筋痛性脳脊髄炎患者と家族の生の声 - NPO法人 筋痛性脳脊髄炎の会

筋痛性脳脊髄炎患者と家族の生の声
1)37 歳女性
一番症状が重い時は、筋肉を動かすことができず、話すことが難しく、呼吸も苦しく、食事、排泄、
入浴、起居動作すべてにおいて介助が必要であった。とにかく、一日臥床しており、リクライニングを
ギャッジして起こしてもらっていた。移動は、入院中はストレッチャーであった。とにかく、このまま
進行すれば死んでしまうと毎日恐怖であった。今は、やや症状が改善してきたが、座位保持が10分か
ら 15 分程度、
話すことが 10 分から 15 分程度、
またこれを行なうと 2 時間ほど休息を取らないと厳しい。
この状況で、社会の支援を受けられない状態ならば、どのようにして生きていく楽しみを見つけたらよ
いのであろう。
2)36 歳女性の家族
長女は小 5 の秋に、風邪をひいた後、激しい頭痛倦怠感などを訴えて発病。対症療法だけで16年き
たが、症状は徐々に進み、生活の質はほぼ 5 年毎に大きく退化している。今はほとんど一日中ベッドの
中ですごし、全てのことに人手が要る。遠くて体力的に行けないため、専門医にかかっていない。長女
は発病以来、ほとんど家で暮らし、外に出ることはたまの病院以外はない。患者本人はもちろん、私も
非常に孤独な思いをしている。
3)28 歳女性
10 年ほど前に CFS と診断され、起きていられないほどの倦怠感、脱力感、筋肉痛、頭痛その他の症状
を抱えて生活上、本当に困難を極めている。生活上の困難を打開するため、行政に相談に言っても、CFS
の患者が使える制度は皆無といわれ、家族の自助努力で生活してほしいとの一点張りで、全く公的支援
が受けられない。家族の自助努力でと言われても、3 人家族中 2 人が CFS では生活が成り立たない。家政
婦さんをお願いしているが、一ヶ月で十数万は下らず、経済的にも立ち行かない。
4) 59 歳女性
私は中程度の症状なので、身の回りのことは自分で何とかできるが、労働も外出もできない。主婦で
ありながら、もう 10 年くらいはその仕事ができていない。人のために何もできない人生は意味があるの
だろうかと時々考える。病気を理解されないゆえに、友人をなくし、家族とも疎遠になり、社会的な活
動から取り残され、ただ生きている。
5)34 歳女性
もう 20 年以上も、CFS という原因も治療法もわからない病気に苦しめられている。大事な時期や楽し
いであろうはずの時期なども、病気により大きく阻まれ、将来を夢見ることも叶わず、現在も働くこと
もできず、先も全く見えない状態。
6)41 歳女性
単なる「疲労感」にとどまらず、実際、風邪などの感染症・下痢を起こしやすく、容易に重症化し、
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衰弱、臥床して休まざるを得ない状況に陥ってしまうため、社会生活を送ることもできず、基本的な日
常生活にも支障をきたし始めている。また、発症時(通常の社会生活が送れなくなった時点)より、だ
んだん悪化し、苦しむ時間、日の方が多くなっている。かなり重篤な病気であるような苦しさが(透析
10 年目の友人、舌癌の手術を受けている友人より、身体症状が重い、生活活動制限が大きいことがいつ
も驚きである)持続、重層化してゆくことに危機感を覚える。このまま、悪化の一途をたどれば、廃用
症候群を併発して寝たきりになるのが予想できるから。
7)60 歳女性
一見、元気そうに見えるので、ひどく疲れていても、如何に努力して応対しているかが誰にも伝わら
ない。疲れて疲れてボロ雑巾のようになっているのに、そうせざるを得ない状況にあるので、いつも本
当に頑張っている。激しい疲労状態にある体を引き摺ってでも、こなさなければならないことがある。
日々生活していれば、家事をしなければならないのに、それができない。多少のヘルプはあるが、とて
も足りなくて、一年半前の洗濯物が残っていたりする。激しい疲労に打ちのめされて苦しく、口もきけ
ない時がある。誰も寝たきりでは過ごしたくないだろう。できれば何でも自分でやりたい。でも、でき
ない。できないからヘルプが必要なのに、それを理解してもらえないのは精神的に非常に苦痛。
8)37 歳女性
午前中までは横になっており、午後から少し家事ができる。体調が良ければ、スーパー等へ買い物に
行けるが、長時間の外出は難しい状態。発症から 8 年半。社会生活を奪われ、起きて過ごすだけでも精
一杯なのに、その辛さを理解してもらうのはとても難しいこと。周囲からは怠け者扱いされ、医師から
は厄介者扱いされ、居場所が見つけられず「私は生きていてよいのか」と自問し続けた時期もあった。
9)27 歳女性
発症してから 2 年 8 か月の患者。この病気のため、必死で手にした仕事と健康な体、当たり前の日常
を奪われた。身体を起こしていると、体調が悪化するため、今は 2 時間ごとに身体を横にしている。
10)50 歳男性
この先一人となった場合、一人では生きていけないだろう。今のところ介護までは必要無いにしても、
家事等は出来ない。もし一人で生活となると、宅配のお弁当・お手伝いさんをお願いすることになり、
それなりの費用が必要になるし、急な体調悪化で、人に来てもらいたいときは電話(会話)となるが、
体調の悪い時はこれが非常に負担になる。こんな感じなので、介護付きホームまでとは言わないが、一
つ屋根の下にどなたか居てもらえるような施設があると、それだけでも非常に助かる。
11)29 歳女性
身体的代償を払わなくてすむように、なるべく負担の少ない生活を患者は望んでいるが、公的支援を
なかなか受けられない中で、車椅子、ヘルパー、その他必要なものを自費で用意するのは、金銭的によ
ほど余裕がないとほとんど不可能。ましてや患者は大多数が働けず金銭的に困窮している。そのため身
体的代償を払うのを覚悟で、通院やその他の必要最低限の日常生活を送っていることを、本当の意味で
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理解して欲しい。患者に負担のない生活を送らせるためには、公的支援も含めた福祉的な面もセットで
考えなくては、患者の症状が悪化していくと思う。
12)51 歳男性
ちょっとした精神的・肉体的ストレスで体調が崩れる恐怖と、日々向き合い戦っている。肉体的には、
日々身体の痛みと戦っている。 関節痛・筋肉痛はもちろん血流も悪くなれば、肉離れも頻繁におこる。
社会からは偏見の目でみられ、扱われ仕事もできず無収入で、障害者認定も受けることもかなわず、障
害者年金も受給できず、悩み苦しむ辛さは精神的にこたえる。
13)40 台男性
腕や脚を切り落としたいと思う程、毎日苦しんでいる。対処療法も効果がほとんどなく、いつまで我
慢できるか不明。お金もないため、診察は受けているが、治療や薬も省かざるを得ない。苦痛に耐えて
生きるか、自滅するかの選択肢しか今は考えられない。せめて、尊厳死の選択は入れて欲しい。
14)40 台女性
私は週に1日だけ仕事をしている。仕事ができるなら症状も軽く家事も少しはできるだろうと思われ
がちだが、全く違う。普段の生活で疲れて遅刻、早退、欠席もよくするし、就業時間より前に具合が悪
くなり、息も絶え絶えに帰路につく。その他の日はほとんど寝たきりで、家事はできない状態。毎晩寝
る前にこのまま目が覚めずに寿命がつきていたらいいなと思っている。
15) 34 歳女性
家の中では、自分の足でトイレに行ったり階段を昇ったりする事は出来るが、家事(掃除、洗濯、料
理、炊事)は、やりたくても自分で全く行う事が出来ない。今は両親が健在なため、家族に依存して生
活しているが、両親が亡くなった場合、私は一人で生活をしていかなければならない。しかし、介護な
どの福祉サービスを受けられなければ、生活していく事が出来ないため、親が死んだ時が、私も死ぬ時
なのかなと思う時もある。
16)38 才女性
病院に行けるのは症状が軽い患者。重症になって以来、治療を受けたくても、こちらから出向けない
ので病院とつながるすべがない。診察には往診が不可欠。人と話しをするだけで激しく体力を消耗する。
通院から帰った後で間違いなく訪れる体調の悪化を考えると、病院へ出かけ、長い待ち時間を過ごし、
医師と話をすることは、想像しただけでも緊張感と不安が高まる。
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