表4 平成 23年 4 月 7 日( 木) 2011 平塚改革元年機関誌「やります!」vol.6 被災地から帰りました。 震災対策を練り直します。 「東日本大震災」において、被害に遭われた皆さまに心よりのお見舞いを申し上げます。 また被災地における被災者救助、災害対策に全力を尽くしていらっしゃる皆様 に深く敬 意を表します。 柏木 とおる 私は先週、平塚とは防災提携を結んでいる石巻 市に行き、 ささやかながらボランティアのお手伝いを してまいりました。 惨状は想像を絶するもので、 言いようもない無力感 に打ちのめされながらも、ひとつだけ心に決めた ことがあります。 市民の命と生活以上に大切なものはなく、 これを 守ることが私の仕事です。 平塚の震災対策を徹底的 に練り直さねばならない。これができなかったら、 生き残った人間としての責任を果たしていないこと になると思ったのです。 旧北上川の河口に位置する石巻市南浜町は、 鉄筋 コンクリート造の建物を残してがれきの山と化して いました。大震災後3 週間が経過し、自衛隊の懸命 な活動で車1台が通れる道路は確保されましたが、 木造住宅も商店も郵便局も銀行も、すべてが津波 によって跡形もなく破壊されてしまった。 砂ぼこりが舞上がるがれきの中で、 一冊のアルバム おそらく3才 を見つけました。 写真の日付は昨年の11月。 であろう着物姿の少女が両親と幼い妹と、家族4人 笑顔で七五三のお宮参りをしている姿が写真に収めら れていました。 この家族のご無事を祈り、 涙ながらに アルバムを元の場所に戻すことしかできませんでした。 被害想定地区に住む5 万人の命を守るために 大型コンテナをもなぎ倒して押し寄せる津波の 濁流の前では人間は無力です。 命はしかるべき対策 と準備によってしか守れない。 高台のない港・花水・なでしこ地区に住む5 万人が、 鉄骨造・鉄筋コンクリート造の堅牢な建物 ̶̶ 8 校 の学校、競輪場、商業施設および民間マンション 等の 3 階以上に、地震発生後10 分以内に避難が 完了できる防災計画を、地域自治会等と協力して 一刻も早く策定する必要があります。対象世帯 1万 「あなたの家族はここに避難してくだ 5 千世帯に、 さい。」と、避 難 場所を明確化した具体的な避難 計画を策定することが重要となります。 残念ながら既存の建物だけでは、 5 万人の収容は 困難です。良好な住環境を守るための高さ制限 (現在 を、 防災上の観点から条件付きで は概ね10m以下) 緩和することも検討に値すると思われます。 相模川無堤部分の解消 この大震災で発生した津波は北上川では15km 上流まで遡上しました。 今回の大震災と同じ規模の 津波が発生したら、 堤防が無い箇所が存在する相模 川流域で甚大な被害が発生することは間違いありま せん。国県の事業ではありますが、 「相模川無堤部分 の解消」の早期実現を目指し相模川隣接地域の 安全を確保します。 平成 22 年度の平塚市の防災予算はわずか1.8 億 平塚市 円です。4月1日神奈川新聞の記事によると、 は相 模湾 沿 岸 の13 の 市 町で、唯一津波ハザード マップすら作成していない自治体です。 平塚市の危機 管理体制を根本的に見直す必要に迫られています。 平塚市の使命は、市民の尊い生命を守ること。 その財源を捻出するためにも、税金のムダづかい 撲滅は至上命題です。 柏木 徹(かしわぎとおる) 昭和38年2月15日生 桃浜町在住 なでしこ幼稚園・花水小学校・浜岳中学校・平塚江南高校・横浜国立大学工学部化学工学科卒業 10年間の民間企業サラリーマンを経て、河野太郎衆議院議員秘書(平塚事務所長を12年間務める) 現在 株式会社コンシェルジュサービス代表取締役
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