平成25年度2学期終業式 あいさつ 平成 25 年 12 月 24 日 おはよう

平成25年度2学期終業式
あいさつ
平成 25 年 12 月 24 日
おはようございます。
寒い日が続いています。この冬も例年より寒い日が続く予想が出ています。お正月を挟
んで生活リズムが崩れやすい時期です。体調管理には十分気をつけてください。
さて、みなさんは2学期を振り返ってどうだったでしょうか。
3年生は長尾高校での生活も残すところあと1カ月です。最後の最後まで充実した学校
生活を送ってほしいと思います。そして進路については多くの人が決まっていますが、ま
だこれから試験という人もいます。みんなが自分の進路を実現できるよう協力してほしい
と思います。そして後輩の皆さんに良き伝統を引き継いでください。
2年生はいよいよ進路について具体的に考え、そして準備するときが来ました。3年生
になったとたんに進路の取組みが続き、あっという間に夏になってしまいます。過ぎてし
まった時間は取り返せません。今から十分に心づもりをしてほしいと思います。
1年生はここにきて、もう一度入学した時のことを思い出し、長尾高校でやろうとした
ことができているか振り返ってほしいと思います。もし、できていなかったと感じたなら、
今一度目標にむかって決意を新たにしてほしい。
言うまでもないことですが、成績がよくない人は最後の挽回のチャンスです。新しい年
を迎えるにあたってしっかり決意してください。
長い2学期でしたが、ここにきて気になることがあります。一つは朝、下足室前でみん
なを迎えていると、やはり最近遅刻が多いように思う、寒くなって、出かける準備に時間
がかかっているのかもしれませんが、ギリギリに来ている人はせめてもう 5 分早く家を出
るようにしてほしい。
また、みんなの授業を受ける様子を見させてもらったところ、集中力に欠けたり、理解
するのをあきらめかけている人がいます。やれば必ずできるはず。先生の話を聞いていれ
ば十分理解できるものを、そのときに集中していなかったりして、あとから自分の都合で
先生に聞いたりしている。最初のボタンをかけ違ったために、このずれがいつまでもつづ
き、結局よくわからないとなっていないでしょうか。まずは授業の 50 分間を大事にして
ほしいと思います。
次に 2013 年を終えるにあたり一つの歴史と言葉を取り上げたいと思います。これは偶
然にも英語の教科書にも取り上げられていたことです。
12 月に入って南アフリカのネルソン・マンデラさんが亡くなったというニュースが世
界中を駆け巡りました。ネルソン・マンデラさんは、かつて南アフリカでヨーロッパ系白
人が地元アフリカの黒人を支配するために作った、
「アパルトヘイト」という人種隔離政策
の撤廃を求めて闘った人です。政治犯として逮捕され終身刑により27年間も獄中にあり
ましたが、アパルトヘイトを非難する世界中の声に押されて 1990 年に釈放されました。
4年後に初めて行われた全人種参加の選挙で、新生南アフリカの大統領に選ばれました。
そのマンデラさんの追悼式典で、アメリカのバラク・オバマ大統領は、
「マンデラさんに
ついて学んだことが、マンデラさんには及ばないが、私の生き方の模範であり、きっかけ
となった」と述べました。オバマ大統領はアメリカ合衆国史上初の黒人、すなわちアフリ
カにルーツを持つアメリカ人の大統領です。
世界史上初めて「人間の自由と平等」の理念を書いた憲法を制定したアメリカ合衆国に
おいても、黒人(アフリカ系アメリカ人)が平等の権利を得るまでには長い時間がかかり
ました。
今から150年前の1863年にリンカーンが「奴隷解放宣言」を出したのちも、アメ
リカの黒人はひどい扱い、差別をうけてきたのですが、同時に「自由と平等」市民的権利
を求める運動も続けられてきたことは世界史などで知っていると思います。
そしていまから50年前の1963年、すなわち奴隷解放宣言からちょうど 100 年後
にいわゆる「黒人公民権運動」が盛り上がりました。その年、首都ワシントンで 25 万人
の大観衆を前に運動の指導者マーティン・ルーサー・キングさんが行った有名な演説があ
ります。それが「私には夢がある」という有名な演説です。英語で語られる20世紀でも
っとも有名な演説です。少し引用します。
「 I have a dream. That my four little children will one day live in a nation where
they will not be judged by the color of there skin but by the content of their
character. I have a dream today ! 」
「私には夢がある。私の四人の幼い子どもたちが、いつの日か肌の色ではなく、人格その
ものによって評価される国に住めるようになるという夢です。 私には、今日、夢がある!」
「私には夢がある。」 この一言で、アメリカの社会は大きく変わり始めました。そして
今のオバマ大統領につながっているのです。この演説は今でもインターネットなどで聞く
ことができます。もし機会があればぜひ聞いてみてください。
このように言葉には力があります。英語や国語の授業の時間は、学校の勉強にそういう
科目があるからとか、単にテストに必要だから、受験に必要だからではなく、皆さんが勉
強することによって、自分の気持ちを相手に伝え、あるいは多くの人に伝えたり、表現す
る道具を手にしようとしているのだということを言いたくてこのような話をさせてもらい
ました。ではいい正月を迎えてください。