栄養士だより 9 月 少しずつ残暑も和らぎ、澄んだ青空が秋を感じさせるようになってきました。 朝夕涼しくなってきたらウォーキングでも開始しようかと考えていらっしゃる 方もあるのではないでしょうか。誰もが、いくつになっても健康で自立した 生活を送りたいと願っています。さて、今月は健康状態が保たれ、明るく 元気で暮らすために食生活を見直しましょう。 健康寿命 現在の日本人の健康寿命と平均寿命 日常的に介護を必要としないで 自立した生活が出来る生存期間のこと 平均寿命 生まれてから死ぬまでの寿命の平均 平均寿命 男性 79 歳 女性 86 歳 健康寿命 男性 71 歳 女性 76 歳 不健康期間 男性 8年 女性 10 年 不健康期間の割合 男性 8% 女性 12 % 日本のような長寿国では、平均寿命と健康寿命の開きが長く、日本でも晩年には 寝たきりになる期間が国民平均 6 年以上になっています。 健康寿命を左右する 3 つの「年齢」 わが国では、老年期痴呆の 3 割以上を脳卒中が占めています。 食生活の改善により、血管年齢を若く保ち、脳卒中の温床となる動脈硬化を 防げば、このタイプの痴呆を確実に減らすことが出来ます。 寝たきりの 2 大原因は脳卒中と骨折(骨粗鬆症)です。 寝たきりを防ぐためには血管年齢とともに骨年齢も若く保つことが大切です。 加齢に伴い、腸内ではビフィズス菌などの善玉菌よりも悪玉菌が優勢となり、 免疫力の低下をまねき、感染症や癌などのリスクが高まります。 健康寿命を延ばすためには、腸内を善玉菌優勢に保つことも大切です。 健康寿命をのばす食生活 5 つのポイント (世界 25 カ国 60 地域におよぶ WHO 調査に基づく食生活ポイントを紹介します) ①塩分を控える…食塩は血管の老化を早める元凶です。WHO では食塩摂取量の目標を 1 日 6g 以下としています。 ②動物脂肪の摂りすぎに注意…丈夫な血管を保つには、良質のたんぱく質が必要ですが、 脂肪を落として食べる工夫をしましょう。 ③野菜を充分に果物も食べましょう…野菜や果物にはビタミン C、E、ポリフェノールなどの 抗酸化物質やカリウムの宝庫。血管を傷めつける活性酸素を消去し血圧を下げてくれます。 ④牛乳・乳製品を積極的に摂りましょう…牛乳、乳製品は良質のたんぱく質とカルシウムの 重要な摂取源。血管と骨を若く保つのに欠かせません。ヨーグルト(はっ酵乳)には、 腸年齢の若返りにも効果があります。 ⑤大豆製品、魚、海藻を食べましょう…大豆は良質のたんぱく質、カルシウム、 イソフラボンの摂取源。魚は EPA やタウリンが豊富です。海藻に含む水溶性食物繊維は 余分なコレステロールの吸収を妨げるほか、腸内でビフィズス菌の増殖を助け、 腸の若さを保ちます。
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