■目次─────────────────── ZOO Diary グラフ・・・・・・・・・・・ 3 飼育レポート・・・・・・・・・・・・・・・ 5 とべとべCOMIC・・・・・・・・・・・・ 9 生き物情報局・・・・・・・・・・・・・・・11 動物病院から・・・・・・・・・・・・・・・13 職員紹介・・・・・・・・・・・・・・・・・14 読者投稿用紙・・・・・・・・・・・・・・・15 どうぶつクイズ・・・・・・・・・・・・・・17 ──────────────────────── ■コモンリスザル Squirrel Monkey Saimiri sciureus リトルワールド内で暮らしているコモ ンリスザルは中南米原産で、暑い夏でも 元気に動き回っています。 2005 年6月 24 日に赤ちゃんが生ま れました。お母さんやお姉さんの背中に つかまっていることが多いですが、時々 ひとりで木の上で動いている姿も見られ るようになりました(まだまだ危なっか しいですが…)。御来園の際は是非じっく り探してみて下さい。 (文:森川由加 写真:森貞恭治) 1 日キーパースポットガイド 「ケヅメリクガメのお食事」 「 ヒ ョ ウ の お 話 」「 ト ラ 舎 に 入 ろ う 」 COME ON ス ネ ー ク ハ ウ ス キ リ ン の 瞳 に 大 接 近 ! ( 参 加 者 100 名 ) 2 日保護動物のお話 3 日 1050 万 人 記 念 イ ベ ン ト ウサギの心音を聴いてみよう! ( 参 加 者 40 名 ) アフリカニシキヘビに触ろう! 3.4.5 日 サ バ ン ナ ガ イ ド ( 参 加 者 計 800 名 ) 3.4.5.7.14.21.28 日 ポ ニ ー の 乗 馬 体 験 ( 参 加 者 各 20 名 ) 3.4.5.14.15.21.22.28.29 日 ハリーと握手 4.7 日 フ ク ロ ウ を 手 に 乗 せ よ う ! 5 日日本産ヘビと仲良くなろう! 5 日 一 日 園 長 ・ 一 日 キ ー パ ー( 参 加 者 8 名 ) 7 日工作教室 「プラバンのキーホルダー・石ぶんちん」 ( 参 加 者 17 名 ) 7.8 日 ヘ ビ 大 集 合 7.21 日 近 く で 見 る と で っ か い ゾ ウ ( 参 加 者 各 30 組 ) 14.28 日 ラ イ オ ン に な っ て み よ う ( 参 加 者 各 50 名 ) 15 日 愛 媛 動 物 友 の 会 5 月 例 会 「 野 鳥 の お 話・飼 育 体 験 」 ( 参 加 者 101 名 ) 15.22.29 日 キ リ ン の 瞳 に 大 接 近 ( 参 加 者 各 50 名 ) 22 日 絵 本 の 読 み 聞 か せ (参加者 6 名) ZO O ニ ュ ー ス 上 映 (参加者 6 名) ハリーちゃん 大人気 → 1050 万 人 目 は新居浜市の 星野総一朗君 → 砥部町の小学 6 年生 8 名が 参加してくれ ました。 ← 4 日むし歯予防イベント 「トリさん 3 羽(サンバ) しゃべって、さわって、ハネみがき!」 4.18 日 近 く で 見 る と で っ か い ゾ ウ ( 参 加 者 各 30 組 ) 4.11.18.25 日 ポ ニ ー の 乗 馬 体 験 ( 参 加 者 各 20 名 ) 4.5.11.12.18.19.25.26 日 ハ リ ー と 握 手 5 日 COME ON ス ネ ー ク ハ ウ ス キーパースポットガイド 「 フ ク ロ ウ の お 話 」「 キ リ ン の 給 餌 体 験 」 「おサルのお宅拝見」 11.25 日 ラ イ オ ン に な っ て み よ う ( 参 加 者 各 50 名 ) トラ舎探検 ( 参 加 者 各 20 組 ) 12 日 工 作 教 室 「 ス ネ ー ク パ ズ ル 」 ( 参 加 者 14 名 ) 19 日 愛 媛 動 物 友 の 会 6 月 例 会 「ネイチャーゲーム・飼育体験」 ( 参 加 者 98 名 ) 26 日 絵 本 の 読 み 聞 か せ (参加者 7 名) Zoo ニ ュ ー ス 上 映 (参加者 8 名) 2.3.9.10.16.17.23.24.30.31 日 ハリーと握手 2.16 日 近 く で 見 る と で っ か い ゾ ウ ( 参 加 者 各 30 組 ) 3 日 COME ON ス ネ ー ク ハ ウ ス キーパースポットガイド 「 保 護 動 物 の お 話 」「 サ イ の お 話 」 「マンドリルのお話」 9.23 日 ラ イ オ ン に な っ て み よ う ↑ インドゾウのハナ子さん、 ↑ 重いけどガンバレ! 水浴び中 ( 参 加 者 各 50 名 ) ト ラ に な っ て み よ う ( 参 加 者 各 20 組 ) 16.23 日 ポ ニ ー の 乗 馬 体 験 アフリカゾウの 運動場掃除中 → ( 参 加 者 各 20 名 ) ~ みなさん、暑い中おつかれさまでした~ 17 日 愛 媛 動 物 友 の 会 7 月 例 会 「水生昆虫観察会」 ( 参 加 者 74 名 ) 23 日 夜 の 動 物 園 5 月 3 日 ボ ン ネ ッ ト モ ン キ ー (♂ 1) 24 日 絵 本 の 読 み 聞 か せ ZO O ニ ュ ー ス 上 映 ( 参 加 者 15 名 ) 5 月 9 日 ア カ カ ン ガ ル ー (♂ 1) ( 参 加 者 20 名 ) 5 月 12 日 マ ー ラ (♂ 1) 5 月 21 日 ツ ク シ ガ モ (♂ 1) 6 月 6 日 オ ウ サ マ ペ ン ギ ン (♂ 1) 6 月 8 日 ア カ カ ン ガ ル ー (♂ 1) 6 月 20 日 キ ュ ウ シ ュ ウ ジ カ (♀ 1) 6 月 10 日 フ ン ボ ル ト ペ ン ギ ン (♂ 1) 6 月 22 日 マ ン ド リ ル (♀ 1) 6 月 14 日 イ ン ド ホ シ ガ メ (♀ 1) 6 月 20 日 イ ン ド ホ シ ガ メ (♀ 1) トヨ母さん、4回 目 の 出 産 で す 。→ 6 月 24 日 チ ン パ ン ジ ー (♂ 1) 名前は「ペペ」順 とべ動物園最初 調に育っていま のスター す。 ケン太君 → 6 月 24 日 コ モ ン リ ス ザ ル (? 1) 6 月 25 日 イ ン ド ホ シ ガ メ (♀ 1) 6 月 27 日 ニ ホ ン ザ ル (♂ 1) 7 月 2 日 キ ュ ウ シ ュ ウ ジ カ (♀ 1) 7 月 5 日 キ ョ ン ( ♀ 1) 7 月 7 日 キ ョ ン (♀ 1) 7 月 12 日 レ ッ サ ー パ ン ダ (♂ 1) 7 月 9 日 イ ン ド オ オ コ ウ モ リ (♂ 1) 7 月 14 日 マ ー ラ (♀ 1) 7 月 22 日 シ ロ テ テ ナ ガ ザ ル (♂ 1) ←リンリン母さん 3回目の出産です。 今回はひとりっ子で す。 7 月 8.15 日 ア カ カ ン ガ ル ー (? 2) 7 月 21 日 マ ー ラ (♂ 2) ラ マ (♀ 1) ニューレオマワールドアニマルパークへ搬出 7 月 5 日 マ ガ モ (♂ 4 ♀ 7 ) 日立市かみね動物園より搬入 飼育レポート Surabaya 動 物 園 よ り 新 し い 個 体 が 到 着 し ま し ☆ はじめに 当 園 で は 1989 年 以 来 シ ル バ ー ル ト ン の 飼 育 管 理 を 続 け て い ま す 。2000 年 に 搬 入 し た 雄 雌 ワ ンペアにおいて繁殖が見られ、仔は現在も順調 に生育しておりますので、その経過を報告した いと思います。 た 。 雄 (キ キ )は 1997 年 7 月 11 日 生 ま れ で 搬 入 当 時 体 重 は 1.25kg、雌 (ラ ラ )は 1997 年 12 月 4 日 生 ま れ で 搬 入 当 時 体 重 は 1.45kg と 雄 雌 共 に まだ手の平に乗るくらいの小さな個体でした。 両個体とも幼獣であり、当然低温に対する耐 性も低いものと考えられましたので、温度管理 には特に注意を払いました。しばらくの間は 0.6m×0.75m×0.75m の ス テ ン レ ス ケ ー ジ に て ☆ 飼育環境 当園のシルバールトンはモンキータウン内の サル比較舎にて飼育管理されています。サル比 較舎ではアジア、アフリカのオナガザル科及び キツネザル科のサルを飼育展示しています。飼 育 ス ペ ー ス は 寝 室 (約 3.5 ㎡ )、 パ ド ッ ク (約 6.4 ㎡ )の 2 部 屋 か ら 構 成 さ れ て い ま す 。寝 室 に は 暖 房用として各寝室専用の遠赤外線ヒーターと獣 舎内全体を暖める灯油温風ヒーターが設置され て お り 、真 冬 で も 室 内 を 約 22~23℃ に 維 持 す る 事ができます。 管 理 を 行 い 、室 温 も 23℃ 前 後 を 維 持 す る よ う 心 がけました。 搬 入 前 と 搬 入 後 の 飼 料 の 変 化 は 図 1 、2 の 通 り で す 。搬 入 後 は 、木 の 葉 (カ シ 、エ ノ キ 、ニ セ ア カ シ ア 、ア キ ニ レ 等 )と リ ー フ イ ー タ ー 用 ペ レ ッ ト を 中 心 に 与 え 、そ れ に 加 え て 野 菜 (甘 藷 、人 参 、プ チ ト マ ト 、イ ン ゲ ン 、キ ヌ サ ヤ 、セ ロ リ 、 ピ ー マ ン 等 )、果 物 (リ ン ゴ 、バ ナ ナ 、キ ウ イ 等 )、 落花生を搬入前の資料を参考にし補助的に与え ました。木の葉はカシ以外特に好き嫌いなく採 食し、特に春先の若葉などの時期は旺盛な食欲 を示しました。ただカシの葉は最初のうち嗜好 性 が 悪 く 、し ば ら く の 間 残 餌 が 目 立 ち ま し た が 、 ☆ 新規個体の搬入、管理 1989 年 の 飼 育 開 始 以 降 、 93 年 に は 自 然 繁 殖 に 成 功 し ま し た が 、 そ の 後 雄 雌 共 に 死 亡 し 99 年 に は 当 園 生 ま れ の 雌 (マ ヤ )1 頭 を 残 す の み と なりました。そこで新規個体を搬入し繁殖を目 指すこととなりました。 2000 年 10 月 21 日 、 イ ン ド ネ シ ア の 成長するにつれよく食べるようになりました。 2001 年 の 6 月 下 旬 よ り キ キ 、 ラ ラ と マ ヤ の 同居訓練を開始しました。まだキキ、ララとマ ヤの間にはかなりの体格差があったので、十分 な時間をかけ慎重に実施した結果、心配された 闘争や個体の採食不良など目立ったトラブルも 見られず同居に成功することができました。 表1.新規搬入個体来歴 性別 生誕地 生年月日 キキ ♂ インドネシア Surabaya 動 物 園 1997 年 7 月 11 日 1.25kg ララ ♀ インドネシア Surabaya 動 物 園 1997 年 12 月 4 日 1.45kg ☆ 繁殖にいたる経過 体重 (来園時) て い ま せ ん で し た が 、9 月 15 日 に 出 産 し て い る 2003 年 の 1 月 14 日 に 初 め て 個 体 間 (キ キ ×ラ のを確認しました。出産直後は抱き方も安定せ ラ )に マ ウ ン ト が 見 ら れ ま し た 。そ の 後 し ば ら く ず 心 配 さ せ ら れ ま し た が 、出 産 後 1 週 間 も す る の間はキキ、ララ間に性行動と思われる行動は と仔の取り扱いにも慣れたのか抱き方も安定し 特 に 観 察 さ れ ま せ ん で し た が 、 2003 年 の 6 月 て き ま し た 。 授 乳 は 17 日 に 確 認 さ れ 仔 の 性 別 より定期的にマウントが観察されるようになり は雌でした。ララの出産についてはキキ、マヤ ました。ララは5歳になっておりこの頃性成熟 の仔に対する干渉が心配されましたが、両個体 を 迎 え た と 考 え ら れ ま す 。2003 年 の 12 月 に な ともほとんど仔に無関心でララも育児に専念で るとキキ、マヤとの間にもマウントが観察され きている様子でした。このことからマヤの仔の る よ う に な り 、 12 月 31 日 、 1 月 4 日 、 2 月 9 死亡は、出産によってパニックに陥ったマヤが 日にはキキ、マヤ間で、3 月の 4 日、5 日には 仔を攻撃したものと思われます。 キキ、ララ間で交尾が確認されました。 その後しばらくの間マウント等は観察されま ☆ 仔の成長経過 せんでしたが、7月の下旬になるとマヤの乳首 誕生直後仔はオレンジがかった金色をしてお がやや腫脹しているのが観察され妊娠が予想さ り、地味な親の色とは対照的でした。仔は結構 れました。 活 動 的 で 、 生 後 23 日 目 よ り 母 親 よ り 離 れ 単 独 8 月 28 日 朝 、マ ヤ が 出 産 し て い る の を 確 認 し でいる事がよく観察されるようになりました。 ましたが、仔は床上に落ちておりすでに死亡し 成長過程での体色の変化を記録するために、週 ていました。胸、脇下、背部に咬傷があり、解 に 1 度 の 写 真 撮 影 を 行 い ま し た 。 生 後 45 日 頃 剖を行ったところ右肺後葉に損傷が確認されま より顔面の色がやや黒っぽくなる変化が見られ、 し た 。 体 重 は 490g で し た 。 その周囲の体毛も少し黒っぽく変化し始めまし 3月に交尾が確認されていたララは外見上体 た 。 生 後 60 日 頃 に な る と 頭 部 の 毛 に 灰 色 の 毛 型の変化等はほとんど感じられず妊娠は予想し がごま塩状に混じるようになり、体も全体的に く す ん だ 感 じ に な っ て い ま す 。 生 後 90 日 に は 頭部はほぼ灰色に変化し、体にも灰色の毛が混 じ る よ う に な り ま し た 。生 後 120 日 に は 体 全 体 がほぼ灰色となり、金色の体毛は顔面の周囲に その名残を少しだけ見ることができる程度にな りました。この頃初めて固型物を採食している のが確認されました。 ↑ 生後22日齢 ↑ 生後4日齢 ↑ 生後63日齢 ↑ 生後127日齢 ↑ 生後14日齢 ☆ 考 察 8月末に誕生した個体については、ある程度 今回のシルバールトンの繁殖に成功した要因 妊娠が予想されていたにもかかわらず誕生直後 は何点か挙げられると思いますが、第一に環境 に死亡させてしまい、非常に残念でした。交尾 への馴致を慎重に行った事が考えられます。搬 は確認していましたが、その個体の発情兆候を 入 の 時 期 が 10 月 下 旬 と い う 冬 を 迎 え る 前 で あ つかんでいなかったため、最終交尾が特定でき ったため、温暖な気候で育った個体にとっては ず、出産予定日を確定できなかったことが原因 あまりよい条件とはいえませんでした。また搬 だ と 思 い ま す 。今 後 は 日 常 の 綿 密 な 行 動 調 査 や 、 入された個体が非常に若く、体の抵抗力が低い 個体別の尿検査による潜血反応で発情周期がつ 事が予想されたのでなおさら温度管理には神経 かめるかどうかの調査などが必要だと感じまし を使いました。また狭いケージでの管理が大き た。 なストレスの原因になるのではないかと心配し 1993 年 以 来 ほ ぼ 11 年 ぶ り に シ ル バ ー ル ト ン ましたが、単独ではなくペアで管理した事がス の繁殖が見られたことは非常に喜ばしいことで トレスの緩和になったのではないかと思います。 した。ただ、今回誕生した個体も順調に成長す 次に飼料ですが、最初の内こそ嗜好に少し偏 れ ば 5 ~6 年 後 に は 性 成 熟 を 迎 え ま す 。 ラ ラ 、 りが見られたものの成長するにつれ与えたもの マヤの第2仔出産も十分に予想されます。限ら はほとんど採食するようになった事が順調な生 れた空間で飼育管理を続ける以上、今の内から 育を促したと言えるでしょう。彼らは1日のう バースコントロールや個体の移動計画を立てて ち3割以上の時間を採食に費やすと言われてお おく必要もあるでしょう。 り 、日 中 多 量 の 木 の 葉 を 与 え る よ う に し ま し た 。 幸い園内には彼らが好む種類の木が多く、確保 ☆ 終わりに に苦労することはありませんでした。中でもエ 今年の4月よりサル比較舎の担当を離れるこ ノキの葉は嗜好性が非常に高く、春から秋にか ととなりました。先日しばらくぶりにシルバー けての主要な給餌品目の一つとなっています。 ルトンの様子を見に行ったのですが、仔は今で 給餌した木の葉の嗜好性については、表2に示 は完全な親のミニチュアという感じでした。小 しました。 ザルらしく活発に舎内を動き回りお転婆ぶりを 発揮していました。 表2.木の葉の嗜好性について 名称 科別 嗜好性 気 が つ け ば 10 年 の 長 き に わ た り サ ル 類 の 飼 育を担当してきました。平成7年、当時生まれ シラカシ ブナ科 ◎ たばかりであった我が豚児が今では小学5年生 アラカシ ブナ科 ○ になっているのを見ると長かったなぁと感じま マテバシイ ブナ科 △ エノキ ニレ科 ◎ アキニレ ニレ科 ◎ す 。 こ の 10 年 間 様 々 な で き 事 が あ り 嬉 し か っ たこと、悲しかったことなどが脳裏によみがえ ってきます。最後にシルバールトンの繁殖と、 その場所に居合わせる事ができたことは幸運で した。 サクラ バラ科 ○ クワ クワ科 △ 心 機 一 転 、次 は 新 し い 環 境 で ま た 皆 さ ん に「 飼 育 レ ポ ー ト 」を お 届 け で き る よ う に 頑 張 り ま す 。 シトラスは2002年6月19日に生まれた男の子です。この頃は群れの数が少なく不安定だっ たため人工育雛になりましたが、その後の環境整備により今では自然育雛によりたくさんの雛が 生まれ育っています。 シトラスは担当キーパーの大声に反応して鳴いてしまうそうです。それにつられて他のペンギン も鳴いてしまうとか・・・。 これらは、土の中や草、麦の刈り跡の中にい た昆虫やカエルなどが、土を掘り起こされるこ とによって飛び出したところを、捕食している ものと思われます。トラクターに乗っている人 田んぼは生き物の宝庫 6月初め、乾いた田畑にいっせいに水が入れ られます。いよいよ田植えの準備です。あたり 一面、広大な湿地が広がり、見た目にも涼しげ になります。生き物たちもこの場に集まり、田 んぼは生き物の宝庫になります。 今回は、松前町大間の田んぼで、観察された 生き物を中心にご紹介します。 間を全く恐れていないのですから、微笑ましく も見えます。アマサギやコサギ、ムクドリなど が常連なのですが、最近ではカラスも集まって くるようになったと、農家の方が言っておられ ました。 田植えが終わって間もなくすると、夜間「コ オッー、コオッー」と言う鳴き声が聞こえてき ます。この鳴き声の正体がタマシギです。 この鳥は、オスが抱卵から育雛までを行うと ↑ 田んぼに集まるサギ類 いう変わった鳥です。ですから、多くの鳥と違 い、オスの羽の方がメスよりも地味で、夜間に 「コオッー、コオッー」と鳴いていたのもメス なのだそうです。声はすれどもなかなか見るこ と の で き な い こ の 鳥 で す が 、 今 年 は 19:00 過 ぎ に、稲の株の間に番を観察することができまし た。田んぼ周辺の畦や草地に巣を作り繁殖する ので、しばしば巣やヒナが動物園に保護されて くることもあります。 トラクターを追いかける鳥 鳥たちは、農繁期に入る気配を敏感に察知し ます。まだ水を溜める前の田起こしの時から、 表 1) 田 植 え 時 期 に 見 ら れ る 鳥 類 目 科 種名 ゴイサギ あるいは代掻きのトラクターの後ろに引っ付い て、何かを食べています。誰が呼んだでもない アマサギ のに、いつの間にか集まってくるのは不思議だ と思いませんか?農作業の予定など知るはずも コウノトリ サギ ないのに・・・・ ダイサギ チュウサギ ↑ トラクターを追うアマサギ コサギ チドリ タマシギ タマシギ ツバメ ツバメ ハタオリドリ スズメ ムクドリ ムクドリ カラス ハシボソカラス スズメ 生きている化石 水を張った田んぼの一番の変化は、水中の小 さな生き物に見ることができます。その主はカ 読んでみてください。私も大変勉強になりまし た。 カエルのこと ブトエビ。その祖先が2億3千万年以上も前の 田んぼで、カエルが鳴くのはごく当たり前の 古生代にいた三葉虫の初期のものといわれ、形 ことなのですが、最近では減っているようです はそのころからほとんど変わっていないのだと ( 多 く の 農 家 の 方 が 言 っ て い ま す 。)今 年 は 、注 のこと。乾燥に耐えてきた卵が、5月末~6月 意してカエルの鳴き声を聞いたのですが、松前 初 め 、水 温 20℃ ほ ど の 水 の 中 で 次 々 と 孵 化 、田 町大間周辺(きちんと圃場整備された田んぼ) んぼは、カブトエビでいっぱいになります。多 では、結局ツチガエルの鳴き声はきこえません くの肢で水底を這いまわり、泥に穴を掘って産 でした。ヌマガエルとアマガエルの鳴き声は聞 卵する習性があることなどから、雑草の幼芽を くことができました。ただ、本当に激減してい 浮き上がらせることが知られています。昔から るか? 田の「草取り虫」と呼ばれていたそうですが、 る時の調査がなされてない現状では、はっきり 私が育った地方では見たこともなく、初めて見 言えないのです。改めて普通にいる種の調査や た時は子どものように興奮してしまいました。 観察記録を残す必要性を感じています。 いついなくなったか?などたくさんい 鳥たちの餌としてもずいぶん食べられているよ うで、アオサギの巣の下に大量に落ちていたこ ともあります。 やっかいものもいるよ 写 真 は 、ス ク ミ リ ン ゴ ガ イ( ジ ャ ン ボ タ ニ シ ) の卵です。この種は、外国から持ち込まれたも ↑ ホウネンエビ の で( 外 来 種 )、稲 の 小 さ い う ち は 食 べ ら れ て し まうこともあり、農家の方が手作業で駆除をし ています。 ↓ スクミリンゴカイの卵 今年はカブトエビ以上に、無甲目に分類され る、ホウネンエビ、貝甲目に分類される、カイ エビが大量発生しています。 ホ ウ ネ ン エ ビ は 、カ ブ ト エ ビ と 同 じ 甲 殻 類 で 、 ほぼ同じ生活史を繰り返しますが、体が細長い ことや背甲を持たないこと、体が黄緑色に見え その他、夕方になると飛び回る、イエコウモ ることなどが特徴です。大発生の年は豊作であ リ、時々見かけるスッポン、水面を泳ぐシマヘ るという言い伝えが、この名前の由来です。 ビなども田んぼを利用して生きています。 一方、カイエビは、左右2枚の甲殻におおわ 今回、観察したところは、圃場整備のされた れてまるで貝のようです。この種は、日本固有 大きな田んぼが多い場所です。山間部の棚田の の種なのだそうです。これら、田んぼの生きて ような場所に行くとまた生物相が異なるのでは いる化石たちのことをさらに詳しく知りたい方 ないかと思います。いろんな条件の場所を調べ は 、秋 田 正 人 著「 カ ブ ト エ ビ 」 ( 自 然 史 双 書 )を てみると面白そうですね! どうぶつ達の治療紹介 ○ ヒ マ ラ ヤ グ マの両後肢機能不全 ← ヒマラヤグマのイリコちゃんは、ある日突然 おいしいジュ ースに混ぜて 薬を飲みます 両方の後ろ肢が立たなくなってしまいました。 ご飯を食べるときも前足の力だけで後ろ足を引 きずるように歩いています。春は、クマ達にと っても恋の季節。一緒に暮らしているハチくん の激しい求愛のために怪我をしてしまった可能 肢 が 動 か な く な っ て か ら 約 10 日 後 左 肢 が 少 性があります。まず、後ろ肢が動かなくなって し 動 く よ う に な り 、約 1 ヵ 月 後 な ん と か 立 っ て しまった原因を探るために、麻酔をして眠って 歩けるようになりました。早く元気になって広 いる間にレントゲンを撮ることにしました。 いところで走り回ってほしいと思います。 ○ イエウサギの皮膚糸状菌症 ウサギさんのお腹にフケがたくさん出ている ← 麻酔で眠って います ようなのでよく見てみると、その部分は毛が円 形に抜けています。これは、真菌である皮膚糸 状菌が皮膚に感染したものであると考えられま した。真菌は、カビの仲間で人の水虫のような ものです。 ← ← 骨折や脱臼は なく、骨に異 常はないよう です 丸い脱毛があ ります レントゲンを撮ろうとしたのですが、なんせ ← 厚い脂肪と筋肉で守られた彼女の体。なかなか 糸状菌をやっ つける薬を飲 んでいます うまく撮ることが出来ず、結局透視撮影でよう やく骨を確認することができました。幸いなこ とに、骨折や脱臼はなく、おしっこやウンチも きちんと出しているようです。 その後、痛み止めや抗生剤を注射し、現在は ビタミンB剤を飲んでもらっています。 早期発見だったおかげで完治し、きれいな毛 も生えそろっています。 森岡 沙苗 森川 由加 新緑のまぶしい5月、1人の女性キーパーが 「 と べ Zoo」 を ご 覧 の 皆 さ ん 、 こ ん に ち は 。 教育衛生係に配属されました。専門学校での勉 さて、今回ご紹介するのは何事にも全力投球が 強を終えたばかりの森岡沙苗さんです。彼女は モットーの森川由加さんです。森川さんは今年 動物に対する知識も深く、とても頼りになるお の4月から教育衛生係のリスザル担当として働 姉さんって感じです。 い て い ま す 。 「な ん だ ぁ 、 リ ス ザ ル か ぁ 。 」と 思 沙苗さんは無類のネコ好きさんです。実家に ったあなた、認識が甘いですよ。当園のリスザ はチョビちゃんという名前のネコがいるそうで ル舎はとても大きくて、その中をすばしっこく す。何でも沙苗さんの愛情表現には、チョビち 行動するリスザルを一頭一頭認識し、その健康 ゃんの耳をなめるというのがあるそうですよ。 状態を見極めるのは傍からは想像できないほど 一般の人には理解できない行動かもしれません とても大変なことなんです。毎日リスザルと戯 が、彼女にとってはこれが愛なんですね。 れながら彼らを見守る姿はまるで若いお母さん 沙苗さんの印象としては、動物にたとえるな の よ う で す ( 現 在 23 歳 の 彼 女 を お 母 さ ん な ん ら美人系のネコ科動物だなぁと思っていたので て呼ぶと怒られるかもしれないから、本人の前 (これはお世辞じゃないんですよぉ)ネコ好き で は い わ な い で ね )。 と聞いたときには妙に納得した覚えがあります。 また、 彼女は大学時代、ウインドサーフィン部に所 属していたとか。しかし4年間サーフィンをし ネコ科動 ていたけど、 物顔負け 腕前の方は の運動神 聞かないで 経を持っ ほしいとの ている沙 ことでした。 苗さんは いやいやご 動物園の 謙遜、何事 ソフトボールチームにも入っています。当然マ にも全力で ネージャーではなく選手として、男性と一緒に 打ち込む彼女のこと、セールいっぱいに風を受 プレーされております。1度試合の応援に行っ け波間を疾走する姿が目に浮かびます。 たことがあるのですが、ソフトボールとは名ば 彼女をアウトドアな人だと思ったあなた、実 かりで、本当に迫力あるボールが飛び交ってい はそれだけではないんです。休みの日などは専 ます。そんな中、セカンドを守る姉さんの姿は ら家で読書をして過ごすというインドア派でも 本当にかっこよかったです。 あるのです。本が好きな彼女のおすすめは林真 そんな沙苗姉さんの担当動物はウサギ・モル 理子さんの本だそうですよ。 モット。毎週土、日曜日にはかわいらしいウサ そんな彼女に確実に会えるのが毎週土、日曜 ギ・モルモットを選りすぐって、ふれあい広場 にあるウサギ、モルモットのスキンシップ。毎 で姉さんは待ってますので、ぜひぜひ会いにい 週土曜日のポニーの乗馬イベントでも会えるの きましょう☆ で、この記事を読んだあなた、いますぐふれあ い広場へ急げ! 住 〒 所 TEL 氏 フリガナ 名 職 業 会員番号 ア ○○○ ン ○○ ー ○○○ ア ○→○○ ツ ○→○○ マッコウクジラ→○ ○ ン ○○ ヒ ○→○○○ カ ○→○○ ン ○○ テ○ ー○ ○○ カ○ ケ ○→○○ カ○ ン ○→○○○ ト○ ○○○ ロ ○○ ナ ○○ ン ○→○○○ ア ○○○ ン ○○ ー ○○○ ア ○○○ ン ○○ ー 答え ○○○ Vol.17-1 <前回の答え> アメリカバク→クロサイ→インドゾウ クイズ正解者 今回は4名の方が正解でした。 答えを送ってくれた皆さん、 ウサギ→ギニアヒヒ→ヒバカリ リードバック→クロクモザル→ルリビタキ キノボリヤマアラシ→シマハイエナ ナイルワニ→ニホンザル どうもありがとう。 ★会員番号 143-3 宮内希美恵 さん ★会員番号 116-3 稲森 さん 翼 ★会員番号 102-3 和田健太郎 さん ★会員番号 114-5 木林 さん 応 募 要 幹 領 読者投稿用紙のクイズ解答欄に答えを 答え ニホンザル 記入して郵送するか、メールでお便り 下さい。締め切りは、9月30日です。
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