食のトレンド情報 FCAJ版 - 日本フードコーディネーター協会

食のトレンド情報 FCAJ版
2012年7月第4週
「始めに」 この情報は協会が会員皆様方の食に関する最新の情報収集のお役に立てていただけるようJFCAが「株式会社 ひめこカンパニー」
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員の皆様方への情報提供として重要事項のみを抜粋して掲載しています。『食市場・食業界のトレンド情報』は当ホームページ掲載情報のほか、
さらに幅広い食のトレンド情報を集めたページ、生活者のマインドを知るうえで必要な『時代の空気』が分かるページ、『消費者意識データ』が分
かるページ、『食業界の動向と経営戦略』が分かるページなども配信しています。ご興味のある方や会社での導入をご希望の方は、下記URLより
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ひめこカンパニーホームページ http://www.himeko.co.jp
日本フードコーディネーター協会
2012.7.20-2012.7.26
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食市場・食業界のトレンド情報
2012年7月20日ー7月26日
イオンが、ショッピングセンターや総合スーパーにおいて、シニアや主婦をターゲットにした喫茶店の展
開を始めます。店員が客席まで飲み物などを運ぶフルサービス方式で運営。大半をソファ席にして無料
で読める新聞や雑誌を多く揃えるなど、くつろぎやすさがウリです。提供価格は、コーヒーとサンドイッチ
のセットで700円程度にする予定。うまくいけば、郊外の幹線道路沿いなどに独立店舗を出す可能性もあ
るといいます。
炎天下の街中を歩き続けていると恋しくなるのが、エアコンが寒いほど効いた喫茶店。タバコの臭いと
スポーツ新聞、ひと息入れるビジネスマン。それがかつての喫茶店の光景。カフェでもコーヒーショップで
もなくて、まさしく喫茶店でした。
カフェチェーンの席巻により、街中から姿を消した喫茶店。セルフサービスと持ち帰り重視による安価、
こだわりの豆と多彩なメニューによる付加価値。そんなカフェ市場が、喫茶店市場へとUターンしようとし
ています。牽引するのは、愛知県を拠点に店舗網を広げる「コメダ珈琲」。店舗は、ログハウス調の造り
でゆったりとしていて、郊外の店舗には広い駐車場が付属しています。特徴は、ドリンクを頼むとトースト
とゆで卵がサービスされるモーニング。早朝から、リタイヤした男性陣や高齢者夫婦が席を陣取っていま
す。そんな光景を見ると、こと住宅街においては、喫茶店回帰は当然の流れのように思われます。因み
に、弊社が位置する青山では、朝7時のスターバックスは顔なじみの高齢者が集まる場。カフェチェーン
のない地域ではマクドナルドが代わりの場所になっていると聞きます。
タリーズが、フルサービスの実験店を開始、ドトールは業態は別ながら、居心地重視のコーヒーショップ
の展開を図っています。ビジネスマンから女性へ、そして中高齢者へとターゲットの変遷が進むカフェ市
場。提供する商品やサービスにも、スターバックス日本上陸以来の大きな変化が予想されます。
キーワードの視点はここ!
FOOD BUISINESS MULTI PRODUCER
山 下 智 子
(やました・ともこ)
フードビジネス・マルチプロデューサー。
1988年、食業界のシンクタンク(株)ひめ
こカンパニー設立。代表取締役に就任。
食業界全般、流通業界で幅広く活動。
商品開発、広告SP企画、マーケティング、
レストランプロデュース、メニュー開発、
売り場開発、戦略立案等、外食、中食、
内食と幅広い食フィールドでビジネスを
展開しています。
URL http://www.himeko.co.jp
この情報だけは必ずチェック!
・ 血液型別メニュー
豆乳市場に、第三次ブーム到来!
・ 購買パターン別割引券
・ コンビニのパック詰め揚げ物惣菜
・ スーパーのシニア向け喫茶店
・ ピザチェーンのターゲット別新業態
・ 脳力アップランニング
・ ネットスーパー シニア開拓競う
テレビで注文 住商・NTT東
・ コンビニ、製造力で売る 11年度 本紙調査
調査対象新聞と雑誌
(2012.7.20-7.26)
●定期媒体・・・日本経済新聞(日経朝・夕)、日経流通新聞(流通)、日本食糧新聞(食糧)、食品商業(食品商)、月刊コンビニ(コンビニ)、月刊食堂(月刊
食)、近代食堂(近代食)、飲食店経営(飲食経)、日経レストラン(日経R)、日経トレンディ(日経T)、pen(pen)、アエラ(アエラ)、北海道ウォーカー(北海W)、
東京ウォーカー(東京W)、東海ウォーカー(東海W)、関西ウォーカー(関西W)、福岡ウォーカー(福岡W)、Hanako(ハナコ)、dancyu(dan)、栄養と料理(栄
養料)、Mart(マート)
●不定期媒体・・・FIGARO Japon(フィガロ)、BRUTUS(ブルタ)、料理王国(料理王)、料理通信(料理通)、FUDGE(ファッジ)、ELLE a table(エル)、ELLE
Japon(エルジ)、COORRIER Japon(クーリエ)、CREA Traveller(クレトラ)、GQ(GQ)、エココロ(エココロ)
2012.7.20-2012.7.26
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過去を振り返れば、今が、これからが分かる――。最近、気になるトレンドキーワードが、
どのような流れを経ているのか、他のキーワードとの関連性を見つけることで分析します。
ヘルシー&
ダイエット志向
2005年
第一次豆乳ブーム
イソフラボン信仰
2009~10年
美肌ソイリキュール
第二次豆乳ブーム
フレーバー豆乳
女子会の豆乳鍋
ダイエット豆乳クッキー
カフェのソイラテ
豆乳ドーナツ
2012年~
豆乳ブーム再燃
豆乳レシピ本
豆乳・おからドレッシング
コングクス用スープ
豆乳市場に、第三次ブーム到来!
正田醤油は8月、「SOY Beauty 豆乳びじんシーザードレッシング」「同 おからびじん白ごまドレッシング」
を発売する。美容や健康食材として注目を集めている豆乳やおからをふんだんに使ったヘルシーなドレッシ
ングだ。
豆乳ブームが再来している。昨年、豆乳生産量が過去最高の数字を記録。最近では、豆乳ベースの麺つ
ゆや韓国の豆乳冷製麺“コングクス”用のスープなど、豆乳を使った商品が続々と発売されているほか、
キッコーマンが監修した、自社の豆乳を活用するレシピ本「ヘルシー!豆乳レシピ」が発行され、話題を集め
ている。
過去の豆乳人気を振り返ると、第一次ブームは2005年頃。大豆に含まれるイソフラボンが女性ホルモンに
似た働きを持つことが注目され、牛乳の代わりに豆乳を飲用する中高年女性が増加した。第二次ブームは
09~10年頃。イチゴ、杏仁、紅茶、きな粉などなど、さまざまなフレーバー豆乳が登場。飲みやすくなったこと
で、新しい豆乳ファンを増やした。さらに、若者が集うカフェチェーンが“ソイラテ”を提供したり、スイーツ専門
店が豆乳を使ったロールケーキやドーナツを販売したり。豆乳におしゃれなイメージがプラスされたことで、
若い女性を惹き付けた。
そして今回の第三次ブーム。アンチエイジング志向がますます強まり、ヘルシー志向の中高年層に加え、
豆乳の美肌効果に目を付けた女性ファンが急増中。そうした裾野の広がりがブームを後押ししている。
2012.7.20-2012.7.26
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NO
トレンドキーワード
情報内容
給食でファン
作り
安全で栄養価の高い食事を摂る判断力を子どもに身に付けさせる“食育”が重視される中、首
都圏の小中学校で、地元でとれた食材を給食に出す動きが広がっている。こうした動きを受
け、農林水産団体や地場の食品メーカーも、将来の固定ファンを得る好機とみて、需要掘り起
こしに知恵を絞っている。埼玉県は、米飯給食の場合、30%に同県生まれの米「彩のかがやき」
を使用し、知名度の向上を目指す。千葉県鋸南町の水産加工業、大福商店は、千葉県が漁獲
量全国一のカタクチイワシに、こちらも千葉県が全国一の生産額を誇るさつま芋の粉を衣にし
て揚げた「いちばん揚げ」を考案。昨年から学校給食用に出荷し始めた。
○日経朝(7.21)
広域スコープ
地元食材ファン
給食で増やす
血液型別メ
ニュー
8/17~9/2、外食の楽しみ方を提案するイベント「ジャパン・レストラン・ウィーク2012 サマープ
レミアム」が開催され、参加する約240店のレストランが、“ファミリー”“アート”“ビューティ”の
テーマに基づいたコース料理を、通常よりリーズナブルな価格で提供する。中でも今年は
“ビューティ”の企画で、「レストラン アイ」(東京・原宿)と「チャイナブルー」(同・汐留)が、ミス・
ユニバース・ジャパン公式栄養コンサルタントを務めるエリカ・アンギャル氏が提唱する“血液
型別食事法”を取り入れたメニューを用意。予約時に血液型を伝えれば、例えばA型なら“タラ
の低温キュイ、ブイヤベースのジュ”、O型なら“ミルフィーユ ドゥ ブッフ 3種の旬野菜のフリ
チュール”といった血液型別のスペシャルメニューをいただくことができる。
○近代食(8月号)
Pick up トピック
ス
「ジャパン・レスト
ラン・ウィーク
2012」
今年は“血液型メ
ニューの提案も!
高級ホテル
でランチ
高級ホテルのレストランでランチを楽しむ人が増えている。帝国ホテル直営のフランス料理店
「ラ ブラスリー」は7月のランチ時間の売上高が前年比30%増、ニューオータニが運営するレス
トランも同20%増以上の状況が続く。シニアを中心に個人消費が堅調なのが一因。また、割安
なメニューを導入する店が増え、20~30代のサラリーマンやOLへと客層が広がっていることも
大きい。シニアや主婦同士での利用に加え、節約疲れによるたまの贅沢を楽しむ女性会社員
や、ランチを接待やミーティングに活用するサラリーマンなどで、高級ホテルのランチが賑わっ
ている。
○日経朝(7.24)
高級ホテルで昼
食を
購買パターン
別割引券
ファミリーマートは「土用の丑の日」に向けて、「うな重を買いそうな人」に割引券を発行した。全
国展開するレンタルDVD店「TSUTAYA」の利用客を対象に、レジでの精算時に渡した。カル
チュア・コンビニエンス・クラブが運営する共同ポイントサービス「Tポイント」の会員データから、
同チェーンで過去にうな重を買った人の年齢や好きな商品分野、一緒に購入した商品、来店
頻度などを分析して「うな重を買いそうな人」をパターン化。同じ購買パターンに当てはまり、過
去に同社でうな重の購入履歴がない人に100円引きのクーポンを発行した。
○日経朝(7.20)
うなぎ好き判別し
割引券
ファミマ
コンビニの
ご当地唐揚
げ商品
コンビニ各社は、ご当地グルメの人気店とタイアップした商品を売り込む。デイリーヤマザキは
8/1、大分県中津市の唐揚げ専門店が参加する「聖地中津からあげの会」が監修した商品を
発売。しょうゆベースににんにくとしょうがを利かせた“中津からあげ”入りの“からあげ弁当”
と、チャーハンで唐揚げをくるんだ“大きなチャーハン風おむすびからあげ”の2品だ。一方ロー
ソンは、砕いた草加煎餅をまぶした衣が特徴の“そうからあげ”を販売する「インどり屋」(埼玉・
草加)監修の“からあげクン醤油せんべい味”を販売中。しょうゆ煎餅を衣に混ぜてサクサク食
感に仕上げている。
○食糧(7.25)
「唐揚げ」「焼き
鳥」人気続く
CVS
コンビニの
パック詰め揚
げ物惣菜
サークルKサンクスは、2013年2月期末までに、全体の約2割の1200店で、店内で調理してパッ
ク詰めした揚げ物惣菜の販売を始める。コンビニ各社の揚げ物販売は、若い男性を狙った単
品売りが基本だが、同社はスーパーのように大量陳列する手法を採用。「ごちそうデリカ」と名
付け、レジ前などに平台を置いて陳列する。3個入りのミートコロッケで105円、2本入りのエビフ
ライで160円など、スーパーと比べても競争力のある価格設定にした。住宅地などにあり、スー
パーの代替需要が見込める店舗を中心に導入。若い家族や高齢者世帯の食事時のおかず
需要を開拓する。約200店で先行販売したところ、1店の1日当たりの売上高は約8000円と、想
定の5000円を上回って推移しているという。
○流通(7.23)
揚げ物総菜 スー
パー風で
サークルKサンク
ス
スーパーの
シニア向け
喫茶店
イオンは2013年春にも、シニア客に照準を定めた喫茶店の展開を始める。飲食店を運営する
子会社を通じ、グループのショッピングセンターや総合スーパーに出店し、2~3年で50店にす
る計画だ。店員が客席まで飲み物などを運ぶフルサービス方式で運営。大半をソファ席にして
無料で読める新聞や雑誌を多く揃えるなど、くつろぎやすさをウリにし、シニア層や主婦層の集
客に繋げる。屋号やメニュー、席数などの詳細は未定だが、提供価格はコーヒーとサンドイッ
チのセットを700円程度にする予定。朝食や昼食での利用も想定する。郊外の幹線道路沿いな
どに独立店舗を出す可能性もあるという。
○日経朝(7.20)
来春にも喫茶店
イオンはシニア客
に照準
8
ピザチェーン
のターゲット
別新業態
ピザチェーン「シェーキーズ」は、女性や家族連れ客を獲得するため、新たに2つの派生業態「
フレッシュ&ヘルシー(FH)」と「キッズ&ファミリー(KF)」を開発した。若い女性客向けの「FH」は従
来型より2割程度狭いカフェ風で、トマトソースやチーズを使わない野菜ピザも販売するのが特
徴。昨秋、試験出店した「キャナルシティ博多店」(福岡)は、多くの女性客獲得に成功している。
一方、子ども連れの家族客向けの「KF」は従来型より2割程度大型化し、子どもの遊び場も設け
るという。両業態ともサラダバーがあり、客単価は1人1100~1250円と従来型より100円程度高
め。10~20代男性が主力の従来店と併せて出店し、FC方式で増やしていく。
○流通(7.20)
女性・家族連れ客
取り込み
シェーキーズ
9
日本文化の
街 アジアに
ネイルサロン
や飲食店
経産省が展
開へ
経済産業省は今年度中に、日本のサービスや製品が1ヵ所で楽しめる「ジャパン・ストリート」
を、上海、香港、台湾、ジャカルタ、ホーチミンなどアジア主要都市に開く。街の一角や商業ビ
ル内に日本の飲食店やネイルサロンなどを集め、日本の流行や食文化に触れられるようにす
る。日本文化のファンを育て、訪日外国人の増加に繫げる考えだ。
○日経朝(7.23)
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7
掲載新聞・雑誌
2012.7.20-2012.7.26
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脳力アップラ
ンニング
若い女性から中高年まで、日常的にランニングを楽しむ人が増えている。彼らの中には、「東
京マラソン」などの大規模なマラソン大会への参加を目標に走る人もいるが、頭をすっきりさせ
るために走るという人も多いようだ。わずか10分でも、走ると頭がさえて考えがまとまったり、前
向きな気持ちになったりする。それは、ランニングが身体能力を高めるだけでなく、脳の機能も
アップさせるからだ。詳しく見ると、運動の程度によって活性される脳の領域は異なる。例え
ば、低強度のランニングでは、学習や記憶にかかわる「海馬」を刺激して認知機能が向上し、
中強度のランニングでは「46野」が活性化し、集中力や判断力が高まる。また「46野」は注意、
集中、メモリー機能にもかかわるため、認知症の予防効果も期待されている。高強度のランニ
ングの場合は、「視床下部」を刺激。それによりストレスを感じ、疲労感が出る半面、覚醒効果
もあるようだ。ただ、運動をタスク化してしまうと脳の機能が高まらなくなるということも。いつも
同じ時間に、同じ場所でというのでは効果が出にくいため、たまにルートを変えるなどするとよ
いという。
○日経朝(7.20)
脳力アップ 走っ
て実感
高まる集中/認知
症予防も期待
食品表示、
新法に一元
化
消費者庁
食品の安全性や品質に関する表示制度の見直しを考える消費者庁の有識者検討会が7/20、
東京都内で開かれ、消費者により分かりやすく改善するため、3つの法律で別々に規定してい
る表示基準を新たな法律に一元化し、新制度を作ることでほぼ合意した。現在、食品の包装に
記載される表示は日本農林規格法、食品衛生法、健康増進法の3法に基づく情報が混在し、
内容も多すぎて分かりにくいといった指摘がある。新制度では消費者に重要な情報を厳選して
表示を簡素化し、高齢者も見やすいよう文字を大きくする。また健康への関心の高まりを受
け、これまで任意だった栄養成分の表示を原則すべての加工食品に義務付ける。消費者庁は
近く検討会がまとめる報告書を受け、新法案を来年の通常国会に提出する方針。
○日経朝(7.21)
ネットスー
パー シニア
開拓競う
テレビで注文
住商・NTT東
ネットスーパーの競争が激化している。住友商事とNTT東日本は7/23、テレビ画面で注文がで
きるネットスーパーを始めると発表した。高齢者などインターネットに不慣れな層を開拓する狙
いだ。画面上に住商グループのサミットネットスーパーのメニューを表示し、生鮮など約5000品
目の食品の中からリモコンで操作して買い物ができるようにする。ネットスーパーは日常の買
い物が負担になる高齢者世帯とは親和性が高いサービスといえるが、今の主要顧客は20~
40代の主婦層。そのため、シニアへの利用を促す競争は活発化している。イオンはシャープ
と、ネットスーパーを利用しやすい独自端末を発売。ヨーカ堂も東北の被災地では、画面をタッ
チして注文できる端末を無料で貸し出している。両社は鮮魚の調理請負など付帯サービスで
も、高齢者世帯の負担を減らすことを試みている。ただ、ネットスーパー事業単独では赤字の
企業が大半とみられ、採算性の確保が課題となっている。
○日経朝(7.24)
マクドナルド
針路を探る
成長の壁、カ
フェで突破
日本マクドナルドホールディングスが成長戦略の作り直しに動き始めた。2011年12月期まで既
存店売上高は8年連続プラスだが、震災をきっかけに家で食事を摂る内食志向が高まるなど、
消費者行動が変化。今年4~6月は前年割れに陥るなど、逆風が吹き始めたためだ。成長の
壁を突破すべく、同社はカフェに注力。7/23、「マックカフェ バイ バリスタ」の1号店を原宿表
参道店の店内で開業した。安いコーヒーで客を呼び込み、300円台の高いハンバーガーの購
入を促すのが同社の基本戦略。カフェに力を注ぐのは、新型店舗でコーヒーの認知度を高め、
全店での客層の拡大に繋げることが最大の狙いだ。コーヒーの強化に加え、価格見直しにも
動いた。4/20に急遽、Sサイズのコーヒーを140円から100円に値下げ。5月には同社初となる
250円と500円の割安感の強いセットメニューを売り出した。メニュー刷新で未利用者を新規の
顧客に育てるとともに、店舗に足が遠のいた顧客の利用頻度を高めようというわけだ。この手
法は05年に手掛けた100円メニューを柱とした戦略の再現でもある。前回は100円メニューで
いったん新規の顧客を作り、その上で付加価値の高い商品を追加し、売り上げを伸ばしていっ
た。今回も6月に「ビッグチキン」(340~350円)を投入。7/18には世界各国のマクドナルドのメ
ニューを基に開発した、350~420円と同社の中では高い部類のバーガーの販売を順次始め
た。
○日経朝(7.24)
14
コンビニ、製
造力で売る
11年度 本
紙調査
日経流通新聞がまとめた2011年度(第33回)コンビニ調査では、中食やPBといった独自商品の
強化を目指す動きが一段と鮮明になった。調査対象の29社中15社が「PBの売上高比率を高
める」と答え、理由として全社が「同業他社との差別化」を挙げた。また、17社が12年度に「弁
当、惣菜などの品揃えを増やす」と回答。11年度に「増やした」と回答したのは10社で、業界全
体でも商品の独自性を重視する姿勢が窺える。セブンイレブンは、約80社のベンダーで組織す
る「日本デリカフーズ協同組合」に600億円近い投資を要請。ベンダーに“未曾有の大増産体
制”を求め、既存店売上高26ヵ月連続プラスという中食部門の基盤をさらに固める。今回の調
査では、独自商品の強化に向けて重視する施策のトップは「原材料調達への関与」。各社は原
材料段階まで遡り、ものづくりにかかわる必要性を強く感じているようだ。ローソンは、筆頭株主
である三菱商事のネットワークなどを使って原材料を安く大量調達し、数種類の商品に活用し
て無駄なく使い切る体制を整えている。
○流通(7.25)
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女性・シニア
を開拓
総菜や生鮮
野菜充実
第33回コンビ
ニエンススト
ア調査
コンビニ大手は大量出店に合わせ、客層の拡大に力を注ぐ。特に買い物の頻度が高い主婦
や、人口の4分の1を占めるシニア層の集客が成長のカギだ。男女別の客数の伸びを算出した
ところ、2011年度は男性が10年度に比べ5.0%増だったのに対し、女性は12.0%増と2倍以上高
かった。また各社の独自調査では、中高年層のウエートが高まっていることが分かっている。各
社に「女性客を増やすための施策」を聞いたところ、「生鮮食品や日配品の充実」「弁当、惣菜
などの少量パックの充実」「スイーツの充実」「健康志向商品の充実」が上位を占めた。各社は
食品スーパーが得意としてきた生鮮野菜やパック惣菜などの品揃えを競うほか、シニア層を中
心とする“買い物弱者”に向け、食事の宅配や御用聞きのサービスにも乗り出している。
○流通(7.25)
10
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