植物のクララを利用してなる害虫の防除シート

提供者名:久留米大学
タ イ ト ル
福岡県開放特許
2010-044
植物のクララを利用してなる害虫の防除シート
技 術 分 野
□電 機 ・電 子
□情 報 ・通 信
□有 機 材 料
□金 属 材 料
□食 品・バイオ
□土 木 ・建 築
□農 林 ・畜 水 産
□そ の 他(
□機
□化
□無
□輸
■生
■繊
□医
)
械・加
学・薬
機 材
送
活・文
維・紙
療
工
品
料
利用分野・適用製品
・博物館、図書館、美術館、蔵書家、出
版社など
化
(1)従 来 技 術 の課 題 ・問 題 点
(1)従来技術の課題・問題点
情 報 メ モ
詳 細 資 料:■有 □無
サ ン プ ル:■有 □無
見
学:■可 □不可
そ の 他:
(2)本 発 明 の効 果 ・特 長
美術工芸品に害を及ぼす昆虫は多く、シバンムシ、シミ、ゴキブリ、チャタテムシ、シロアリ等が良く知られている。これら
の害 虫 を駆 除 する方 法 として、殺 虫 剤 の使 用 や臭 化メチル等の化 学薬 剤による燻蒸 処理 等が行われてきたが、貴 重な
文 化 遺 産 を汚 染 する可 能 性 が否めないことから、さらに有 効 な、しかも安 全 な方 法 が求 められている。クララは人 体に安
全で環境に対する負荷も低い薬草植物であり、忌避剤の一成分として使用されてきたが、液状であったことから、直接の
散布や塗布は美術工芸品に悪影響を与える可能性を排除できず、使用範囲が限定されていた。
(2)本発明の効果・特長
本発明は虫の忌避 剤として使用 可能なクララの繊維に着目し、それを原料としてシートまたは紙状物を形成した。これ
を長 期 保 存 が必 要な美 術工 芸 品の被 覆または包 装 材 として使 用 することにより、虫 食 い等 の被 害 から美 術 工 芸 品 を守
る効果が期待できる。また、シートまたは紙状物であることから、通常の紙としても使用でき、広範囲な使用が可能となる。
これまでに虫 の忌 避 剤を和 紙 化した技 術 が存 在せず、まったく新規な製品であり、かつ独自性のあるクララからなる和 紙
(エキスを添 加 した従 来 和 紙 も含む)の開 発 をすることは、保 存 を要 する各 種 資 料 の材 料 としてのみならず、学 術 研 究 の
振興、さらには伝統的な技術を保有する八女の和紙産業(地場産業)の再活性化にも繋がる。
技 術 概 要
本発明は、クララの繊維と和紙の原料となる植物繊維とを混ぜ合わせてシートまたは紙状物に形成して得られる、有害
生物シートまたは紙状物である。クララ繊維を用いたシートまたは紙状物の作製は以下の3通りである。①クララの靭皮繊維
等を煮熟した後、破砕機にかけて繊維を裁断する。これを和紙原料に、クララ繊維:和紙原料=3:7~2:8の割合で混合
する。②①にクララ靭皮繊維等の粉末を総紙料重量の0.4%の割合で混合する。③クララ靭皮繊維等の粉末のみを和紙
原料に適量を混合する。①または②または③の混合材料を用いて、紙漉工程-乾燥工程を経る。これらの作製したシート
または紙状物を用いて殺虫効果等の実験を行うと、クララの靭皮繊維は極めて高い殺虫効果を示すことが確認された。
図・特 記 事 項・その他
クララ繊維とコウゾ繊維の害虫忌避効果の比較を行っ
たところ、左図のような結果を得た。クララの害虫忌避
効果は顕著であり、他の数種類の植物とも比較したが、
優れた忌避効果があることが判明した。
主 た る 提 供 特 許
出 願 番 号 :特願 2007-200047
公 開 番 号 :特開 2009-35503
出 願 日:平成 19 年 7 月 31 日
発 明 の 名 称:有害生物忌避シートまたは紙状物
出 願 人:学校法人久留米大学
関連特許番号
なし