呼吸苦を感じた時の安楽な体位 - 日本のケアをよくしよう!全国高齢者

呼吸苦を感じた時の安楽な体位
わたしたちのやりたいケア 介護の知識 50
呼吸苦を感じた時の安楽な体位
肺炎や喘息などの呼吸器疾患や心臓疾患を持つ方が、呼吸苦になっ
た時の呼吸を楽にする方法です。
1) 半座位(はんざい)
ファーラー位ともいいます。上半身が
45 度くらいの傾斜にした姿勢です。
横隔膜が下がり、肺への圧迫が減少することで呼吸を楽にしま
す。体がずれやすい人は、膝を少し上げたり、30 度くらいの角
度に調整します。
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2) 起座位(きざい)
背中を 90 度にし、オーバーテーブルや机
などの上に枕やクッションを置き、それらを
抱え、うつぶせにする体位です。
座位は、臥床位よりも呼吸が楽になります。座位をとることに
より、重力で腹部の臓器が下がり、横隔膜の圧迫が減少するため、
肺が広がりやすくなり、呼吸が楽になるのです。
授業中、研修中に居眠りをされる方は、体験済みかもしれませ
んが、
「よく眠れる=呼吸が楽で安楽な姿勢」だともいえます。
全国高齢者ケア研究会
呼吸苦を感じた時の安楽な体位
・長座位の場合
・椅子での座位の場合
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肺炎を起こしている高齢者の場合、炎症を起こしている肺は十
分に機能せず、もう片方の肺で呼吸することがあります。
そのような場合は、半座位をとった上で、肺炎を起こしていな
い方の肺を上側にして側臥位をとり、症状の改善を図る場合が
あります。ただ、褥瘡リスクのある方は、注意が必要です。
安楽な姿勢支援は、姿勢だけの支援ではなく、部屋の湿度や温
度の管理も大切です。夏であれば、扇風機などを間接的に回し、
空気の流れを作るなど、環境面での支援も大切になります。
全国高齢者ケア研究会