リフォームスタジオ訴訟

貼用印紙額
1万円
訴
状
平成25年9月27日
東京地方裁判所
御中
当事者の表示
原告
780-0841 高知市帯屋町1丁目9番6号
山口人生
TEL:090-5718-1866
白亜堂ビル4F
被告
103-0007 東京都中央区日本橋浜町2-62-6
リフォームスタジオ株式会社
代表取締役 豆鞘亮二
コート汚損被害に対する損害賠償事件
請求の趣旨
1、被告は原告の損害請求に対し金100万円を支払え。
2、訴訟費用は被告の負担とする。
との判決を求める。
請求原因
1、当事者
原告は一般消費者であり、被告は服のリフォーム等を業とする株式会社である。
2、本件コートの汚損等
(1)原告(以後、甲と呼ぶ。)は2013年1月18日、冬物コート5着のリフォ
ームをマジックミシン秦野店(以後、乙と呼ぶ。)に依頼した。(甲1号証)乙はリ
フォームスタジオ株式会社(以後、丙と呼ぶ。)のチェーン店であり、イオン秦野店
2階にある。
(2)その後、甲が1階のジャスコで買い物をしていると、乙にリフォームスタジ
オまで来るようにという館内放送があった。
(3)約30分ほどの買い物後、乙に再度行ってみると、先程受け付けた店員が
1
「1着に、こういう虫食いの痕がありました。」
と言って、預けた5着中で一番高価なコートを見せた。
(4)驚いて、
「先程、受け付け時点で確認した時には虫食いの痕なんかなかった。」
と言ったが、相手は、それを認めず、見逃していたと言い張った。
(5)しかし、乙に、以前、スーツの上着を持ち込んだ際にも、同様に、穴があい
て戻ったことが一度あった。この時には、店長相手にクレームを付けて、カケハギ
をすることで仕方なく事を収めたという経緯があった。
(6)だから、今回も、妥協して、カケハギはぎすることで事を収めようとした。
その為に、現場に居なかった店長に電話をし、事の次第を伝え、カケハギで修復す
ることで話がまとまった。
(7)重要なのは、
「この遣り取りの段階で、このコートについては他の箇所も十分丁寧に目視確認し
た。」
という事実である。これは当然であろう。1箇所に穴開きが見つかったのであるか
ら、他の箇所も調べたのだ。その結果、他の箇所には穴が開いてないことが確認で
きた。
(8)その後、帰宅したが、1時間くらい後、乙の店長から電話があった。
「私が店に来て、よく調べてみると、1カ所ではなく至るところに虫食いの痕があ
る。」
と言うので、驚いて、
「先程、そちらの店員と確認した時には1カ所しか無かった。」
と言ったのだが、その場に店長はいなかったので、すでに道理が通用しない状況に
なっていた。つまり、店員の嘘を信用したのである。
(9)これには伏線がある。1箇所の穴開きならば、店員の悪戯の可能性があるが、
数箇所に穴が開いていると、虫食いの可能性が増すからである。
(10)店長は
「こういうのを、業界用語で虫がなめると言い、よくある現象だ。」
と言い張るのだ。更に、染みまであると言い始めた。電話では埒があかないので、
仕方なく、再度、乙まで出向くことになった。
(11)乙に確認に行くと、なるほど、複数の虫食いの痕らしき穴があった。更に、
派手なシミも目立つ処にできていた。甲が
「このシミは、一体、いつ付いたのだ?」
と詰問したが、最初から付いており、受付段階で見逃していたと乙側は言い張った。
(後に、別の言い逃れを始める。)
(12)しかし、それほど大きなシミを受付段階で見逃すはずがない。押し問答を
していると、店長が、
「クリーニングに出します。」
と言い出したので、シミについては、クリーニング後の状態を見てからの話にする
ということで妥協した。虫食い状のキズの方も、カケハギで、できるだけ修復して
みるということで、その場は収まった。
(13)それで甲は帰宅したが、乙側は、その日の内に、イオン内のクリーニング
店にクリーニングに出した。これで、派手なシミが付いていたという証拠が残った。
(クリーニング店の伝票が残っているはずだし、第三者の証人ができた。)
2
(14)後日、連絡があって、その出来上がりを見たが、シミは完全には取れてな
かった。この段階で、乙側は、秦野店レベルでの対応を止めて、すでに本社に連絡
していた。
(15)この結果、現場の事情を知らない丙対応になり、丙社のクレーム係りが介
入し、約束した専門のカケハギ業者に出す前に、虫食いの痕なのか、人為的なキズ
なのかの判定を第三者機関(都立産業技術研究センター)に任せることになった。
多分、普段から依頼している組織なのであろう。
(16)この判定に日数を要したが、出た結果が、
「これは虫食いの痕だ。」
という評価だった。この結果、丙の担当者は、
「当方に落ち度はないので、カケハギ修復はやらない。」
という返事をしてきた。
(17)しかし、こちらは、それでは引き下がれない。その第三者機関の名称を聞
き、こちらから問い合わせをした。質問は極めてシンプルで、
「虫食い痕の形状を熟知している(洋服直しの)プロが、人為的に付けることは不
可能か?」
その回答は、不可能とは言えないというものであった。当然であろう。虫の卵でも
発見したのなら別だが、痕だけで完全判定できるはずがない。
(18)丙は、これほどの数のキズは人為的に付けるのは不可能だと言いたいらし
いが、そうはいかない。論点は逆である。何故、このコートにだけ、これほど集中
して虫食い痕が発生したのかが論点なのだ。
(19)高価で貴重なコートであるから、甲は保管には気を付けていた。特に、防
虫を心がけ、防虫剤を切らしたことはない。実際、全く同じ条件で保管している他
の50着以上のコートには虫食いは一つも発生してない。(甲2号証)
(20)この点を指摘すると、
「その生地は虫が好む生地だ。」
などと冗談みたいな言い訳を乙の店長がした。しかし、残念ながら、このコートと
同様の生地のコートをクロゼット内で隣に吊るしているのだ。そういう事実を乙側
は知らない。
(21)防虫剤を十分入れておいても、この規模の虫食いは発生すると乙店長が言
い張るので、甲は使用した防虫剤メーカーのエステー株式会社に電話し、事実確認
をしてみた。
「適切な使用量の下、使用期限内に、虫食いが発生することはあるのか?」
その回答は、なんと、有り得るという返事であった。これでは、何の為の防虫剤な
のか?
(22)仕方ないので、穴開きの痕は訴訟対象外にし、シミだけを対象にすること
にした。争点は、
「ここまで派手なシミに気付かないことが有り得るのか?」
となる。(甲3号証)
3、論理的にみて、本件訴訟の対象痕が被告の故意によって生じたと推察できるこ
と
(1)丙は虫食い痕の対処を切り抜けた安心感から、シミの方は忘却しているらし
い。直径20cm以上の派手な黄色のシミである。(甲3号証)
(2)最初に虫食い箇所を1箇所でも発見した時点で、当然、甲・乙ともコート全
3
体を調べるはずである。そして、実際、調べたのだ。しかし、その段階では見つか
らなかった。
(3)この点を指摘すると、乙店長は苦し紛れに、
「持ち込んだ段階ではシミは見えなかった。その後、1時間で色が出てきた可能性
がある。」
とまで言い逃れをし始めた。(これを裏から言えば、見逃せるシミではないと認めた
ことになる。)しかし、そんな種類のシミなんかあるはずがない。現物があるので、
今から鑑定して貰ってもいい。
(4)そもそも、最初に指摘した1カ所以外の虫食い痕についても、同様の判断が
適用できる。何故、最初の呼び出し時点で、他の虫食い痕を指摘しなかったのか。
他の箇所は調べなかったなどという言い逃れが通用するはずがない。目の前で、
甲・乙ともにコート全体を調べたのだ。これで、丙の言い分は論理的に破綻する。
(5)ちなみに、都立科学技術研究センターは、総ての虫食い痕を調べたわけでは
なく、1カ所のみ調べている。
(6)同時にリフォームに出した5着の内、他の4着が手出しされずに無事だった
のは、店長から電話があって、確認に行った段階で、
「他のコートには虫食い痕やシミがない。」
と一筆書かせたからである。それくらいの防御が必要な相手なのだ。そうしないと、
他の4着も無傷では帰ってこなかった可能性がある。
(7)甲は客なのに、何故、このように子細工されたのか?一つは、高価なコート
に対する庶民的嫉妬の感情があるはず。しかし、それよりも、乙本社である丙がイ
オン株式会社の子会社であるという事実が大きい可能性がある。その根本原因は、
甲がオーナーの会社(株式会社 インターナショナル インテリジェント インフ
ォメーション)の記事にあると想定される。実際、株式会社ヤナセの湘南支店でも
似たような事件が起きた。
4、甲の損害
本件対象コートは、男物のジバンシーコートをベースに、襟部分に毛皮が脱着でき
るようカスタムオーダーメイドした一品で、この世に2枚とないコートである。(甲
4号証)コートだけで30万円近くした。今は、こういうコートは探しても見つか
らない。復活させるにはオーダーするしかないのだ。
5、結論
以上の事実関係や状況証拠に基づき、コートの損壊に対する損害賠償を求める。コ
ートの価値を鑑み、更に、他に無い一品物に対する愛着という精神的苦痛や訴訟に
要した消費時間や手間を考慮し、100万円を請求する。
添付書類
甲1号証
甲2号証
甲3号証
甲4号証
写し
写し
写し
写し
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