平成20年度 - 岡山大学 教育開発センター

【 F D 部 門 】
F
D
委
員
会
FD委員会委員長
佐 々 木 健 二(薬学部)
1
FD委員会の役割
・教養教育,専門教育,大学院教育の授業内容・方法の改善および開発に関すること。
・大学教育に関するセミナー,講習会および教員研修の企画・実施に関すること。
・その他大学および大学院教育の改善に関し必要な事項に関すること。
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平成20年度の活動について
(1) 全 体
○定例委員会を10回開催した。
○各委員の分担,およびワーキンググループ(WG)の検討課題は以下のとおりとした。
○委員長:佐々木,副委員長:橋本
○勉学環境WG:桑原(座長),石田,越智,久保田,三浦,上村,富永
学生の勉学環境改善,成績評価のありかた,GPA 制,出席率,予習復習状況,留年,
アカデミックアドバイザー
○教授法開発WG:中塚(座長),京,田近,越智,三浦,田口,辻
桃太郎フォーラム(全学FD研修会),新任・転入教員研修会,ティーチングチップス
○授業評価アンケートWG:井上(座長),橋本,京,田近,西垣,栗原,高柴
学部教育における学生授業評価アンケートの実施方法,結果の分析・公開・活用,
アンケート入力・回収方法の改善,教員によるピアレビューの実施
○大学院WG:多屋(座長),石田,久保田,田口,富永,栗原,高柴,辻
大学院教育におけるFD,授業評価アンケートの実施方法,ピアレビューの実施
○学生教職員教育改善委員会連携:天野(教員側座長),橋本,上村
○広報専門委員会連携:天野
○FD委員会広報・ホームページ管理者:天野
○事務委員:石井
(2) 勉学環境について
○昨年度まで検討を重ねてきたGPA制度が4月から実施となった。対象は、本年度入学
の学部生及び大学院生である。FD委員会では、GPAの実施を前にして各学部・研究
科に対して制度の趣旨や内容について広報し、各教員が本制度について十分に理解した
うえで成績評価や学生指導を行うことができるように努めた。また、新入生に対しては
パンフレットを配布するなどして本制度についての説明を行った。
○GPA制度の運用開始にあたり、各学部・研究科に対しては、本制度の適切な運用に努
めるよう促すとともに、修学指導にあたって本制度を効果的に活用することをアカデミ
ック・アドバイザーに周知するように依頼した。
○GPA制度の機能充実と学習支援のための効果的な利用方法の検討に年度当初から取り
組むとともに、厳格な成績評価を保障するためにGPA制度を活用する具体的な方法の
解明に努めた。
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○桃太郎フォーラムにおいて、単位の実質化を目指し、学生の授業時間外の学習を促進す
る方法について意見交換を行った。
○受講人数と授業形態と授業評価アンケートの結果の関係について、データに基づいて検
討を行い、授業形態ごとの最適な受講人数の目安を提案した。
○各学部・研究科に対してGPA制度の活用の仕方についてアンケート調査を行い、今後、
GPA制度を充実させていくための方策について検討した。
○教養科目の学科目部会に対して、岡山大学の基本目標を達成していくためにはいかなる
課題を解決していくべきかを明らかにした。
○オフィスアワー制やアカデミック・アドバイザー制についてのアンケート調査を各学部
・研究科に対して行い、両制度を今後どのように改善していくかに関する提言を行った。
○対話と議論を重視した授業の導入を促すための方策について検討を行い、ティーチング
・チップスに反映させるようにした。
○シラバスの目標及び成績評価の欄の記載方法について各学部・研究科に対するアンケー
ト調査の結果に基づいて検討を行った。
(3) 教授法開発について
○2008年度第1回「岡山大学新任,転入教員FD研修会」を企画・立案。平成20年5月21日(水)。
14:00~16:00,自然科学研究科棟2階大会議室。31名参加。研修会の模様をDVDに録画
し,各学部の教務係を通じて教務委員会(FD委員会)に配布し,参加できなかった新任
・転任教員等に周知。
○岡山大学教員研修「桃太郎フォーラムXI」を企画立案。平成19年9月12日(金)。五十周年
記念館及び一般教育棟D棟。第11回目のフォーラムはFDの原点に返り「受けたい授業を創
る:教授法改善のヒント」とのテーマのもと174名が集まった。各自が授業応答システム
「クリッカー」を手に,北海道大学の鈴木久男先生の模擬授業を受講。岡山大学の橋本
勝先生からは,橋本メソッド(大人数におけるチーム制本格討論型授業)の極意に関す
る解説。
○岡山大学におけるe-ラーニング活用に向けて,9月14日に開催された「桃太郎フォーラム
XI」の分科会「大規模授業における双方向確保の工夫」及び「学生の授業時間外学習へ
の支援」においてIT活用教育委員による話題提供を依頼。
○大学院授業評価アンケート作成に向けて,9月14日に開催された「桃太郎フォーラムXI」
の分科会「大学院はいま何を求められているか?」にて討論。来年度の完成に向けて検
討中。
○単位制度の実質化に向け,授業時間外の指導体制や学習環境の整備充実を図るため,9
月14日に開催された「桃太郎フォーラムXI」の分科会「学生の授業時間外学習への支援」
にて討論。
○12月4日。学務部小会議室。e-ラーニング活用に関して,FD委員とIT活用教育委員とが討
論。
○第2回「新任・転入教員FD研修会」を開催。平成20年12月11日(木)13:30~15:40,場
所:大学会館1階第3会議室,参加者:23名。
○「ティーチングティップス」の簡易冊子版を,5月21日開催の第1回「新任・転入教員FD
研修会」ならびに12月13日開催の第2回「新任・転入教員FD研修会」の資料に供した。
○各学部におけるFDの取り組みをより積極的に推進するため,岡大版「ティーチングティ
ップス」の普及を促進する方策を検討中。
○「授業形態ごとの最適受講者数の指標」,「授業時間外の学習を促進する方策」,「成
績評価の厳密性」などに関する勉学環境WG,当WGの提言に沿って岡山大学版ティーチン
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グチップスを充実したものに改訂中。
○2009年度第1回「岡山大学新任,転入教員FD研修会」を企画。
(4) 授業評価アンケートについて
○学部・部会における専門教育科目及び教養教育科目の全科目を対象に,前期・後期とも
学生による授業評価アンケートを実施した。
○平成 19 年度に授業評価アンケート自由記述のウェブ化を平成 20 年度より実施すること
が決定されたことを受けて、平成 20 年度前期から実施した。
○授業評価アンケートの数値評価の部分をマークシートから Web 化への変更について,基
本方針、問題点を提起した後,他大学における実施状況も調査し,関連各部局の意見を
求めたが,関連部局の意見をもとに実施を当面見送ることとした。
○平成 19 年度後期分授業評価アンケートの分析について,各学部・部会に依頼し,回答を
得た後,学部・部会における同年度前期・後期分のアンケート結果とその傾向を,過去
5 年分を含めてとりまとめ,それに基づいて,平成 20 年度前期分の分析を各学部・部会
に依頼した。
○授業評価アンケートの信頼性について委員会において検討し、提言としてまとめた。
(5) 大学院について
○大学院最終年次学生を対象に、授業時間外の学習に係る調査に加えて大学院課程での成
果や満足度を問うアンケート調査を1月に実施した。2月末の回答期限後、速やかに調
査結果を分析する予定である。
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平成21年度への課題について
(1) 委員会活動全般について
○これまで実施してきたFD活動のほとんどを継続して実施していくと共に、各WGが行
った検証、提言に基づいた種々のシステムの改善も行っていく必要がある。そのための
実施体制については、WGの再編成の検討及び副WG長制の導入も必要であると考え
られる。
○昨年、中央教育審議会から答申された「学士課程教育の構築に向けて」を受けて、本学
における学士課程教育の構築を本委員会が中心となって具体的に進める必要がある。
(2) 勉学環境について
○GPA制度が実施されて一年が経過することから、20 年度のデータを活用して、本制度
の運用上の問題点を明らかにする必要がある。また、GPA制度を修学指導に効果的に
利用する具体的な方法を提案しなければならない。
○本年度明らかにした教養教育の実施体制に関わる課題を解決するための方策について、
具体的に検討する必要がある。
○教養教育と専門教育の関連を明確にする必要がある。
(3) 教授法開発について
○「岡山大学新任,転入教員FD研修会」では,従来の一般的なFD以外にも,学生へのメン
タルケアの問題,アカデミックハラスメントの問題,カルト集団による学生勧誘の問題,
大麻などの薬物使用の問題など,多彩なテーマでの研修が必要な事態となっている。
○「岡山大学新任,転入教員FD研修会」,「桃太郎フォーラム」などの研修会を,DVD録画
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のみではなく,e-ラーニング用にコンテンツ化するなどの方策を行い,参加者の固定化
を防ぎ,新しい参加者を掘り起こすよう努めていく必要がある。
○Web版,冊子版ティーチングチップスを利用する教員を増加させるための方策を行う必要
がある。
○「授業形態ごとの最適受講者数の指標」,「授業時間外の学習を促進する方策」,「成
績評価の厳密性」などに関する提言の有効性を検証し,さらに検討を重ねるべきである。
○大学院における教授法の開発を促進し,研修会開催も検討する必要がある。
(4) 授業評価アンケートについて
○学生による授業評価アンケートの質問項目について見直しを行う必要がある。
○授業評価アンケート結果を基に相関調査を実施し、アンケートの信頼性の検証を行う必
要がある。
(5) 大学院について
○昨年度実施した、大学院最終年次学生を対象とした授業時間外学習や大学院課程での成
果や満足度を問うアンケート調査の分析をする必要がある。
○大学院独自の「学生による授業評価アンケート」項目を検討し、早急に実施する必要が
ある。
○大学院ピアレビュー推進のために必要な具体策を検討する必要がある。
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