日商1級 とおるゼミ 商業簿記・会計学(I) [個別論点編]Ver.5.0

とおるゼミ
1級商会Ⅰ
ver.5.0
改正レジュメ
ネットスクール株式会社
会社計算規則第 58 条および第 61 条、企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針が平成 18
年 12 月に改正され、合併・株式交換の論点において、自己株式を処分した際の会計処理が変更されました。
これに伴い変更された部分を以下にまとめましたので、読み替えの上ご利用頂きますようお願いいたします。
箇所
旧
新
この自己株式は、時価等を基準とした価額で被 こうした自己株式の帳簿価額を合併対価(被合
合併会社の株主に交付することになります。被合 併会社の取得原価)18)から控除した金額が、合併
併会社の株主に対する発行価額 18)と自己株式の帳 会社における資本金等の増加額となります。な
簿価額の差額は自己株式処分差損益(その他資本 お、このとき増加資本がマイナスになるときは、
剰余金)として処理します。
合併会社のその他資本剰余金を減額させます。
自己株式の処分対価−自己株式の帳簿価額
取得原価−自己株式の帳簿価額
=自己株式処分差損益
=合併における資本金等の増加額
18)自己株式の処分対価を指します。
PP.223−224
自己株式の処分
被合併会社B/S
被合併会社B/S
負債
(公正価値)
(パーチェス法の
場合)
18)交付する株式数(自己株式を含む)×時価
資産
(公正価値) 資産・負債
の公正価値
の純額
の れ ん
合併会社における
被合併会社の取得原価
株式の発行価額
19)
(時価)
増加資本
自己株式の処分額
処分差損益
現金支出など
}
負債
(公正価値)
資産
(公正価値) 資産・負債
の公正価値
の純額
の れ ん
合併会社における
被合併会社の取得原価
払込資本19)
(増加資本金) 株式の発行価額
(時価)
自己株式の処分額
(帳簿価額)
現金支出など
}
19)合併に際して、自己株式の交付で全てをまかなうこと 19)問題文の指示に従って、一部を資本準備金やその他資
は考えにくく、株式の発行分とともに増加資本を構成する 本剰余金とすることもあります。
ことになります。
P.224
自己株式の処分
(持分プーリング
持分プーリング法において自己株式の処分を行 持分プーリング法において自己株式の処分を
った場合の処分対価は、パーチェス法と異なり被 行った場合は、被合併会社の株主資本項目をそれ
合併会社の株主資本の帳簿価額となります。なお、ぞれ帳簿価額で受け入れると共に、自己株式の帳
自己株式の処分対価と自己株式の帳簿価額の差額 簿価額を合併会社のその他資本剰余金から減額
は、自己株式処分差損益(その他資本剰余金)として させる処理をします。
処理します。
自己株式の処分対価−自己株式の帳簿価額
※式及び図については削除
=自己株式処分差損益
被合併会社B/S
法の場合)
資産
(帳簿価額)
負債
(帳簿価額)
株主資本
(帳簿価額)
合併会社における
被合併会社の取得原価
株式の発行
(帳簿価額)
増加資本
自己株式の処分
処分差損益
}
(借)諸資産 2,000,000
(借)諸資産 2,000,000
のれん
75,000
のれん
75,000
(貸)諸 負 債 1,400,000
(貸)諸 負 債 1,400,000
資 本 金
472,500
資 本 金
525,000
自己株式
150,000
自己株式
150,000
その他資本剰余金
52,500
4. 自己株式の処分の対価
4. 自己株式の処分額
@900 円×750 株×225 株/750 株=202,500 円
5. 自己株式処分差益
5. 増加資本の決定
202,500 円−150,000 円=52,500 円
P.231
問題 7
150,000 円(帳簿価額)
750 株×@900 円−150,000 円=525,000 円
6. 増加資本の決定
6. のれんの算定
(750 株−225 株)×@900 円=472,500 円
@900 円×750 株−600,000 円=75,000 円
7. のれんの算定
@900 円×750 株−600,000 円=75,000 円
P.243
自己株式の処分
B社B/S
B社B/S
負債
(公正価値)
資産
(公正価値) 1,400,000円
2,000,000円 資産・負債の
公正評価額の
純額
600,000円
のれん
75,000円
負債
(公正価値)
資産
(公正価値) 1,400,000円
2,000,000円 資産・負債の
公正評価額の
純額
600,000円
のれん
75,000円
問題 3
225株
525株
自己株式
150,000円
処分差益
52,500円
資本金
472,500円
}
A社の
増加資本
B社取得原価 675,000円
225株
自己株式の処分額
150,000円
525株
資本金
525,000円
}
A社の
増加資本
この自己株式は、時価等を基準とした価額で完全 自己株式を処分した際は、自己株式の帳簿価額
子会社の株主に交付することになります。したが を減らします。そして、新たに取得した子会社株
って、完全子会社の株主に対する対価と自己株式 式の取得原価(パーチェス法では交付株式の時
の帳簿価額の差額は自己株式処分差損益(その他 価、持分プーリング法では子会社の純資産額)か
らその自己株式の帳簿価額を差引いた額が、増加
資本剰余金)として処理します。
資本金(資本準備金、その他資本剰余金)の金額と
自己株式の処分対価−自己株式の帳簿価額
なります。
=自己株式処分差損益
(借)子会社株式
P.246
B社取得原価 675,000円
100,000
(貸)資 本 金
自己株式
その他資本剰余金
(借)子会社株式
80,000
8,000
12,000
100,000
(貸)資 本 金
自己株式
92,000
8,000
1. 子会社株式の取得原価
1. 子会社株式の取得原価
@50 千円×2,000 株=100,000 千円
@50 千円×2,000 株=100,000 千円
2.
資本金
5. 資本金
100,000 千円−8,000 千円=92,000 千円
@50 千円×(2,000 株−400 株)=80,000 千円
6. 自己株式処分差損益
@50 千円×400 株−8,000 千円=12,000 千円