大阪樟蔭女子大学被服学科卒業論文要旨集(2014) VISUAL 系 HAIR&MAKE ~時代別にみるヴィジュアル系~ 美容感性研究室 111621 山田 紗也夏 キーワード:ヴィジュアル系 ヘアメイク 髪色 美容 はじめに 2-4 私がヴィジュアル系バンドに興味を持ったきっかけ 前年から流行しているポイントメッシュや、グラデ 2014 年 は、中学生の頃に見た深夜に放送されていたヴィジュ ーションカラーがヴィジュアル系の中でも見られた為、 アル系バンドのテレビ番組である。男性が、綺麗なメ ポイントメッシュを入れているバンドマンを再現した。 イクを施し、今まで見たことがないような奇抜でカラ 4 体の中で最初に作成した作品であるが、カット専用 フルなヘアスタイルをしていた。そして、目を奪うよ ウィッグを使用してしまった為、他の作品で使用した うな衣装を身に纏って演奏し、歌っている姿が衝撃的 レジーナヘアメイクアップ専用ウィッグよりも色が綺 で、その世界観に魅了された。 麗にブリーチできなかった。原因として特殊なコーテ このことから 4 年間の大学生活で学んできたヘアカ ィング剤による影響であることがわかった(図 4)。 ラーとスタイリング技術を活かし、ヴィジュアル系の 作品を作りたいと考えた。よって本制作では、4 体の ウィッグを使用してヴィジュアル系バンドマンのヘア メイクを再現した作品を作り、その写真集を作成した。 1. 調査方法 書籍・雑誌・DVD・インターネットを使った調査から、 ヘアメイクに特徴のある時代を 4 つに分けて、1994 年、 2001 年、2008 年、2014 年を中心に活躍したバンドマ ンのヘアメイクをそれぞれのウィッグに制作した。 2. 年代ごとの結果と考察 2-1 1994 年 原色のヘアカラーに逆立てた長髪が特徴的だった為、 この特徴を兼ね備えたバンドマンを参考にした。既存 ウィッグの毛髪の量と長さの不足は付け毛で補った。 本作品では、ブリーチを 3 回行ったことで原色に近い レッドの髪色を再現することができた (図 1)。 2-2 2001 年 中性的な容姿のバンドマンが多く見受けられた為、 これを特徴とするバンドマンを再現した。短い前髪と ツインテールの高さを左右対称に揃えるのが困難であ った。また、3 回以上ブリーチをしなければ、希望の ブルーに発色が出来ない可能性があったが、今回は、3 回で希望の色に染めることができた(図 2)。 2-3 2008 年 可愛らしい「おだんごヘア」がヴィジュアル系の間で も流行していたことから、この特徴を持つバンドマン を再現した。まだ黄味の残る 3 回目のブリーチの段階 で毛髪が溶け始めた為、今回は希望した青みを感じる シルバーを再現することができなかった(図 3)。 おわりに 本制作により、ヘアカラーについて希望通りのカラ ーの再現が困難であることがわかった。今回はウィッ グを使用したが、人頭に奇抜でカラフルなヘアカラー を施すことは、見た目を綺麗に保つ努力と、維持費も 必要であり、幾多のブリーチによる髪の損傷とも上手 く付き合っていかなければならないことが考えられる。 私が興味のあるヴィジュアル系のヘアメイクを本学で 習得した美容技術を生かし、作品を残せることに大変 誇りを感じた。この作品作りで学んだ経験を生かし新 たな作品を今後も作っていきたいと考える。 参考文献 1) 『SHOXX』5 月号 音楽専科社(2008・2014) 2) 『Pinky Promise』インデックス・コミュニケーション(2010)
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