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映画「X-men」とアメリカの公民権運動

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映画「X-men」とアメリカの公民権運動
■ 映画「X-men」シリーズ
原作はコミック。1963 年に、原作スタン・リー、作画ジャック・カービーによる『X-Men #1』で初登場した。
2000 年現在で 4 億部以上が出版され、アメリカン・コミック史上第 1 位のベストセラーとなっている。
X-メンは、突然変異によって超人的能力を持って生まれたミュータントの集団である。ミュータントは普通
の人間からは嫌悪されており、社会から排除されようとしている。ミュータントへの偏見と、将来取って代わら
れるのではないかと、人間達から危惧されているためである。この状況は、一部のミュータントによってさらに
悪化している。幼い頃から差別を受けてきたマグニートーなど、超人的能力で人間社会を支配しようとする
ものが現れたのだ。これに対抗するのが、プロフェッサーX ことチャールズ・エグゼビア教授が結成した X-メン
である。X-メンは、自分たちを忌み嫌う人間たちを守るために戦い続ける。
■ アメリカ社会の背景
ミュータントと一般の人間の紛争は、ユダヤ人、アフリカ系アメリカ人、社会主義者、LGBT などの、アメリカ
でのマイノリティたちが経験したことだといわれている。1963 年はちょうど、20 万人以上の人びとが人種差別
撤廃を求めて参加したワシントン大行進が行われた年でもある。
この物語の根底には、公民権の問題が潜んでいる。ミュータントは迫害を受ける人種的・宗教的マイノリテ
ィの暗喩であると見られることがある。プロフェッサーX はアフリカ系アメリカ人の公民権運動の指導者、マー
ティン・ルーサー・キング・ジュニアに、マグニートーはマルコム X に喩えられる。 またマグニートーはホロコー
ストの生き残りであり、反ナチス・ドイツのメタファーとされる(映画三作目の『X-MEN:ファイナル ディシジョン』
では、マグニートーにナチス強制収容所番号が刺青されている)。
映画では、ミュータントの一部は、公民権運動の指導者たち同様、自分たちの地位改善のために立ち上
がるのだが、このとき、権利獲得のために過激で攻撃的になるタイプと、平和的に共存を考えるタイプとに分
かれる。前者の指導者が、ミュータントの能力を使って自分たちを迫害してきた人間を支配しようと目論むマ
グニートー、後者が、X-MEN を組織して人間を守り、いつの日かの共存を目指すエグゼビア。
1960 年代アメリカの代表的な黒人運動の指導者としてキング牧師とマルコム=X の名が挙げられる。
前者が白人と黒人とが手を取り合うこと(人種統合)を目指したのに対し、後者は黒人が白人社会と訣別
し独立すること(人種分離)を訴えた。
マルコムは「白人は悪魔だ」と説き、黒人は白人と一緒にいるかぎり平和に暮らすことはできないと主張し
た。自分はアメリカ人である前に黒人であるという意識が強かったマルコムは、黒人に決して関心を持とうとし
ないアメリカという国に興味はなかった。マルコムが唱えたのは完全な人種分離であり、公民権運動を指導
するキングを「白人に迎合するアンクル=トム」だと激しく非難した。キングが白人社会に自らを合わせようと
したのに対し、マルコムは「黒は美しい」と叫び、黒人民族主義を訴えたのである。
マーティン・ルーサー・キング・ジュニアはアメリカ合衆国のプロテスタントバプテスト派の牧師である。キン
グ牧師の名で知られ、アフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者として活動した。「I Have a Dream」(私には
夢がある)で知られる有名なスピーチを行った人物。1964 年のノーベル平和賞受賞者。
あなたが X メンだったら(自分がマイノリティの立場をもち、迫害を受けたり、社会から排除されようとしたとき
に)、協調主義をとるか、分離主義をとるか、どちらでしょうか。
なぜ、このような闘いの方法論(戦略・戦術)の違いが生まれるのでしょうか。それぞれの背景と違いについ
て考えてみましょう。
私たちの社会の問題について一つ取り上げて、自分なりの運動の取り組み方について考えてみてください。
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