第9回 工学教育の発展(3) イギリス

技術の社会史(科学技術史B)
第9回 工学教育の発展(3)
イギリス
田中 浩朗
(東京電機大学)
0901
ルイス・ゴードン
19世紀イギリスの
土木技師,工学者
グラスゴー大学学芸学部
土木工学・機械学講座 初代教授
0902
19世紀イギリスの技術者教育
• 19世紀前半:
機械工講習所(Mechanics Institute)
• 19世紀半ば:
大学の工学教授職
• 19世紀後半:
技術カレッジ(Technical College)
0903
機械工講習所(1)
• 機械工講習所(Mechanics Institute,職工学校)
 1820年代から各地に設立
 1821年:エディンバラ工芸学校(School of Arts)
 1823年:グラスゴー機械工講習所 ←起源:1796年
 1823年:ロンドン機械工講習所
 1841年には200以上,会員総数5万人
 目的:職工に科学知識を教える
 背景:啓蒙主義の理念
0904
マンチェスター機械工講習所
(1824年設立)
機械工講習所(2)
• 機械工講習所の問題
 科学講義の不人気
 娯楽的講義の人気
 背景:
マンチェスター 物理クラス
1835-39年 235クラス
1840-44年 127クラス
1845-49年 88クラス
 基礎知識の不足
 重労働
• 後に技術カレッジに発展
 グラスゴー,他
0905
マンチェスター機械工講習所
(1824年設立)
ルイス・ゴードン
19世紀イギリスの
土木技師,工学者
グラスゴー大学学芸学部
土木工学・機械学講座 初代教授
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ゴードンの経歴
• ルイス・ゴードン(1815-1876)
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エディンバラ生まれ。弁護士の四男
ハイスクールで学び,土木技師を志す
17歳、機械工場で9か月働く
18歳、エディンバラ大学で博物学・自然哲学を学ぶ
19歳、テムズ川トンネル工事に従事
23歳、フライベルク鉱山学校で学ぶ
24歳、エコール・ポリテクニクで学ぶ
25歳、グラスゴー大学学芸学部土木工学・機械学教授
40歳、イギリスおよび海外でエンジニアとして活躍
61歳、死去
0907
大学の工学教授職
• グラスゴー大学
 1840年:学芸学部(Faculty of Arts)
土木工学・機械学教授職
(Civil Engineering and Mechanics)
 初代教授:ゴードン,2代目:ランキン
 ゴードンが工部大学校教頭ダイアーを推薦
• ロンドン大学(1826年設立)
 1841年:ユニバーシティ・カレッジ
土木工学教授職(教授職自体は1833年)
 幕末に日本留学生が学ぶ
0908
技術カレッジ(1)
• 技術カレッジ(Technical College)
 1880年代以降,設立
 グラスゴー:科学技芸カレッジ(1881年)
 ロンドン:フィンズベリー技術カレッジ(1883年)
 前身校は,18世紀末ないし19世紀前半から
0909
グラスゴー・西スコットランド
技術カレッジ (1909年)
技術カレッジ(2)
• グラスゴー・西スコットランド技術カレッジの
学科編成(1887年)
 土木工学
 機械工学
 造船学
 電気工学
建築学
化学工学
鉱山学
冶金学
農学
※ダイアーが関与
※農学を除いて,工部大学校とほぼ同じ
0910
第9回課題(1)
• 第9回課題(要点) タグ:課題#09a
 今回の授業で学んだことの要点
(自分が重要だと思ったこと)
• 第9回課題(感想) タグ:課題#09b
 感想・質問など自由に。
0911
第9回課題(2)
• 第9回課題(考察) タグ:課題#09c
 イギリスにおいて,工学教育はどのように発展して
いったか? どのような特徴を持っていたか?
 次のような観点から考えてみよう。
• 機械講習所
• 大学の工学教授職
• 技術カレッジ
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