2013 年 7 月（第 13 号） 中国ビジネスニュース 中国ビジネスニュース 編集： 編集：香川県上海ビジネスサポーター 香川県上海ビジネスサポーター 川田真理子 今月の注目トピックス 注目トピックス ■ 中国の 中国のワイン産業 ワイン産業 中国の経済成長は 2000 年以降さらに速度を増し、2010 年にＧＤＰは日本を抜いて世界第 2 位となりました。そ れに呼応するかのように、ワインの消費や生産量が急増しています。 国際ワイン研究機構の発表によると、2012 年の中国ワイン消費量は 21.6 億本を超え、2011 年の 19 億本に比 べ、13.68％の増加となりました。2016 年には、30.24 億本に達する見込みです。中国ワイン消費市場の急増に伴 い、海外ワイナリー大手が中国市場に進出し、今、中国ワイン市場は非常に注目されています。 中国でワインへのニーズが日増しに高まる中、外国産ワインが市場を拡大しています。特にフランスのボルドー ワインは、2002 年に 42.5 万リットルだった輸入量が昨年 5,380 万リットルとなり、中国が輸入したフランスワインの 65％を占めています。 一方で、国産ワインの品質向上もみられます。2011 年 12 月に北京で行われたワインのブラインド・テイスティン グでは、フランスのボルドーワインではなく、中国の寧夏回族自治区産のワインがベスト・ワインに選ばれ、フラン スのモエ・ヘネシーは寧夏回族自治区で、中国初となるスパークリングワイン用ぶどうの植え付けを始めました。 また、現在、国内のワイン市場は、北京や上海、杭州、深圳などの沿海 1 級都市に集中していますが、同都市 の市場が飽和状態になりつつあるため、中西部の都市に広がってきています。ここ 1 年の間に、国外の主要ワイ ン産地が次々と長沙、成都、武漢、重慶などの 2・3 級都市に戦略拠点を置き、普及活動を展開しています。 さらに、今後はワイン企業への投資や、海外のワイナリーを購入するオーナーや代理商が増えると見られてい ます。実際に、アモイにある企業はここ 1、2 年で 3 件もの海外ワイナリーを買収しています。 中国のワイン産業の変化はまだ始まったばかりです。日本資本の販売会社が中国に進出したり、中国産ワイン が日本への輸出を開始したりと、日本との関係も無視できなくなっています。これからも中国のワイン産業から目 が離せません。 -1- 2013 年 7 月（第 13 号） 政策・ 政策・経済トピックス 経済トピックス 【新政策動向】 ■7 7 月から江蘇省 から江蘇省、 江蘇省、四川省、 四川省、瀋陽で 瀋陽で最低賃金引 最低賃金引き上げ 7 月 1 日から江蘇省、四川省、瀋陽市の最低賃金が以下の通りに引き上げられる。 【江蘇省】 一類地区（蘇州、南京など）：1320 元→1480 元（時給 13 元→14.5 元） 二類地区：1100 元→1280 元（時給 11 元→12.4 元） 三類地区：950 元→1100 元（時給 9.5 元→11.7 元） 【四川省】 一類地区：（成都など）：1050 元→1200 元（時給 11 元→12.6 元） 二類地区：960 元→1140 元（時給 10 元→12.1 元） 三類地区：880 元→1070 元（時給 9.3 元→11.1 元） 四類地区：800 元→1000 元（時給 8.4 元→10.4 元） 【遼寧省】 一類地区：1100 元→1300 元（時給 11 元→13 元） 二類地区：900 元→1050 元（時給 8.5 元→9.8 元） 三類地区：780 元→900 元（時給 7.5 元→8.6 元） ■環境汚染犯罪 環境汚染犯罪の 環境汚染犯罪の法律適用を 法律適用を明確化 最高人民法院と最高人民検察院は「環境汚染刑事案件の法律適用若干問題処理に関する解釈」を公布した。環 境汚染犯罪を法に基づき取り締まるために制定。6 月 19 日より施行される。 ■北京 北京 タクシー料金値上 タクシー料金値上げ 料金値上げ 北京発展改革委員会は「北京市タクシー料金関連事項調整に関する通知」を公布した。6 月 10 日より 3 キロまで の初乗り料金を従来の 10 元から 13 元に、以後 1 キロあたり料金は、現行の 2 元から 2.3 元に、それぞれ引き上 げられる。燃料サーチャージは 1 回の乗車につき一律 1 元。 ■労働派遣業務 労働派遣業務の 手続き・条件を 条件を具体化 労働派遣業務の手続き 人力資源社会保障部は「労働派遣行政許可実施弁法」を公布した。昨年 12 月の「労働契約法」改正により、労務 派遣業務の行政許可取得が義務化された。同法が 7 月 1 日から施行されるのに伴い、労働派遣業務について具 体的な手続き・条件を規定した。 ■ガソリン ガソリンと ガソリンとディーゼル油 ディーゼル油 引き上げ 国家発展改革委員会は「国内精製油価格の引き上げに関する通知」を公布し、ガソリンとディーゼル油の引き上 げを発表した。6 月 21 日より、ガソリンがトン当たり 100 元、ディーゼル油が同 95 元の引き上げとなった。 ■電力料金 電力料金を 電力料金を調整 国家発展改革委員会は「電力料金分類構成の調整関連問題の通知」を公布した。現行の業種や用途別に分類 している電力料金を、順次、負荷特性別に分類する。 -2- 2013 年 7 月（第 13 号） ■「 「税収徴収管理法」 税収徴収管理法」改正へ 改正へ 国務院は「税収徴収管理法修正案」の意見募集案を公布し、7 月 7 日まで意見を募集する。税務機関が納税者の 口座開設、資金取引、キャッシング等の情況を調査する際に、関連銀行、金融機関は協力をしなければならな い。政府部門と関連機構が税金に該当する情報を税務機関に提供しなければならないとしている。 【経済・産業】 ■輸入製品不合格 輸入製品不合格の 輸入製品不合格の原因を 原因を公表 国家品質監督検験検疫総局は 2013 年 5 月 30 日付で、2013 年第 1 四半期製品品質、2013 年 4 月輸出入検査 検疫、2013 年 1－5 月の輸入児童用品の情況報告を発表した。同報告によると、検査で不合格となる原因は、輸 入食品・化粧品の場合、違法食品添加物、微生物汚染、ラベル・許可書の不備、製品と証書の不一致など。輸入 玩具、乳幼児おむつ、乳幼児服については、違法化学物質の使用、外包装の破損、輸入玩具 CCC マークがない など。 ■北京 北京 天然ガス 天然ガス自動車普及 ガス自動車普及を 自動車普及を推進 北京市環境保護局によると、北京市は天然ガス自動車の普及数を 1 万台にまで引き上げる。内訳は、バスが 3143 台、タクシーが 2000 台。 さらにガススタンドの整備も進め、2017 年まで毎年 3 万台以上の天然ガス自動車 普及を進めていく。 ■中国製造業景気指数確報値 中国製造業景気指数確報値 50 下回る 下回る 英金融大手ＨＳＢＣは、5 月の中国の製造業購買担当者景気指数（ＰＭＩ）の確報値は 49.2 と、速報値（49.6）を 0.4 ポイント下方修正した。好不況の節目となる 50 を下回り、昨年 9 月以来の低水準となった。 ■出稼ぎ 出稼ぎ労働者 3.9％ 3.9％増 中国国家統計局によると、農村部から都市部への出稼ぎ労働者が、2012 年に前年比で 3.9％増え、2 億 6261 万 人になった。全体の 66.4％が男性で、平均年齢は 37.3 歳。 ■ネットアパレルショッピング ネットアパレルショッピング 5 割拡大 中国電子商務研究センターによると、2012 年の中国アパレル関連ネットショッピング市場規模は、3050 億元（約 4 兆 9303 億円）に達した。前年比 50％も拡大した。増加幅は前年の成長率と比較して半減したものの、依然大幅な 拡大を維持している。 ■スマートフォン スマートフォン生産台数 スマートフォン生産台数 5 割近く 割近く拡大 中国工業情報化部によると、1－4 月の中国主要メーカーの携帯電話生産台数は、前年同期比 5.5％増加し、2 億 5942 万台となった。うちスマートフォンの生産台数が、1 億 4933 万台を占め、前年同期比 47.8％の大幅増となっ た。同期の携帯電話販売台数は、前年同期比 4.3％増加し、2 億 6501 万台に達した。 -3- 2013 年 7 月（第 13 号） ■中国財政省 中国財政省 地方政府に 地方政府に代わって 422 億元の 億元の債券発行へ 債券発行へ 中国財政省は 6 日、4 つの地方政府に代わって総額 422 億元（69 億ドル）の債券の入札を実施すると発表した。 同省が地方政府の代わりに入札を実施するのは今年初めて。 ■香港 香港で 香港で 230 億元の 億元の人民元建て 人民元建て国債を 国債を発行へ 発行へ 中国財政省は、年内に香港で 230 億元の人民元建て国債を発行する。うち 6 月 26 日に 130 億元分、下半期に 100 億元分を発行する予定。香港で発行された人民元建て国債が香港聯合証券取引所に上場し、取引されることが 可能。 ■中国国際航空 中国国際航空 仙台― 仙台―北京線の 北京線の運航再開取りやめ 運航再開取りやめ 中国国際航空は、7 月 2 日から予定していた仙台―北京線（大連経由）の運航再開を取りやめる。運航再開取り やめの理由を「機材繰り」としているが、利用率改善のメドが立たなかったもよう。 ■5 5 月新車販売 9.8％ 9.8％増 中国汽車工業協会によると、5 月の新車販売台数（中国国内生産分、工場出荷ベース、商用車、輸出を含む）は、 前年同月比 9.8％増の 176 万 1500 台だった。米欧韓の主要メーカーが日本車各社を大きく上回る勢いで販売を 増やした。米ゼネラル・モーターズ（ＧＭ）が販売台数を 9.4％増やし、5 月としては過去最高の販売台数を記録し た。内陸部で小型車が好調な独フォルクスワーゲンも販売を 2 割伸ばした。韓国の現代自動車は若者向けの車 種拡充が功を奏し、5 月の販売は 3 割増。 ■華為 華為 高機能スマホ 高機能スマホ部品日本 スマホ部品日本で 部品日本で調達倍増 通信機器の世界大手、華為技術（ファーウェイ）は日本で高機能スマートフォン（スマホ）の部品調達を拡大する。 今後、数年内に日本メーカーからの調達額を 2012 年の 9 億ドル（約 875 億円）から倍増させる。現在、日本に 40 人いる技術者も 80－100 人に増やし、年内には研究所を新設。日本の部品や技術を生かした高機能端末で世界 市場を開拓する。 ■5 5 月輸出額 0.4％ 0.4％増に留まる 中国税関総署は、5 月の貿易統計データを発表した。5 月の輸出入総額は、2012 年同期比 0.4％増の 2 兆 1500 億元（約 34 兆 4200 万円）であった。1－5 月の輸出入総額は、前年同期比 10.9％増加し、10 兆 5100 億元（約 168 兆 2600 億円）に達している。輸出額が同 13.5％増の 5 兆 5100 億元（約 88 兆 2100 億円）、輸入額が同 8.2％増 の 5 兆元（約 80 兆円）。 ■中国人民銀 短期金利「 短期金利「合理的な 合理的な範囲に 範囲に導く」 中国人民銀行（中央銀行）幹部は 25 日の記者会見で、高止まりする短期金利について「合理的なレンジに導く」と 述べ、最近の金利の乱高下は「一時的」との考えを示した。銀行間市場の流動性逼迫問題に柔軟に対応する姿 勢を示したが、金利水準の「合理的なレンジ」については詳述を避けた。また、金利の大幅な変動をもたらした「季 節要因の影響は徐々に薄れていく」と述べ、短期金融市場の混乱は収束に向かうとの認識を示した。 ■大気汚染防止設備生産 大気汚染防止設備生産 3 割増 中国国家統計局によると、5 月の大気汚染防止設備生産台数が前年同期比 29.3％増加し、7967 台に達した。1－ -4- 2013 年 7 月（第 13 号） 5 月の累計生産台数は前年同期比 13.7％増の 3 万 812 台となる。大気汚染が深刻化している中国では、大気汚 染防止設備市場が急激に拡大している。 ■重慶 温泉観光収入が 温泉観光収入が 2 割増 重慶市が温泉観光の状況について発表した。2013 年 1－5 月、同市温泉地の観光客数は前年同期比 5.1％増加 し、593 万 3000 人となった。温泉地の入場料収入は、同 18.2％増加し、2 億 2500 万元（約 35 億 8900 万円）に達 した。重慶市は温泉資源に恵まれているため、「温泉の都」をテーマとして温泉観光地としての開発を進めてい る。 ■ハイアール ハイアール 中国軽工業企業の 中国軽工業企業のトップに トップに 中国軽工業連合会は 6 月 26 日、2012 年の中国軽工業企業ランキングを発表した。トップに選出されたのは前回 に引き続き、家電メーカーのハイアール。同社の営業収入は 1631 億元（約 2 兆 5868 億円）であった。 【人民元情報】 人民元市場レート（2013 年 6 月 28 日） 外貨名 100 日本円 中間値 6.2607 人民元 【中国ビジネスワンポイントアドバイス】 立ち退き命令による移転問題に関する注意事項 中国の製造業も土地や人件費の高騰に直面し、内陸部への移転を検討している企業が多いが、外部的な 要因で、移転を強いられるというケースも増えている。これは、都市開発の推進により郊外にも地下鉄を はじめとする交通網が発達するとともに郊外に住む住民が増えたことにより、従来、工場が建ち並んでい た開発区や工業区を収用して、商業区や住宅地の建設を推進していこうとする流れに起因している。 中国の土地制度と使用権 周知のとおり中国では、企業は有償あるいは無償で期限付きの土地使用権を得ることは可能だが、土地 所有権は国家に帰属している。公共の利益に供する場合は、中国政府による一定の補償を支払えば、土地 使用権期限内であっても収用は合法とされている。 補償内容に関する交渉 移転には、代替地の確保、新たな工場の建設、人員の確保・再配置、引っ越し、移転に伴う業務停止、 各種行政機関への住所変更など様々な手続きが必要になる。そして、政府による補償は国及び地方政府に より規定されているが、補償内容や金額については各企業が政府と交渉しなければならない。以下では、 交渉にあたっての注意事項をまとめている。 ・代替地提供の確認 代替地の使用権は国家国土資源部、移転に関する許可・指示・命令は現在の開発区政府が行うため、両 行政機関の間で異なる立場をとり矛盾が発生することもある。例えば、代替地の確認を完了させる前に、 -5- 2013 年 7 月（第 13 号） 移転契約を求められるというように手続き上の不安もあるので、自社での確認はもちろんのこと弁護士 や専門家を通じて登記状況やインフラに不備がないかを事前確認しておくことが重要。 ・移転補償額算定 政府が依拠している法令はいつ施行されたものか、現在の市場価格で売却し移転費用を差し引いても利 益が見込める金額かどうか、など。 ・移転期間中の生産確保 移転期間中も継続的に取引先に対し納品を行えるよう、仮設代替工場の建設費用の補償は可能かどうか。 ・政府との移転合意書の締結内容 上記にも記載した通り、補償内容は各企業が政府との間で煩雑かつ長期的な交渉が求められ、交渉次第 で補償金額が大きく変化する。そのため、具体的な対応策については、弁護士あるいは専門家への相談も 有用である。 ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～ 香川県上海ビジネスサポーター 川田真理子 上海市延安西路 1088 号 長峰中心 705,706 室 TEL：021-6207-6687 FAX：021-6207-6640 上海ビジネスサポーターの支援を受けたい場合は、こちらを検索！！ 検 索 香川県 上海ビジネスチャンス開拓支援事業 ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～ -6-
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