「日本におけるくる病の有病率研究」に関する研究実施のお知らせ 本研究室では、全国のレセプトデータを用いて「日本におけるくる病の有病率研究」を 行っています。 くる病は、主にビタミン D が不足することによって骨が変形したり、発育不良やけいれ んなどを起こす、子供の病気です。とても重症な場合は命の危険もあります。ビタミン D は食事からも摂取できますが、わたしたちのカラダでも作られます。わたしたちのカ ラダでビタミン D が作られる場合は日光にあたることでできます。くる病は 19 世紀ご ろのイギリスで工場からの排気で空が見えないほどになって日光が遮断されて、栄養状 態もよくなかったために多くの子供達でみられました。その後、環境が改善され、多く の研究の結果ビタミン D の不足でくる病が起きることなどがわかってきて、ビタミン D を食品に添加するなど栄養の改善によって激減しました。日本でも戦後、栄養状態が悪 かったときにくる病の子が多くみられましたが 1950 年代にはくる病の子はほとんどみ られなくなりました。 近年、世界的にくる病の患者さんの数が上昇傾向にあります。日本でも小児科の診療の 現場では増えていると小児科医は感じています。ところが、くる病の患者さんが日本に どれくらいいるのか、実際に増えているのかどうかを示す正確なデータが今はありませ ん。そこで今回、それを調べることとなりました。 当研究室で解析に用いるデータベースは当研究室に送られてくる前の段階で匿名化さ れており、個人を特定できる情報が漏れることは一切ありません。 尚、当研究は「ダノン学術研究助成金」で実施されています。 研究結果については報告書、論文、学会発表、当教室のホームページ等で公開させてい ただく予定です。なお、本研究は東京大学医学部倫理委員会の承認を得ております。 お気づきの点やご不明な点がございましたら、下記連絡先までお問い合わせください。 2015 年 9 月 東京大学大学院医学系研究科 公衆衛生学教室 小林廉毅 (教授) 調査担当者:伊藤明子(医師、特任研究員) E-mail: [email protected] Fax: 03-3816-4751 住所:〒113-0033 Tel: 03-5841-3494 東京都文京区本郷 7-3-1
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