アジア太平洋地域における全キャビンクラスで航空

報道関係各位
2008 年 7 月 31 日
アジア太平洋地域における全キャビンクラスで航空運賃が上昇傾向
日本、アジア太平洋地域で最大の上昇率を示す
~出張費削減を目的に業務渡航管理プロセスの効率化に高まる関心~
アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.(東京都杉並区 / 日本社長:ロバート・サイデル)は、本日、
第二四半期(2008年4月~6月)の「アメリカン・エキスプレス・アジア・パシフィック・ビジネス・トラベル・モニター」を発表
し、アジア太平洋地域全体で航空運賃が前年比で9%、前四半期比で3%上昇したことを明らかにしました。また、
本調査によると、日本は航空運賃の上昇がアジア太平洋地域内のなかでも顕著であり、前年比12%、前四半期比
11%増と同地域において最大の上昇率を示していることが分かりました。
日本、アジア太平洋およびオーストラリア担当のアメリカン・エキスプレス ビジネス・トラベル・アドバイザリー・サービス
部部長、カート・ナックステッド(Kurt Knackstedt)は、今回の発表を受け、次のようにコメントしています。「経済的圧力
と需要供給のバランスが航空運賃を押し上げている今、これまで以上に企業は業務渡航費の管理強化を強いられて
います。」
「企業の多くが業務渡航を事業投資の一環であると捕らえており、最大の費用対効果を生む管理プロセスに関心を
寄せています。多くの企業は渡航費の上昇が続いても業務渡航に熱心であり、従って業務渡航管理プロセスのあら
ゆる局面を精査し、最適な価格獲得に向け努力する必要があります。」
「また、航空運賃上昇の影響により、企業の多くはようやく業務渡航規程の遵守を推進することを重視し始めました。
平均で業務渡航費と交際費の20%は規程に沿っていない費用1と言われており、規定の遵守徹底は、企業に出張費
削減の大きな可能性をもたらします。」
企業が規程遵守を推進するなか、アメリカン・エキスプレスは、業務渡航費の上昇に対応するためのコンサルティン
グ・サービス「チェンジ・マネージメント」を開始しました。この新しいサービスを通じて企業が実現できるコスト削減コス
トは、採用するサービスレベルに応じて異なりますが、企業が支払う総航空運賃の11%から33%に相当します。
日本
相対的に横ばいであった第一四半期(1月~3月期)から航空運賃は反発し、全般的に11%とアジア太平洋地域の中
で最大の上昇となりました。ビジネスクラス普通運賃は前四半期比13%、エコノミークラス普通運賃は10%上昇しまし
た。また、国内路線は前四半期比4%上昇した一方で日本発アジア太平洋地域の域内便と南北アメリカ行き便の運賃
はいずれも14%の上昇を示しました。
株式会社 日本旅行・アメリカン エキスプレス代表取締役社長のメリンダ・タラント(Melinda Tarrant)は、この状況を踏
まえ以下のように述べています。「他のアジア太平洋地域の航空会社と比較すると、国内大手航空会社の財務状況
はここ数年全般的に悪化しています。このような状況下で現在の燃油高騰に対するリスクと懸念が強まり、日本の航
空会社は、収益性の安定を図るために運賃の値上げを余技なくさせられたと考えられます。運賃水準に影響を与える
もう1つの要因は商品・サービスのプレミアム化で、これにより国内大手航空会社は質の向上を謳うことで高い価格設
定が可能になったことが窺えます。他のアジア太平洋諸国と同様に、日本においても多くの企業が、上昇する業務渡
航費を抑えるための効率的な管理プロセスに関心を寄せています。」
オーストラリア
全キャビンクラスの航空運賃が前四半期比で2~3%上昇しました。国内線航空運賃が前四半期から4%上昇した
一方、南北アメリカ行き便の運賃上昇は1%、ヨーロッパ路線の運賃は1%の下落と、国際線運賃の上昇傾向が緩和
されました。
「国内線エコノミークラス正規割引運賃は前年比で13%上昇し、この市場における上昇傾向は依然留まるところを知り
ません。これは緩やかな市場競争環境と、オーストラリア国内の航空会社が引き続き受けている経済的圧力と高い業
績目標設定が背景にあると考えられます。」とナックステッドは述べています。
「オーストラリア発南北アメリカ行き便のエコノミークラス正規割引運賃は前年比で2%下落しています。このため、
エコノミークラス正規割引運賃の大半が早い段階で埋まってしまい、業務渡航者の多くはこの恩恵を受けられないの
が現状です。」
中国
中国発のヨーロッパ行き路線の運賃は、前年比27%増と引き続き非常に高い上昇率を示していますが、国内路線は
横ばいのまま推移しています。
ナックステッドは、この状況を受け、次のようにコメントしています。「インフレ上昇、輸出の伸び悩み、中国元高のなか、
中国の経済成長は4月~6月期に鈍化しました。この背景の一部として来月に開催されるオリンピックを控えて航空機
利用の鈍化が挙げられますが、主要輸出市場の伸び悩みも影響しています。既に燃油価格の上昇にあえいでいる
中国国内の航空会社にとって経済の失速は更なる懸念材料となり、燃油サーチャージの高騰に加え、航空運賃の値
上げを考慮せざるをえない状況にあります。」
香港
4月~6月期の航空運賃は相対的に横ばいのまま推移しましたが、ビジネスクラス普通運賃が9%、ファーストクラス
普通運賃が14%と、上級クラスの運賃は前年に比べ上昇傾向が強まっています。
インド
インドの航空業界は驚異的な速さで成長を続けています。第一四半期に見られた航空運賃の下落は、ほぼ全キャビ
ンクラスで急速な回復を見せています。ビジネスクラス普通運賃は前四半期比で7%増、エコノミークラス普通運賃は
6%上昇しました。アジア太平洋域内の域内便運賃は前四半期比で9%上昇し、前年比では32%と大幅な上昇を示し
ています。
インドで唯一、運賃の下落傾向を示したのはエコノミークラス正規割引運賃で、前四半期比マイナス2%でした。
「エコノミークラス正規割引運賃は、厳しい市場競争を背景に低価格帯を保っているセグメントですが、時間の余裕を
もった予約を行わない限り、業務渡航でこの低価格帯の航空券を確保するのは非常に困難です。現在インドでは
ローコストキャリアーが国内路線の実に 49%を占めており、これは世界で最も高い水準です。」とナックステッドはコメ
ントしています。
シンガポール
前四半期の運賃下落から、全キャビンクラスと全運賃体系で3~4%の運賃上昇が見られます。
「シンガポールは現在でも非常に安定した市場である一方で、エコノミークラス早期割引運賃が4月~6月期に10%
下落したため、ヨーロッパまでの長時間搭乗をエコノミークラスでもいとわず、早期予約が可能であれば、効果的なコ
スト削減が見込まれます。ただし、業務渡航の場合、このような割引運賃を利用できるのは稀なため、他の渡航費削
減戦略を考慮する必要があります。」とナックステッドは語っています。
脚注)1 Aberdeen Group社調べ (2006年8月)
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経費節減の可能性
「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・トラベル・モニター」は、アジア太平洋地域内および同地域発の航空運賃の最新
動向を把握し、業務渡航経費として支払われる航空運賃と平均公示運賃の推移を比較・照合するために設計されて
います。
アメリカン・エキスプレスのビジネス・トラベル・アドバイザリー・サービス部では、企業の業務渡航に関する世界最大の
データベースを活用すると共に、世界で唯一、旅行、購買、決済業務を包括して展開するアメリカン・エキスプレスなら
ではのユニークな立場を最大限活用したサービスを提供しています。各分野の専門家により構成されるコンサルティ
ング・チームは、業務渡航の規定管理、戦略的ソーシング、ビジネス・インテリジェンスに対するアドバイスを提供し、
顧客企業の出張業務の最適化に貢献しています。
調査方法
アジア太平洋地域の「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・トラベル・モニター」は、アジア太平洋地域における370の都
市から世界各国に渡航する便の往復航空運賃を追跡しています。「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・トラベル・
データベース」に基づき業務渡航利用者の渡航パターンに応じてそれぞれの都市の組合せにはウエイトを用いていま
す。例えば、オーストラリア国内運賃の全体的な変化を示す場合、メルボルン~シドニー間などの需要の高い都市の
組合せは、パース~シドニー間の組合せより高いウエイトを用いて、集計しています。その対象は、以下の14カ国で
す。オーストラリア、中国、香港、インド、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポ
ール、台湾、タイおよびベトナムです。
2008年第二四半期(4月~6月)のレポートでは、2008年6月30日で終了する四半期のデータを集計しています。
アジア太平洋地域の「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・トラベル・モニター」の購読には申し込みが必要となります。
各都市における詳細レポートはビジネス・トラベル・アドバイザリー・サービス部において取り扱いを行っています。
株式会社 日本旅行・アメリカン エキスプレスについて(www.amex-nta.com)
2001 年 4 月に、アメリカン・エキスプレスと日本旅行の合弁会社として設立。企業の出
張事務管理業務全般を一括代行するビジネス・トラベル・マネージメント事業を専門に
行っています。業種や業態によって異なる企業の出張管理に関するニーズを的確に把
握し、幅広いコンサルティングとマネージメントサービスをお届けしています。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・トラベルについて
アメリカン・エキスプレス・カンパニーの一部門であるアメリカン・エキスプレス・ビジネス・トラベルは、出張に関する業
務の最適化をサポートし、コスト削減、優れたカスタマー・サービス、経費管理を企業に提供しています。140 余ヶ国
2,200 ヶ所以上に広がるトラベル・サービス拠点を通じ世界最大級の旅行代理店ネットワークを展開し、個人事業主
から中小企業、多国籍企業まで、業界随一の予約技術、専門知識を活かした出張管理コンサルティング、オンライン
およびオフラインでの顧客サービスを提供しています。日本では、アメリカン・エキスプレスと日本旅行が合弁で設立し
た株式会社 日本旅行・アメリカン エキスプレスが顧客企業に対しビジネス・トラベル・マネージメント事業を展開して
います。
アメリカン・エキスプレス・インターナショナルについて
1850 年(嘉永 3 年)米国ニューヨーク州にて創立。現在クレジットカード、旅行、T/C など旅行関連サービスなど、総合
的なサービスを全世界で提供しています。日本では、1917 年(大正 6 年)に横浜に支店を開設し、昨年で 90 周年を
迎えました。全世界に広がる独自の加盟店ネットワークと、世界 140 余カ国、2,200 ヶ所以上のトラベル・サービス拠
点を通じ、世界中のお客さまに最高品質のサービスを提供しつづけております。