資料5 - 林業経済研究所

Driving Sustainability for Our Future.
リコーえなの森づくり
活動と
二酸化炭素吸収量
「みえる化」
実証活動
企業による森林づくり・木材利用の
二酸化炭素吸収・固定量の
「みえる化」シンポジューム
2016年2月29日
株式会社 リコー
サステナビリティ推進本部
阿部裕行
Driving Sustainability for Our Future.
リコーグループの事業分野と主な商品・サービス
リコーグループでは、複合機やプリンターなどの情報機器を中心に、
製品の開発・生産・販売・サービス・リサイクルなどの事業を展開しています。
連結売上高(2015年3月期) : 22,319億円 (国内:37.6%、海外:62.4%)
 画像&ソリューション分野
複合機
プリンター
プロジェクションシステム
・オフィスイメージング
MFP(マルチファンクションプリンター)、複写機、プリンター、
印刷機、FAX、スキャナ等機器及び関連消耗品、サービス、
サポート、ソフトウェア等
・プロダクションプリンティング
カットシートPPC(プロダクションプリンター)、連帳PP等
機器及び関連消耗品、サービス、サポート、ソフトウェア等
・ネットワークシステムソリューション
プロダクションプリンター
ユニファイド
コミュニケーション
システム
パソコン、サーバー、ネットワーク関連機器、関連サービス、
サポート、ソフトウェア等
デジタルカメラ
サーマルメディア
 産業分野
サーマルメディア、光学機器、電装ユニット、半導体、
インクジェットヘッド等
 その他分野
IT サービス
MDS(マネージド・
ドキュメント・サービス)
半導体
デジタルカメラ等
2015年4月1日現在
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社会貢献の主なコーポレートプログラム
 インド教育支援プログラム(2011年開始) 震災復興支援(2011年開始)
BOPプロジェクト(2009年開始)
◆ 市村自然塾 関東(2002年開始)
◆ 社会貢献クラブ
FreeWill(1999年設立)
会社
社員
会員の
拠出金
+
社員の気持ち
マッチング
ギフト
株主
◆ リコー・サイエンスキャラバン(2000年開始)
= 支援先へ
社員
会社の応援
環境ボランティアリーダー
養成プログラム(1999年開始)
社会貢献積立金制度
株主様のご理解のもとに、
安定した継続性のある
社会貢献活動の経済的基盤
を支える制度
◆ 森林生態系保全プロジェクト(1999年開始)
(非所有林)
◆えなの森プロジェクト(2014年開始)
森林生態系保全
プロジェクト
(所有林)
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リコーグループの森林生態系保全プロジェクト
・生物多様性が豊かな「森林生態系」に注目して環境NGOや地域と連携し、土地固有生物種の
生息域や住民生活を守るために、持続的な森林管理の枠組み構築を目指す。
メキシコ・マングロ
ーブの森再生プロ
ジェクト
(2015年7月終了)
開始年月
2001年11月
2001年11月
2004年5月
2007年8月
2011年7月
2014年7月
2015年7月
実施国
日本
日本
ロシア
中国
マレーシア
日本
メキシコ
名称/パートナー
長野黒姫アファンの森保全/C.W.ニコル・アファンの森財団
沖縄やんばる森林保全/やんばるの森トラスト
北限のトラ生息域タイガの森保全/地球・人間環境フォーラム
三江併流世界遺産の生物多様性保全/アジア緑色文化国際交流促進会
北央セランゴ沿岸マングローブの森再生/バードライフ・インターナショナル東京
えなの森プロジェクト/えなの森協議会
メキシコ オアハカ州・チアパス州マングローブの再生/バードライフ・インターナショナル東京
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えなの森プロジェクト(2014年開始)
自社林の保全と地域コミュニティーへの貢献
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リコーえなの森の所在地(岐阜県恵那市)
東京駅→(新幹線 約1時間45分)→名古屋駅
→(JR中央線 約1時間)→恵那駅
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リコーえなの森の概要
リコーエレメックス(株)
恵那事業所敷地図
森林部分約45ha
2010年COP10をきっ
かけとして、社員による
森林保全活動に着手
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「えなの森」について(植生)
多様な湿生植物種が絶滅危惧種が生息する森
植生調査(植物分布)
1
2
3
4
5
6
森林調査(森林分布)
1
2
3A
3B
4
5
シデコブシ
ミミカキグサ
ホザキノミミカキグサ
サクラバハンノキ
ヘビノボラズ
カザグルマ
ヌマガヤ群落
アカマツ群落
アカマツ・コナラ群落(下層低木優占型)
アカマツ・コナラ群落(下層ササ類優占型)
ヒノキ植林
畑地
シデコブシ
ミミカキグサ
ホザキノミミカキグサ
中山道
カザグルマ
ヘビノボラズ
サクラバハンノキ
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えなの森の目指す姿
●活動の目的:
生物種多様な恵那の森を活用して
・地球環境保全 ・次世代育成 ・コミュニティ発展
に貢献する。
・希少種等、多様な生物が保全されている (地球環境保全)
(主な活動) 雑草木の刈払い、枯損木の除去、定期的な植生調査
・地域の子どもたちの環境意識醸成に貢献している (次世代育成)
(主な活動) 子ども向け自然教室、観察会、クラフトづくり、森林保全リーダー育成
・地域住民の生きがいづくり、健康増進等に貢献している (コミュニティ発展)
(主な活動) 散策道の整備と開放、森林整備ボランティア、椎茸栽培等
2014年3月
地域コミュニティーとともに、活動団体「リコーえなの森中山道里山協議会」 を結成
・地域住民、地域NPO、地元企業、リコーグループ で構成
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活動の様子
森林保全
・植林地帯:
間伐・下刈り
・広葉樹地帯:
整理伐で明るい森に
・湿地帯:
希少種の保全
次世代育成
自然教室・森のようちえん
・葉っぱ飛行機づくり
・どんぐり、葉っぱ観察
コミュニティーの発展
住民の方々の健康ウォーキング
・展望台からの景色鑑賞
・植物撮影 ・地域創生への貢献
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Driving Sustainability for Our Future.
コミュニティーとの連携
恵那市の障がい者福祉施設(恵那たんぽぽ福祉会)と連携
保全活動の参加者には
たんぽぽ福祉会運営の販売所の
お買い物券「たんぽぽ券」を贈呈。
たんぽぽ福祉会Webページより
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「みえる化」実証事業参加のねらい
◆活動成果の確認とPR
CO2吸収量「見える化」実証事業により、社会貢献を目的と
して実施している森づくり活動の環境側面効果を明らかにす
るとともに、活動効果の社会への発信(Webサイト、環境格付
けアンケートなど)や活動意欲の向上に活用する。
◆オフセットやクレジット化などへの課題確認
「見える化」プロセスを理解するとともに、CO2排出量オフセッ
トやクレジット化の可能性も視野に入れて課題を確認する。
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「みえる化」実証事業のプロセス・課題
森林づくりによる吸収量算定(期間:2015年12月~16年1月)
対象森林:2014年~15年に間伐整備を実施した森林22.5ha
(林野庁事業「森林・山村多面的機能発揮対策事業」対象)
主な進め方
課題
簡易型
算定
・活動面積の測定(所有しているGPS測定器)
・森林簿の入手(市担当部署より)
・計算フォーマット入力による算出
・森林簿に現在の森林の状況が
反映されておらず、行政区への
データ更新の働きかけが必要。
精緻型
算定
・林業経済研究所専門メンバーによる現地調
査(サンプリングエリア4箇所の樹種計測)
・個別樹種の面積測定(今回はヒノキ面積の
み)
・計算フォーマット入力による算出
・自社で測定する場合は、場所選
びや測定ノウハウが必要となる。
・計算ロジックにおいて、その他
樹種を選択した場合も変数に応
じた吸収量が反映される改善が
必要。(※1)
(※1) ①樹種の選択を「その他樹種」とした場合、
「立木の本数」「樹高」「直径」を変更した場合でも、同じ結果の「吸収量」となる。
②樹種の選択を「ヒノキ」とした場合、
「立木の本数」が多くなれば、なるほどより多くの「吸収量」が得られる。
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「みえる化」実証事業の現地調査
サンプリング測定した4箇所のエリア
その他樹種
ヒノキ林
中山道
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「みえる化」実証事業結果
■CO2みえる化算出結果(精緻版)
森林による二酸化炭素吸収量計算書 明細表
森林整備の種類 森林の所
番号
林班等所在地区分
等の区分
在県
1
2
3
4
ヒノキ林A
ヒノキ林B
一般整備林A
一般整備林B
岐阜県
岐阜県
岐阜県
岐阜県
恵那市長島町中野
恵那市長島町中野
恵那市長島町中野
恵那市長島町中野
樹種名
齢級
面積
ha
ヒノキ
ヒノキ
その他樹種
その他樹種
15
15
10
10
1.5
1.5
17.5
2.0
森林調査結果
ha当り立
平均直径
樹高 m
木本数
cm
600
16.0
21.0
1,000
20.0
23.0
1,700
10.0
13.5
2,000
9.4
13.4
・算出の結果、22.5haのCO2吸収量は54.1tonとなった。
材積量
m3
259.5
661.0
2,040.9
233.2
1.9
4.7
32.6
3.7
年間CO2吸
収量 tCO2/年
2.2
5.6
41.5
4.7
42.9
54.1
収量比 年成長量
数
m3/年
0.38
0.76
■考察と期待
①必要なデータの入手や計測方法を習得することで、大きな負担なくCO2吸収量をみえる化
できるプロセスが理解でき、また測定上の課題も把握できた。
②みえる化したCO2吸収量データを活用することにより、今後は活動者の活動意欲の向上に
つなげたり、社会に対して活動効果のPRにつなげていきたい。
③今後ガイドライン制作・普及にあたっては、以下の反映を期待する。
・公共データ(森林簿など)の整備、計算ロジック上の課題解決。
・算定された吸収量は、単に算出した数値としてだけではなく、温対法等で求められる
CO2排出量報告における公式な取り扱い。
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Driving Sustainability for Our Future.
ご清聴ありがとうございました。
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