主要課題6 配偶者等に対する暴力の根絶

主要課題6
配偶者等に対する暴力の根絶
配偶者等に対する暴力は、身体に傷を負わせることだけでなく、言葉による脅迫や性的
関係の強要なども含みます。配偶者や恋人など親密な関係にある、又はあった者から振る
われる暴力は、これまでは私的な問題としてあまり表面化することがなく、容認される傾
向にありました。
内閣府が実施した「男女間における暴力に関する調査」〔平成 23(2011)年度〕によると、
配偶者からの被害経験の有無を問う設問で、“ 身体的暴行”“ 心理的攻撃”“ 性的強要”
のいずれかについて配偶者から被害を受けたことがあると回答した人は 26.2%、
(
「何度も
あった」7.3%と「1 、2 度あった」18.9%)、行為別では、“ 身体的暴行”が 20.2% 、
“ 心理的攻撃” が 14.0% 、“ 性的強要” が 9.2%となっており、この割合は年々増加
傾向にあります。配偶者からの被害経験を男女別にみると、被害経験が「あった」は女性
が 32.9%、男性が 18.3% となっており、それぞれの行為について、被害経験が「あった」
は、
“身体的暴行”では女性が 25.9%、男性が 13.3% 、
“ 心理的攻撃”では女性が 17.8%、
男性が 9.5% 、
“ 性的強要”では、女性が 14.1%、男性が 3.4% というようにいずれの行
為も、女性の方が被害経験者の割合が高くなっています。
また、近年では交際相手から受ける暴力「デートDV」を受ける被害者も増加していま
す。本市が実施した「男女共同参画についての市民意識調査」でも、件数は尐ないものの
過去に交際相手からデートDVを受けた、というケースが報告されています。
配偶者等に対する暴力は言うまでもなく重大な人権侵害であり、男女共同参画社会を形
成する上で克服すべき重要な課題です。
【配偶者からの被害経験の有無(全体)】
配偶者からの被害経験の有無
身体に対する暴行を受けた
精神的な嫌がらせや恐怖を感じる
ような脅迫を受けた
性的な行為を強要された
内閣府「男女間における暴力に関する調査」〔平成 23(2011)年度〕
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【配偶者からの被害経験の有無(女性)
】
配偶者からの被害経験の有無
身体に対する暴行を受けた
精神的な嫌がらせや恐怖を感じる
ような脅迫を受けた
性的な行為を強要された
【配偶者からの被害経験の有無(男性)
】
配偶者からの被害経験の有無
身体に対する暴行を受けた
精神的な嫌がらせや恐怖を感じる
ような脅迫を受けた
性的な行為を強要された
内閣府「男女間における暴力に関する調査」〔平成 23(2011)年度〕
(1) 配偶者等への暴力は人権侵害であることの啓発
配偶者等への暴力は、何も特別な人が犯すわけではなく誰もが加害者になる危険性をは
らんでいます。また、被害を受けてもそれがDVだと気付かないケースや、相談をためら
うケースも見受けられ、被害が深刻化・潜在化しやすい傾向があります。
配偶者等への暴力は、重大な人権侵害であることの啓発を徹底して行い、その対策につ
いての推進を図ります。
○啓発活動や講座などの開催
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(2) 相談体制、保護体制の充実
DVなどの暴力を受けた、又は受ける危険性のある配偶者等を保護するためには、予防
と早期発見・早期対応が重要になってきます。
本市が実施した「男女共同参画についての市民意識調査」では、DV被害を受けた時に
誰かに相談しましたかという問いに対し、相談した人はわずか 28.2%で、相談しなかった
人の 61.8%を大幅に下回りました。また、相談しなかったと答えた人にその理由を聞くと、
相談するほどのことではないと思ったからと答えた人が最も多く 54.4%、自分さえ我慢す
れば済むと思ったからと答えた人が 27.9%、相談しても無駄だと思ったからと答えた人が
25.0%となっています。
DVなどの暴力の被害者になったとしても、どこにも相談できずに 1 人で悩みを抱えて
しまい、相談窓口が十分に活用されていないケースも考えられることから気軽に相談でき、
被害にあった場合は素早く対応できるような体制づくりが必要です。
被害者が相談にきた場合はまず安全を第一に考慮し、様々な問題を抱えていることを十
分に考慮するとともに、被害者が置かれている状況に配慮した対応を行います。
また、暴力を振るう加害者側に対するサポート体制(再発防止など)づくりに努めます。
○暴力を受けた配偶者等に対する相談の充実
○暴力を受けた配偶者等の一時避難対策所の検討
○大阪府や警察署など他の関係機関との連携体制の整備
○加害者のための相談窓口の設置
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