生野鉱山及び鉱山町の文化的景観選定記念講演会の様子 ■主催者あいさつ(朝来市長 多次勝昭) 昨年11月に国の文化審議会から生野 鉱山及び鉱山町の文化的景観を国重要文 化的景観に選定するように答申がなされ、 この3月の官報告示により正式に選定さ れた。 平成16年に文化的景観の法整備がさ れ、朝来市では平成20年から調査を実 施してきた訳だが、6年かけて選定を受 けることとなった。今回の選定を市民と 共に喜び合いたいと思う。 この後、講演をいただく神戸大学の足 立教授には当初から委員長としてお世話 になり、また多くの先生方や関係者、地 元住民の方々のご協力なしには、本日を 迎えることは出来なかったと思う。皆様 に感謝申し上げたい。 生野鉱山と鉱山町を形成する独特の景 観は、観光資源にもなりうるであろうし、 郷土教育、そして朝来市民の誇りになる ことと思う。これからは、この重要文化 的景観をどのようにまちづくりに活かし ていくか。住民参加のもと、行政と一緒 になって考え、今後の活用を期待してい るところである。そういった意味では、 本日お越しいただいた滋賀県高島市の山 本さんに、先進地としての事例やアドバ イスをいただき、今後の取組みに役立た せていただきたいと思っている、などと 述べられました。 ■来賓祝辞(兵庫県文化財課長 村上裕道氏) 朝来市内には多くの歴史文化遺産が存 在する。古代は国指定である茶すり山古 墳や昨年県指定史跡となった池田古墳。 そのほかにも朝来市内には大型古墳が存 在し「但馬の王墓群」として整備が進め られている。中世は今空前のブームであ る国史跡竹田城跡。そして、近世・近代 は今回選定された、生野鉱山及び鉱山町 の重要文化的景観。このように古代から 近代までの時代の流れの中で、その時代 の遺産をひとつの市で体感できる地域で あり、兵庫県としても重要な地域である との認識をしており、その魅力の発信や 活用を大いに支援していきたいと考えて いる、などと述べられました。 講演を行う足立教授。 足立教授は「文化的景観は、形のある文化遺 産の保存だけではなく、その風景を構成する 人々がそこに暮らし、産業が営まれ続けること に意味がある」などと話し、生野地域が選定さ れたことの重要性について、参加者に呼びかけ られました。 演題「生野鉱山及び鉱山町の文化的景観 ~選定の意義と今後への期待~」 講師 足立裕司 氏(神戸大学大学院教授) 講演を行う滋賀県高島市教育委員会文化財 課主任の山本氏。 高島市は「高島市海津・西浜・知内の水辺 景観」「高島市針江・霜降の水辺景観」の2件 が重要文化的景観に選定されています。 この日は先進地としての事例紹介、文化的景 観の保存と地域の活性化、地域住民との連携な どについて、お話しいただきました。 演題「文化的景観の活かし方・使い方 ~高島の取組み事例から~」 講師 山本晃子 氏( 高島 市 教 育 委 員会 文 化 財 課 主任 ) 同時開催された、パネル展の様子。 見慣れた景色の価値に参加者はあらためて認 識を深めた様子でした。
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