2004/12/21 VOICE 工藤の地球の科学 B・アンケート結果速報 ∼7. もし人類の祖先が視力を獲得しなかったら?∼ 200 万年前、南極大陸の移動により世界の海流に変化が生じ、地球は寒い時代に突入しま す。地球規模で食糧不足の時代が訪れた時、我々人類の祖先は視力を獲得し、わずかなエ サを探しながら進化を続けました。 このように、大陸移動もまた、我々人類の今の姿や文明 に、深く関わっているのです。それでは、もし、この時代に寒冷化をもたらす大陸移動がなく、 我々の祖先が視力を獲得しなかったら、その後の世界や我々の運命は、どう変わっていたで しょうか?例によって、皆さんの代表的(あるいは個性的)な意見、アイディアを、なるべく原文 のまま、以下に紹介します。紙面の都合で割愛あるいは要約させていただいた部分もあるの であしからず。 ☆ もし我々の祖先が視力を獲得していなかったら、食糧不足の中、とても鼻の利く動物や、足の速い 動物などに先に食料を奪われてしまい、生き残れなかったと思う。たとえ細々と生き延びたとしても、 視力がよくなければ今ほどのコミュニケーションがとれないであろうから、ここまでの進化もなかっ たとおもう。 (建築 2 年) ☆ 視力を獲得せずにコウモリのように超音波などを捉える能力が発達していたら、ゆくゆくは洞窟な どに住みつき地底人にでもなっていたのでしょうか。 (電子 2年) ☆ もし我々の祖先が視力を獲得していなかったら、人類はここまで栄えてはいないと思う。視力があ ったからこそ、狩猟をし、農作をして、生きてくることができたのではないだろうか。もし視力がなか ったら、人類はもっと原始的な生き物にとどまっていたと思う。 (心理 2年) ☆ 第六感が発達したかも。 (機械 2年) ☆ 他の種類の動物が地上で繁栄していたと思う。モグラやコウモリのように、限定された範囲や時間 でしか行動できないからだ。人間にとって学習するにも、動くにも、視力が主な情報収集源なので、 この氷河期は必要不可欠だったと思う。 (国関 2年) ☆ 視力が発達していないということは、他の部分を発達させて氷河期を乗り越えたはずである。どの 部分が発達したにしろ、氷河期がなかったにしろ、視力が発達してなければ細かい作業が出来な い。つまり今のような社会は作れずに、野生動物のような生活をしていると思う。目が不自由な人 が今の社会で苦労しているように、視力が発達していない祖先たちは今の社会を作れるとは思え ない。 (情報 2 年) ☆ もし祖先が視力を手に入れていなかったら、自分たちはまったく違うからだのつくりになっていると 思う。例えば体毛が多く毛で周りを感知する能力などが付いたのではないかと思う。 (機械 2 年) ☆ 人間の視力が弱いままだったら、犬のように嗅覚が発達したり、聴覚が発達して何とか生き延びた と私は思う。鼻が突き出て耳も長い顔になっていたかも。視力がなかったらパソコンとかテレビとか 1 もできないだろうし、今の文明にはならないと思う。 (心理 3年) ☆ 私たち人間という存在はなく、モルモットやハムスターのような“ねずみ”のように小さく、目もはっき りと見えないという哺乳類の中でも小さな生物が残っただけだと思う。エサも少量で済み、砂の中 や土の中でも生活できるからである。 (心理 3年) ☆ 技術や文化など、世界は今のような発展はしていなかったと思う。逆にその方が地球にとってはよ かったのではないかとも思う。環境破壊や森林伐採がこれほどまで進まずにいたかもしれない し・・・。 (心理 3年) ☆ もし南極大陸が南米やオーストラリア大陸から切り離されず、祖先が視力を獲得していなかったら、 今の私たちのように字を書くということも発達しなかったと思います。ここまで世界が発展したりす ることもなかったと思います。でもどこかで違う風にその環境に合った発達をしていったのではない かなあとも少し考えました。どちらにしても今とは確実に違ったものになったと思います。 (日文 2年) ☆ 食物を見つける確率が下がり、多くが死んでしまうか、もしくは、全く食物がとれなくて絶滅してしま うかどちらかだと思う。 (応化 1年) ☆ もし視力が弱ければ、今ほど人間同士のコミュニケーションがないと思う。人は相手の表情をみて コミュニケーションをとるし、もし表情が分からなかったとなれば今ほど人同士のつながりはできな いと思う。 (建築 1年) ☆ 多分、イルカみたいに超音波で目標についての情報を得ていたのかも。色とかは分からないだろ うけど。それか蛇のように熱も感じられるようになっていたのかも。今の時代は見た目にこだわるこ とがすごく多いが、もし視力がなかったら他のことにこだわっていたかもしれない。 (心理 2年) ☆ 視力というものがなければ、いくら知識があっても次の世代へ継がせることもままならないので、今 日のような技術の進歩もありえないと思う。 (応生 4年) ☆ 視力を得なかったら夜行性になっているかもしれない。そして、今の文明とは異なると思う。今の社 会はものが見えているのが前提にあるから視力がなければ今の文字というものがまったく役に立 たない。もちろん情報を伝える手段は別の方向で進化していくだろうが、今のような平面的な紙や 画面では視力がないとわからないからだ。視力がなければ、代わりの何かが発達するはず。その 発達した器官を利用したもので情報のやり取りをすると思う。 (歴地 1年) ☆ もし祖先が視力を獲得していなかったら、パソコンなどの電子機器もなくデスクワークなどもなくて、 全員が肉体労働をしていたと思います。それに、おしゃれをすることもないし、字を書くこともなくて、 相手とのコミュニケーションのとりかたも今とはまったく違った形で行われていると思います。 (機 械 1年) ☆ 目が発達しなかったら、脳がここまで発達しなかったと思う。目が見えることで手に入る情報が増え て、情報が増えれば脳も発達するんじゃないかなとおもう。ものがぼんやり分かる程度だと道具も 使えないだろうし、こんなに器用になれなかったと思う。 (都市 1年) ☆ 祖先が視力を獲得していなければ、現在の我々の世界に精密機械はおそらく存在しないだろうと 思う。そして、「芸術」と呼ばれるような美しい絵画や彫刻も生まれなかったと思う。さらにファッショ ンなども気にすることなく、画一的な社会になっているのだと思う。 (コミ 2 年) 2
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