佐賀大学TLO 佐賀大学研究室訪問!! 農学部 生命機能科学科 食糧科学講座 柳田晃良 教授 メタボリックシンドローム予防食品の開発! 【研究テーマ】 「食事成分による脂質代謝の調節作用に関する研究」 「機能性食品による生活習慣病の予防に関する研究」 【研究概要】 柳田先生の研究室では、食品の栄養成分と生体との 相互作用に関する栄養学的研究を通じて、人の健康保 持及び疾患の予防・改善に最適な食物の質と量に関す る教育と研究を行われています。 食生活や生活習慣の変化により、肥満、糖尿病、高 血圧、高脂血症などのメタボリックシンドロームが増 加し、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患発症率 が非常に高まっています。メタボリックシンドローム に対する食品の役割は非常に大きいことより、柳田先 生は、健康長寿社会の構築を目指し、肥満や生活習慣 病を予防する食品として、機能性食品の開発や特定保 健用食品の開発に取り組まれています。具体的には、 佐賀県の特産物であるタマネギ、海苔、大豆、お茶、 乳製品などの機能性成分の探索に取り組まれ、ヒト肝 臓由来の培養細胞・肥満モデル動物等を用いて、これ らの機能性成分が脂質代謝にどのような影響を及ぼす かについて研究を行われています。 タマネギの中に含まれている含硫アミノ酸のシクロ アリインは、ヒト肝臓細胞のアポB100リポタンパク質 とトリグリセリドの分泌を阻害し、脂質を低下させる ことを見つけられてます。シクロアリインはミクロ ソーム脂質転送タンパク(MTP)活性阻害を介して 血清脂質低下作用を示すことも発見されています。 また、ブナやミズナラなどの広葉樹の切り株や倒木 などに多数重なり合って発生しているキシメジ科ワサ ビタケ属のムキタケが脂質代謝に及ぼす影響について も検討されています。ムキタケを肥満・糖尿病モデル Zuckerラットに摂取させると、血中遊離脂肪酸、イン スリンが低下し、アディポネクチンが上昇することよ り、高インスリン血症および脂肪肝が改善されること を示されてます。 肥満は種々の生活習慣病の要因となっており、動脈 硬化性疾患(脳卒中・心筋梗塞)は日本人死因の33% を占めているそうです。人が心身ともに健康で長生き 実用化例、応用事例 柳田 晃良 教授 するためにも、メタボリックシンドロームを予防する機能 性食品、特に機能性脂質について日々研究を進められてい る柳田先生に大いに期待が膨らみます。 平成17年度から本学研究プロジェクト学長経費学内重 点配分経費により始まった医食同源プロジェクトの研究統 括として取り組まれ、心身の健康の維持・増進や生活習慣 病予防を目指し、現在までに‘医食同源’の科学的エビデ ンスを出されています。研究成果は、国内外の学会・シン ポジウムで報告されており、2007年度も、アメリカ油化 学会年次大会(カナダ・ケベック市)、第10回アジア栄 養学会(台湾)などの国際シンポジウムオーガナイザーと しても活躍されています。 【特許等、固有技術】 「脂質代謝改善用組成物」特願2005-288401 H17.9.30 「アディポネクチン上昇剤」 「内臓脂肪蓄積抑制食品」 未公開のため詳細はTLOまでお問い合わせ下さい。 【実施可能な企業業種】 食品会社、製薬会社等 ムキタケ 機能性脂質CLAのメタボリックシンドローム 予防作用と構造 「機能性食品(健康食品)」 「脂質代謝改善剤」 「インスリン抵抗性改善剤」 「内臓脂肪低下食品」 「肝機能改善剤」 「血清脂質低下剤」 ミヤコグサの根粒 柳田先生の編著書
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