健康的に飲みましょう! お酒と健康の関わりは?

大阪府立健康科学センター
お酒と健康の関わりは?
お酒による良い効果
お酒は適量であれば、人間関係の円滑化などの社会的効用に加え、血行を促進し、精神的スト
レスの発散、動脈硬化を予防する HDL コレステロールの増加などの医学的効用があります。
お酒が引き起こす健康障害
逆にお酒の害としては、適量を越えるとむしろ人間関係に悪影響を及ぼすなどの社会的問題に
加え、肝臓に負担がかかる、血圧が上がる、尿酸値が高くなるほか、カロリーオーバーや栄養
バランスの崩れにもつながりやすくなります。精神的にアルコールに依存してしまうなどの医
学的問題もあります。
アルコール依存症について
飲酒をする量、場所、時間などを自らコントロールすることができなくなる状態をいいます。
必ずしも大酒家がかかるものではなく、お酒の飲み方を誤ると誰でもかかりうる可能性があり
ます。
アルコール依存症ってどんな兆候があるのかな?
*休日の朝酒・昼酒 *2日酔いの迎え酒 *1日中、延々と飲み続ける
*飲まないと禁断症状(頭痛、イライラ、手の震えなど)が出る
健康的に飲みましょう!
● 日本酒換算で 1 日1合程度、多くても2合までにとどめましょう
これまでの調査結果をみると、平均1日2合を超える飲酒者では、様々な健康障害を引き
起こしやすくなります。長期的にみると脳卒中や肝硬変を起こす率が高くなります。
適量の飲酒なら大丈夫というのは、健康障害を引き起こしていない方にあてはまるこ
とです。たとえばすでに肝臓病になっている人や肝機能が低下している方、血圧の高
い方は飲酒を極力控えなくてはいけません。
●
休肝日をもうけましょう
毎日飲酒していることは、それだけ胃や肝臓に負担がかかっていることになります。
週に2日はお酒を飲まない休肝日をもうけることがおすすめです。
一般に肝臓がアルコールを処理するスピードは個人差がありますが、平均すると1
合あたり約3時間と言われています。たとえば3合飲酒するとそのアルコールの処
理には9時間かかり、翌朝にアルコールが残ってしまうことになります。就寝中で
も肝臓は休みなく働いていることになります。
日本酒1合換算ってどのくらい?
日本酒
ビール
ウィスキー
ワイン
焼酎(25 度)
1合
180ml
大びん1本
633ml
ダブル 1 杯
60ml
グラス 2 杯
240ml
0.6合
120ml
こんな工夫がおすすめ
●
飲酒量を減らすための工夫
つまみにも注意!
・マイペースでゆっくり飲む
(人にも無理やり勧めない)
・食べながら飲む
・はしご酒は控える
・家にお酒の買い置きはしない
・まわりの人に健康プランを公表しておく
食べながら飲むことは、肝臓や胃にやさしく、
飲酒量もおさえることができるので大切です。
しかし、つまみの選び方には注意が必要です。
油っこいものや脂肪分の多いもの、塩分の多い
ものは控えるようにし、たんぱく質、ビタミン
の豊富なものを摂りましょう。
・休肝日をもうける
(飲まない曜日を決める、飲みに行った翌日は飲まないなど)
・自分からは誘わない
(飲む機会をどうしても飲まないといけない時だけに絞る)
・飲酒日記をつけ、自分の飲酒量や飲酒日数などの飲酒パターンを把握する
● 誘いの多い方、付き合いで飲む機会の多い方におすすめの工夫
・アルコールの間に水を飲んだり、強いアルコール飲料は薄めて飲む
・断り方を前もって練習しておく
・ソフトドリンクやノンアルコール飲料を飲む
・飲めない人の隣に座る
・車の場合は運転手役をかってでる
●
飲みたい気持ちをコントロールする工夫
・飲みたくなるような場所に近づかない
アルコールと睡眠
アルコールは入眠を促進しますが、アルコール
の分解成分の作用で睡眠が浅くなり、目を覚ま
しやすくするため、結果的に睡眠の質を悪くし
ます。毎晩続けると、アルコールを飲まないと
眠れない状態に陥る危険もありますので注意
しましょう。
・お酒以外の楽しみ(趣味)をみつける
~お酒と上手につきあおう~
「酒は百薬の長」と言われるように、お酒は適量を上手に飲めば疲労回復やストレス解消に役立
ちます。しかし、飲めない人が飲んだほうがいいというものではありません。飲まなければ飲ま
ないほど、肝臓をいたわることができます。健康を守るため適正飲酒をこころがけましょう。