現 場 代 理 人 レポート 九頭竜川下流農業水利事業 高椋新江1号用水路 下久米田工区建設工事 福井県坂井市立鳴鹿小学校現場見学会を開催 発注者は、地域の小学校に対して農業農村整備事業への 理解を深めてもらうために、出前授業を行っており、その 一環で平成25年 6 月に現場見学会開催の依頼がありました。 シールド工事の見学というと、本掘進がある程度進んで、 組み立てたセグメント内部(トンネル内部)を歩いてもら うというのが一般的です。今回は、鏡切り直前、すなわち シールドマシンが立坑下に降りて、まさにこれから発進するという状況を見てもらうという、小学 生には工事内容が理解しやすい見学会となりました。 事前に小学校の先生と打ち合わせをしていく中で、学校の近くで大きな工事を見る非常に貴重な 機会なので、当初予定していた 4 年生だけでなく、1, 2年生も是非見学したいとの要望が出ました。 ただ、立坑の深さが16mもあるため、低学年だと仮設階段を下まで降りるのは危険かもということ で、校長先生以下 4 名の先生に下見に来ていただいたところ、先生自身が規模の大きさに驚き、こ れは是非とも子供たちに見せたいとノリノリで帰っていかれました。見学会当日は、子供用のパン フレットも用意し万全の体制で子供たちを受け入れました。 ライナープレートで出来た立坑の大きさ(直径10m)や陸組したセグメントの高さ(2.75m)に 驚いた後、いよいよ16mの階段下りです。尻込みする子もいるんじゃないかと思いましたが、子供っ て元気なものです。大人が心配の目で見つめる中、全員無事立坑下に到着。シールドマシンのカッ ターヘッドが回転するのを見て、掘進していくイメージを体感してもらえたと思います。最後に、 全員にマシンの側面にマジックで思い出のサインをしてもらいました。 先生、子供さんたち全員喜々として帰られ、帰り際に職員とハイタッチする子も。大変有意義な 一日となりました。ただ、一人、マシンの運転がしたいといって駄々をこねる子供がいて困惑しま したが、この子は将来建設業に就くんじゃないかと思います。 その後、シールド工事は平成26年11月に無事貫通しました。貫通を知らせるチラシを作成して小 学校を訪問したところ、 「私たちが何気なく通っている道路の下に、九頭竜川からの用水を流す巨 大なトンネルが長い年月をかけて作られた意味な どについて、今後の学習に生かしていく予定で す。」とのコメントをいただきました。 工事は周辺地域と深いつながりを持っているこ とにあらためて気づかされ、竣工まで気を緩める ことなく品質の良い構造物を作り上げるという思 いをあらたにしました。 前田建設工業株式会社 北陸支店 高椋新江シールド作業所 所長 辻 昭人 土地改良 289号 2015.4 ● 83
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