埋蔵エネルギー - WordPress.com

 MAISON FRANCO-JAPONAISE
日仏会館科学シンポジウム 「埋蔵エネルギー」 Energie enterré
3.11 の震災後の福島第一原子力発電所の事故をきっかけに日本のエネルギー事情への関心
が高まりました。しかしながら資源の乏しい我が国では石油、石炭や天然ガス等は殆どを海
外に依存している実情です。このような化石エネルギーにたいして再生可能エネルギーの存
在はエネルギー資源が少ない日本で今注目されています。このシンポジウムで自然エネルギ
ーとしての海流・潮流発電、また微細藻類によるバイオマスエネルギー、そして海に囲まれ
た日本の資源としての「燃える氷」メタンハイドレートについて考察します。 日 時:2014 年 12 月 6 日(土)13 :00~18 :00 会 場:日仏会館ホール(JR恵比寿駅よりガーデンプレイス方面徒歩 10 分) 入場無料 13 :00-13 :05 挨拶 池田忠生(日仏会館学術委員) 13 :05-14 :25 「バイオマスエネルギー」 倉橋 みどり 先生(東大生物生産工学研究センター寄付研究部門特任准教授)
14 :35-15 :55 「海流・潮流発電」 高木 健 先生(東京大学大学院新領域創成科学研究科海洋技術環境学教授) 16 :05-17 :25 「メタンハイドレート」 芦 寿一郎先生(東京大学大学院新領域創成科学研究科海洋地質学准教授) 17:25-18:00 綜合討論 18 :00-19 :00 < 懇 談 Buffet amical > 主催:公益財団法人日仏会館 日仏医学会、日仏海洋学会、日仏工業技術会、日仏生物学会、日仏獣医学会、 日仏農学会、日仏薬学会、日仏理工科会 問合せ:公益財団法人日仏会館 東京都渋谷区恵比寿 3-9-25 TEL 03-5424-1141 FAX 03-5424-1200 E-mail [email protected] URL http://mfjtokyo.or.jp プロフィールとレジュメ 「バイオマスエネルギー」 倉橋 みどり 先生(くらはし みどり)東大生物生産工学研究センター寄付研究部門特任准教授 東京都中央区築地生まれ。明治大学・大学院(微細藻類燃料油生産)→ライオン株式会社研究開発本部(キチン・キ
トサン抗菌活性)
,寿退社後一念発起し,東京水産大学大学院(アオリイカ分子系統分類)→東京大学大学院では「海
洋細菌の分子系統分類」で博士課程を修了しました。現在、再び藻類に回帰し、東京大学生物生産工学研究センター「藻
と深層水によるエネルギーと新産業創生」研究部門で、特任准教授として奮闘中です。 講演概要:
人類が誕生して 20 万年ともいわれていますが、石油、石炭、電気の利用を導いた 18 世紀の産業革命は、わずかこの
300 年間に世界の人口爆発を引き起こしました。止まらない二酸化炭素濃度の上昇は「地球温暖化」を引き起こしてい
います。気候が原因で亡くなる人々の数が世界中で急激に増えていることを見れば「気候の狂暴化」と表現するべきか
もしれません。一刻も早く、化石燃料社会から脱し、再生可能エネルギー社会へのパラダイムシフトを敢行しなければ
なりません。再生可能エネルギーのなかでも、バイオマスエネルギーは特別な立ち位置にあります。また、バイオマス
エネルギーにも種類がありますので、私たちの取り組んでいる微細藻類燃料油生産がどのような特徴を持っているのか、
わかりやすくご紹介させていただき、多くの方にご理解いただければと考えています。果たして私たち人類は、放って
しまった二酸化炭素をパンドラの箱に戻すことができるのでしょうか? 「海流・潮流発電」
高木 健 先生(たかぎ けん)東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授
1959 年大阪府生まれ。大阪大学大学院工学研究科造船学専攻前期課程修了の後、同大学助手、講師、助教授を経て
2008 年より現職。工学博士。専門は海洋工学・海洋技術政策学。大学では海洋再生可能エネルギー、海洋石油・ガス
田開発、低炭素海運などの研究開発に自ら取り組み、これらの取り組みの中から技術者の視点で必要な技術政策を検討
している。
講演概要:
近年、多くの海洋再生可能エネルギー発電装置が提案され、実用化に向けた様々な研究開発が実施されている.特に、
欧州を中心として行われている多くの研究開発では、原理や基礎技術に関わる問題は既に多くが解決されており、発電
事業として成立させるための研究開発に主体が移っている。我が国はこのような流れに乗り遅れてしまったが、経済産
業省が中心となって巻き返しを図っている。その中でも海流発電は欧州には無い我が国独特の海の恵みである黒潮を利
用しようとするものであり、我が国独自の技術として国際競争力を持てるのではないかと期待されている。本講演では、
海流発電装置の技術的基盤となる潮流発電装置の基礎原理について解説するとともに、海流発電装置開発の現状と海流
発電を大きな発電事業として成立させるうえで解決すべき問題点について紹介する。
「メタンハイドレート − 資源・環境・地質災害 −」 芦 寿一郎(あし じゅいちろう)東京大学大学院新領域創成科学研究科准教授(大気海洋研究所兼務)理学博士 神戸大学大学院修士課程修了後,東京大学大学院博士課程を修了し,日本学術振興会特別研究員(PD)
,東京大学大
学院理学系研究科助手,東京大学海洋研究所助教授を経て現職.専門は海洋地質学.地球深部探査船「ちきゅう」第 315
次航海共同首席研究員.著書に「東海沖の海底活断層」
「Photographic Atlas of an Accretionary Prism」
(東京大学
出版会)など. 講演概要: メタンハイドレートは,水とメタンガスからなる固体状の物質で,大陸周辺の海底下に広く分布し新しいエネルギー
資源として注目されています.メタンハイドレートは低温・高圧のもとで安定な包接化合物で,例えば東海沖では水深
400mを超える海域でメタンハイドレートが分布し始め,最大で海底下 700m までの深度に存在することができます.温
度・圧力で安定・不安定が決まるため,周囲の環境変動によって分解したり,海中や大気中にメタンガスを放出したり
するため,地球環境変動や地質災害の要因としても注目されています.講演では,海域におけるメタンハイドレートの
探査手法,分布,資源開発の現状,地球環境への影響および地質災害について解説します.