妊娠している婦人もしくは授乳中の婦人に対してのインフルエンザに対する対応 Q&A 社団法人 日本産科婦人科学会 平成 22 年 12 月 22 日 9 版より抜粋 Q1: 妊婦は非妊婦に比して、インフルエンザに罹患した場合、重症化しやすいのでしょうか? A1: 妊婦は重症化しやすいことが知られています。幸い、昨シーズンの新型インフルエンザでは 本邦妊婦死亡者はありませんでしたが、諸外国では妊婦死亡が多数例報告されています。昨シ ーズン、新型インフルエンザのため入院を要した妊婦では早産率が高かったことが報告されてい ます。また、タミフル等の抗インフルエンザ薬服用が遅れた妊婦(発症後 48 時間以降の服用開始) では重症化率が高かったことも報告されています。 Q2: 妊婦へのインフルエンザワクチン投与の際、どのような点に注意したらいいでしょうか? A2: 妊婦へのインフルエンザワクチンに関しては安全性と有効性が証明されています。昨シーズ ンの新型インフルエンザワクチンに関しても、妊婦における重篤な副作用報告はありませんでした。 チメロサール等の保存剤が含まれていても安全性に問題はないことが証明されています。 インフルエンザワクチンでは重篤なアナフィラキシーショックが 100 万人当たり 2〜3 人に起こ ることが報告されており、卵アレルギーのある方(鶏卵、鶏卵が原材料に含まれている食品類をア レルギーのために日常的に避けている方)ではその危険が高い可能性があります。したがって、 卵アレルギーのある妊婦(鶏卵、鶏卵が原材料に含まれている食品類をアレルギーのために日 常的に避けている方)にはワクチン接種を勧めず、以下が推奨されます。 1) 発症(発熱)したら、ただちに抗インフルエンザ薬(タミフル) を服用(1 日 2 錠を 5 日間)する よう指導します。 2) 罹患者と濃厚接触した場合には、ただちに抗インフルエンザ薬(タミフル、あるいはリレンザ) を予防的服用(10 日間)するよう指導します。
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