適用してしまうと リソース増加・パフォーマンス低下 に繋がる 車載で多く使われている 小規模ECUに対しては 課題 顧客ニーズに いち早く対応 可能 課題 汎用性、冗長性向上により リソースの増加とパフォーマンスの低下 Japan Automotive Software Platform and Architecture 4/13 3. JASPARのAUTOSARへの提案の背景 AUTOSARの利点を小規模ECUでも活用するには、効率性と 再利用性のベストバランスを追及する必要があると判断 JASPARによるBSW仕様策定活動(2007年度~2009年度) 従来手法とAUTOSAR手法のバランス点を追及 高 従来 Best balance 効率性 AUTOSAR 低 低 再利用性 高 JASPARコンセプト Japan Automotive Software Platform and Architecture 5/13 3.1 JASPARのAUTOSARへの提案目的 AUTOSARの利点である再利用性を維持しつつ、 既存の小規模ECUにもAUTOSAR適用可な方策を JASPARで仕様化しAUTOSARへ提案した 具体的な方策を仕様化(JASPAR RTEプロファイル仕様) 機能の絞込み(プロファイル) 対象ドメイン(システム)に依存するAUTOSAR BSWのAPI数を削減する Japan Automotive Software Platform and Architecture 6/13 3.2 JASPARのAUTOSARへの提案内容(プロファイル) 機能の絞込み(プロファイル)とは 使用するドメイン毎にAUTOSAR機能を選択・制限 ドメインの規模に応じAUTOSARの機能を分類 Large set Medium set Small set Functionality level(ECU Size) JASPARプロファイル 代表パターンでプロファイル Class-LB Class-LS FULL Class-MC Class-MS S1 Class-SP Class-SC Class-SS S0 Powertrain Chassis Control Safety Systems Class-LP Class-LC ②パワトレ制御系 プロファイル ③シャシ制御系 プロファイル Class-MP Class-SB Body and Comfort Class-MB ④安全制御系 プロファイル ①ボデー制御系 プロファイル Application Domain Japan Automotive Software Platform and Architecture 7/13 3.3 JASPARのAUTOSARへの提案内容(プロファイル) 実製品に適したプロファイル仕様を策定 小規模ECUへの適用も可能としたJASPARプロファイル仕様適用例 ①ボデー制御系プロ ファイル (Body and Comfort) ②パワトレ制御系 プロファイル (Powertrain) ③シャシー系 プロファイル (Chassis Control) ④安全制御系 プロファイル (Safety Systems) 想定ECU例 A/C、灯火 ドアコン エンジン トランスミッション ABS ESP X-by-Wire系ECU 想定マイコン 16ビット 32ビットローエンド 32ビットミドルクラス 32ビットミドルクラス 32ビットハイエンド 通信バス MS-CAN HS-CAN, FlexRay HS-CAN, FlexRay FlexRay スケジュールパック - FlexRay-RTB FlexRay-RTB FlexRay-FTB JASPAR RTEプロファイル S0 S1 S1 S1 FULL JASPAR 通信プロファイル S0 S1 S1 S1 FULL JASPAR OSプロファイル S0A(OS無)/ S0(OS有) S1 S1 S1 FULL (AUTOSA R SC2) JASPARプロファイル HS:High Speed、MS:Middle Speed、RTB:Real Time Bus、FTB:Fault Tolerant Bus、S#:Subset# Japan Automotive Software Platform and Architecture 凡例:「,」 選択or両方 8/13 4.1 JASPARの提案活動 JASPAR BSW仕様のAUTOSAR提案活動 2010年5月マネジメントレベルでJASPAR プロファイル仕様の概要を説明 AUTOSAR R4.1仕様へJASPAR BSW仕様を織り込む事で基本合意 2010年9月エンジニアレベル会議で概要紹介及びQAセッションを実施 AUTOSARエンジニア、プロジェクトマネージャレベルで賛同を得る AUTOSAR R4.1.1仕様へ織り込む為、JASPARが詳細仕様提供を行う事を合意 2011年2月エンジニアレベル会議でJASPAR BSW仕様の詳細説明 エンジニアレベルへ提案し、 RTEプロファイルを受入れが決定 AUTOSAR R4.1.1仕様に RTEプロファイルが正式採用 2013年3月AUTOSAR R4.1.1仕様が発行 Japan Automotive Software Platform and Architecture 9/13 4.2 AUTOSAR採用内容 AUTOSAR R4.1.1仕様に RTEプロファイルが正式採用 R4.0.3からR4.1.1への変更点 RTE/VFB 11章”VFB Features and Profiles”が新たに追加 プロファイルを定義することにより機能選択が出来る様になった プロファイルで選択される機能は機能一覧として掲載 AUTOSARプロファイル (AUTOSAR VFB仕様R4.1.1からの抜粋) AUTOSAR VFB仕様 R4.1.1: http://www.autosar.org/ Specifications →Release 4.1 →Main →Auxiliary Material 6 → AUTOSAR_EXP_VFB (pdf, 1180 kb) Japan Automotive Software Platform and Architecture 10/13 5. 結論 JASPAR提案により、AUTOSARがより多くの車へ 採用出来る可能性が広まった Japan Automotive Software Platform and Architecture 11/13 6. 今後について JASPARは水平分業の実現、グローバル対応に向け「標準 規格の利用」を推進 AUTOSAR関連技術の活用 仕様記述等の技術の活用 開発支援環境の整備と管理技術の活用 JASPARとAUTOSARの今後の関わり 次世代ソフト仕様に関わる課題抽出~提案を通じ、継続的に AUTOSAR活動に貢献 Japan Automotive Software Platform and Architecture 12/13 End Japan Automotive Software Platform and Architecture 13/13
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