特定健診等実施計画 - 東芝健康保険組合

特定健康診査等実施計画
東芝健康保険組合
平成25年4月
目
次
1.計画作成の背景
(1)生活習慣病対策の必要性
(2)メタボリックシンドロームという概念への着目
(3)特定健康診査・特定保健指導の位置づけ
(4)東芝健康保険組合の現状
2.目 標
(1)特定健康診査の実施率
(2)特定保健指導の実施率
(3)メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の減少率
3.対象者数
(1)特定健康診査の対象者数
(2)特定保健指導の対象者数
4.実施方法
(1)実施制度
(2)実施項目
(3)実施時期
(4)外部委託
(5)周知・案内の方法
(6)健診受診者のデータ収集方法
(7)特定保健指導対象者の選出の方法(重点化)
(8)年間スケジュール
5.個人情報の保護
6.特定健康診査等実施計画の公表・周知
7.特定健康診査等実施計画の評価・見直し
1.計画作成の背景
(1)生活習慣病対策の必要性
国民の人口10万人あたりの1日の受療実態によれば、高齢期に向けて生活習慣病
の外来受療率が徐々に増加し、次に75歳を境にして生活習慣病を中心とした入院受
療率が上昇している。これを個人に置き換えてみると、不適切な食生活や運動不足な
どの不健康な生活習慣がやがて生活習慣病の発症を招き、さらに生活習慣の改善のな
いままに、重症化の経過をたどっている。
生活習慣の改善により、若い時から糖尿病等の生活習慣病の予防対策を進め、糖尿
病等を発症しない境界域の段階で留めることができれば、生活の質(QOL:Quality of
Life)の維持及び向上を図りながら医療費の伸びの抑制を実現することが可能と考えら
れる。生活習慣病の発症、重症化や合併症への進行の予防に重点を置いた取り組みが、
国、健康保険組合をはじめとする医療保険者の大きな課題である。
(2)メタボリックシンドロームという概念への着目
糖尿病等の生活習慣病は、内臓脂肪の蓄積(内臓脂肪型肥満)に起因する場合が多
く、肥満に加え、高血糖、高血圧等の状態が重複した場合には、虚血性心疾患、脳血
管疾患等のリスクが高くなる。
このため、内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)の概念に基づき、その該
当者及び予備群に対し、運動習慣の定着やバランスのとれた食生活などの生活習慣の
改善を行うことにより、糖尿病等の生活習慣病や、これが重症化した虚血性心疾患、
脳卒中等の発症リスクの低減を図る。
(3)特定健康診査・特定保健指導の位置づけ
高齢者医療確保法において、内臓脂肪型肥満に着目した健康診査を「特定健康診査」
として、この結果により健康の保持に努める必要がある者に対し、動機付け支援、積
極的支援を「特定保健指導」として毎年度、実施することと定められている。
1
(4)東芝健康保険組合の現状
①被保険者の状況(平成25年1月末現在)
東芝健康保険組合の加入員は約32.2万人である。
特定健康診査及び特定保健指導の対象層である40~74歳の加入員は約16.7
万人、全体の52%弱を占める。この対象層の人員は、今後、逓減していく見通しで
ある(
「3.対象者数」の項目を参照方)
。
単位:人
被扶養者
一般被保険者
全年齢
任意継続被保険者
特例退職被保険者
合
計
124,504
197,274
321,778
82,155
85,101
167,256
66.0%
43.1%
52.0%
40~74 歳(対象層)
構成比
②医療費の状況
被保険者の平均年齢の上昇とともに、1人当たりの保険給付費は年々増加傾向にあ
る(図1)
。
また、医療費に占める糖尿病、高血圧、心疾患、脳血管疾患などの生活習慣病の割
合は約3分の1を占めている(図2)
。死亡原因については、がんや脳血管・心疾患等
の生活習慣病の割合が3分の2を占めている(図3)
。
当健康保険組合においても医療費適正化に向けた取り組みにおいて、生活習慣病の
発症と重症化を予防することが必要であり、本計画の実行により個々の対象者に即し
た行動変容の働きかけができるように努めることとしたい。
図1 過去5年間における被保険者の平均年齢と1人当たり保険給付費の推移
平均年齢と保険給付費の推移
保険給付費[円]
330,000
平均年齢[歳]
47.5
320,000
47
310,000
46.5
300,000
46
290,000
45.5
280,000
45
270,000
44.5
19年度
20年度
21年度
保険給付費
2
22年度
平均年齢
23年度
図2 医療費に占めるがん・生活習慣病の割合
平成23年度 全被保険者・被扶養者 診療費の疾病構成
新生物, 11%
高血圧, 4%
心疾患, 4%
糖尿病, 3%
脳血管疾患, 2%
脂質異常症, 3%
その他の生活習慣病, 2%
腎不全, 3%
その他, 68%
図4 死亡原因
平成23年度 全被保険者・被扶養者の死亡原因
その他, 31%
がん, 50%
脳血管疾患, 8%
心疾患, 11%
3
2.目 標
(1)特定健康診査の実施率
平成29年度における特定健診の実施率を90.0%とする(参酌標準<国の定め
る目標値の目安>の実施率を達成できるよう推進する)
。
平成25年度以降の実施率(目標)を以下のように定める。
25 年度
26 年度
27 年度
28 年度
29 年度
参酌標準
被保険者
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
---
被扶養者
49.4%
56.6%
64.6%
71.9%
79.7%
---
合計
74.5%
78.3%
82.4%
86.2%
90.1%
90.0%
*被扶養者には、任意継続被保険者、特例退職被保険者を含む。
(2)特定保健指導の実施率
平成29年度における特定保健指導の実施率を60.0%とする(参酌標準<国の
定める目標値の目安>の実施率を達成できるよう推進する)
。
平成25年度以降の実施率(目標)を以下のように定める。
単位:人
25 年度
26 年度
27 年度
28 年度
29 年度
参酌標準
120,000
125,000
130,200
133,800
137,600
---
28,500
28,300
28,100
27,600
27,100
---
実施率
15.1%
25.4%
36.3%
47.8%
60.0%
実施者数
4,300
7,200
10,200
13,200
16,250
健診受診者(目標値)
保健指導対象者
60.0%
---
(3)メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の減少率
平成29年度において、平成23年度と比較したメタボリックシンドロームの該当
者及び予備群の減少率を10%以上とする。
平成23年度実績
平成29年度目標
メタボリックシンドローム該当者
14.1%
12.6%以下
メタボリックシンドローム予備群
14.2%
12.8%以下
4
3.対象者数(40~74歳の被保険者及び被扶養者)
(1)特定健康診査の対象者数
①被保険者(事業主健診受診者)
25 年度
単位:人
26 年度
27 年度
28 年度
29 年度
対象者
80,000
79,900
79,500
78,900
78,200
目標実施率(%)
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
目標実施者数
80,000
79,900
79,500
78,900
78,200
②被扶養者(任意継続被保険者、特例退職被保険者を含む)
25 年度
対象者
目標実施率(%)
目標実施者数
26 年度
27 年度
単位:人
28 年度
81,000
79,700
78,200
76,400
74,500
49.4%
56.6%
64.6%
71.9%
79.7%
40,000
45,100
50,500
54,900
59,400
③合計(被保険者+被扶養者)
25 年度
対象者
目標実施率(%)
目標実施者数
29 年度
単位:人
26 年度
27 年度
28 年度
29 年度
161,000
159,600
157,700
155,300
152,700
74.5%
78.3%
82.4%
86.2%
90.1%
120,000
125,000
130,000
133,800
137,600
(2)特定保健指導の対象者数
25 年度
単位:人
26 年度
27 年度
28 年度
29 年度
健診目標実施者数
120,000
125,000
130,000
133,800
137,600
動機付け支援対象
12,000
11,900
11,800
11,600
11,400
実施率(%)
31.7%
45.4%
59.3%
74.1%
89.0%
実施者数
3,800
5,400
7,000
8,600
10,150
16,500
16,400
16,300
16,000
15,700
3.0%
11.0%
19.6%
28.8%
38.9%
500
1,800
3,200
4,600
6,100
28,500
28,300
28,100
27,600
27,100
実施率(%)
15.1%
25.4%
36.3%
47.8%
60.0%
実施者数
4,300
7,200
10,200
13,200
16,250
積極的支援対象
実施率(%)
実施者数
保健指導対象者計
5
4.実施方法
(1)実施制度
主たる実施制度は次のとおり。
対象者
特定健康診査及び特定保健指導の主たる実施制度
被保険者
定期健康診断(事業主健診)、人間ドック
被扶養者
けんぽメディカル・チェック(巡回検診車を用いての健診)、
人間ドック、特定健診・特定保健指導機関(集合契約形式)
(2)実施項目
厚生労働省令に定める「特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準」によ
り実施するものとする。
①特定健康診査
基本的な健診の項目(必須項目)
項
目
備
考
既往歴の調査
質問票(服薬歴、喫煙習慣ほか)
理学的検査
身体診察(自覚症状及び他覚症状の有無)
身体計測
身長・体重・BMI(体格指数)・腹囲
血圧測定
肝機能検査
GOT、GPT、γ-GTP
血中脂質検査
血清トリグリセライド(中性脂肪)、HDL コレステロール、LDL コレステロール
血糖検査
空腹時血糖又はHbA1c(NGSP 値)
尿検査
尿中の糖及び蛋白の有無
詳細な健診の項目(選択的実施項目)
医師の判断に基づき選択的に実施する項目
貧血検査(ヘマトクリット値、血色素量および赤血球数の測定)、心電図検査、
眼底検査
②特定保健指導
特定健康診査の受診者全員に対して情報提供を行うとともに、特定健康診査の結果
に基づき、特定保健指導の対象者を選定し、動機付け支援と積極的支援を実施する。
(階層化と特定保健指導の対象者)
追加リスク
腹 囲
血糖 脂質 血圧
2つ以上該当
≧85cm(男性)
≧90cm(女性)
1つ該当
3つ該当
上記以外で
BMI≧25
2つ該当
1つ該当
6
喫煙歴
--あり
なし
--あり
なし
---
対 象
40-64 歳
65-74 歳
積極的
動機付け
支援
支援
積極的
支援
動機付け
支援
(情報提供と特定保健指導)
項
目
情報提供
実施内容
特定健康診査を受診した者全員に対して、健診結果の見方等の健康
の保持増進に役立つ内容の情報を提供する。
動機付け支援
動機づけ支援対象者に対して、医師、保健師又は管理栄養士等の面
接による指導(原則1回)のもとに行動計画を策定する。
当該計画の策定の日から6ヶ月以上経過後における当該計画を策
定した者による計画の実績評価を行う。
積極的支援
積極的支援対象者に対して、医師、保健師又は管理栄養士等の面
接による指導のもとに行動計画を策定し、その後、3ヶ月以上の
継続的な支援を行う。
当該計画の策定の日から6ヶ月以上経過後における当該計画を策
定した者による計画の実績評価を行う。
(3)実施時期
年間を通じて実施する。
(4)外部委託
人間ドック、けんぽメディカル・チェック、特定健診・特定保健指導機関について
は、厚生労働省令に定める「特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準」を
満たしている健診機関に委託して実施するものとする。
(5)周知・案内の方法
事業年度ごとに特定健康診査の対象者(40~74歳の加入員)に対して、ホーム
ページ、広報誌等により周知・案内を行う。
(6)健診受診者のデータ収集方法
実施制度
データ収集方法
定期健康診断(事業主健診)
事業主より原則として電子的標準様式により受領す
る。
人間ドック、
契約健診機関より原則として電子的標準様式により
けんぽメディカル・チェック
受領する。
特定健診・特定保健指導機関
特定健診・特定保健指導機関から代行機関を通して電
(集合契約形式)
子的標準様式により受領する。
(7)特定保健指導対象者の選出の方法(重点化)
生活習慣の改善により予防効果が大きく期待できる対象者に対して重点的に保健指
導を実施することとする。
7
(8)年間スケジュール
実施事項
4月
特定健診・特定保健指導の実施
5月
6月
7月
8月
9月
10月
特定健診データ抽出(前年度)
11月
実施率等、実施実績の算出
支払基金への報告
12月
1月
実施内容の周知・案内(翌年度)
2月
3月
5.個人情報の保護
(1)基本的な考え方
特定健康診査等に関する個人情報の取り扱いについては、個人情報保護法及び当健康
保険組合個人情報保護規程に基づき適切に管理する。
なお、特定健康診査等に関するデータ管理責任者は、当健康保険組合常務理事とする。
外部委託する場合には、情報の厳重な管理、目的外使用の禁止等を契約書に明記して
管理する。
(2)保存方法
特定健康診査等に関するデータについては、電子的標準様式により健保連共同情報処
理システムにおいて保存する。
当該データについては、原則として5年間保存する。
6.特定健康診査等実施計画の公表・周知
特定健康診査等実施計画について、ホームページ、広報誌等により公表・周知を行う。
7.特定健康診査等実施計画の評価・見直し
事業年度ごとに目標の達成状況の確認を行うとともに、必要に応じて実施体制、周知
方法について計画の見直しを実施する。
また、平成27年度に実施計画の中間評価を行う。
以
8
上