資料1 地域をつなぐ社会教育のあり方について(案)(PDF

資料 No.1
地域をつなぐ社会教育のあり方について(案)
1.はじめに
すでに 25 年前の 1990 年に中央教育審議会の答申の「生涯学習の基盤整備について」に
おいて、「社会教育は、これまでも地域の諸課題において大きな役割を果たしてきており、
その重要性は一層高まっている。今後は特に、青少年の学校外活動・地域活動、女性の社
会参加の増大に伴い必要となる学習活動、更には高齢者の充実した生活設計を支える学習
活動を促進することが重要である。」としている。
寒川町でも同じく高齢化の進む中、社会教育の面からの、高齢化社会の対応策は不十分
であった。人口問題研究所のデータから、現在、寒川町では 65 歳~74 歳の層が 25%をし
め 10 年後には 29%、15 年後には 30%と、その率が増え続けるという推計である。そのシ
ニアの中でも様々な分野で活躍している人もあるが、リタイア後、力や時間を持て余して
いる男性シニアが多いと予想される。協働文化推進課によると、リタイアした人達が「何
かしたいが何をしたらよいかわからない」と相談に来ることが意外と多くあるという。今
の公民館活動では対応できず、協働文化推進課に回ってくるという話からも個人の趣味や
関心事ではなく、地域で自分を活かしたいという思いがあると推測できる。その男性たち
を積極的に学習活動や地域参画へ導く必要性があることがわかった。平成 26・27 年度の
社会教育委員会議の検討事項として、地域課題に向け、自ら主体的に活動する人、地域を
担う人づくりこそ、今求められている寒川の社会教育の課題であり、今まで対策を講じて
こなかった男性シニアの活動支援と推進を優先課題とした。
2.過去の答申等の振り返りから
平成 22・23 年度の答申「いつでも、どこでも、誰でもが学べる環境づくりについて」
では、
・一人ひとりの学習支援とその成果を地域の活性化、地域貢献につなげる公共を担う人
づくりの必要性
・その学習支援のため、誰もが自由に使えるフリースペース、コピー機、印刷機の設置。
・その学びや人をつなぐための広報手段や情報の見せ方の工夫の必要性、を。
平成 24・25 年度の報告書「社会教育関係団体の育成について」では、社会教育関係団
体への活動調査アンケートをした結果、
「活動していない人を、いかに公民館や団体に呼び
込むか」の課題が浮かび上がった。そのための対策として
・活動を知る機会となる事業のPRの充実、
・地域活動に関心のある人の発掘や団体発足の支援の工夫、である。
以上のことから今までの提言内容がいずれも実践されるに至っていなかった。具現化さ
れて、初めて地域が活性化される。
今回は、過去の答申等を見直しつつ男性シニアの活動支援の仕組みを具体的に提言する
ことにより、実現され易いものとした。
1
討議事項: 男性シニアの生涯学習活動やまちづくりへの参画推進
目的
平成 24・25 年度報告書のアンケート結果から所属会員の性別について、回答いただいた
216 団体中「大半が女性」と回答した団体が 64%、
「男女半々」が 19%、
「大半が男性」が
10%と女性が地域での活動を積極的に行っていることが見受けられた。女性は、一般的に
子育てから始まり、幼稚園や保育園、就学期からは、子供会やPTA活動で、子育てが終
わると自治会でなどと、仕事を持ちながらも地域との関わりをしてきたので、退職後も自
然に生涯学習活動に移行できていることが、アンケートの結果から読み取れる。
しかし、男性は主に仕事場と家との往復の中で、地域との関わりを持たずに来た人がほ
とんどで、リタイア後の地域参画に躊躇しがちであるとみられている。今、町に登録して
いる「男の会」なるものはない。
「このような会があったら」と会議の中でも意見はあった。
そこで、前記に挙げたように、地域に参画したい意欲がありながら、そのすべが分から
ず、二の足を踏んでいる現状を知り、男性シニアのために、主体的に地域づくりに関わる
切っ掛けとなる講座開催を考えた。
男性シニアの町民活動参画を推進、活性化するために
〇男性シニアのための講座
今回、社会教育委員会議で委員が述べてきた意見と、過去 2 回の提言内容を網羅し、
一つの形にまとめたものを、
「講座の企画書」として著わし、実行可能な具体的な提案の
一つとした。
目的は、男性シニアに社会参画の機会の提供をし、主体的に活動する方向に導き一人
ひとりが生き生きと活動する場があることは、やがては町全体の活性化へとつながる。
〇町民活動サポートスペースの必要性
平成 22・23 年度答申「いつでも、どこでも、誰でもが学べる環境づくりについて」の
中でも、活動支援のために、誰でもが自由に使える設備の充実したフリースペースの設
置が必要だと答申されている。
上記に挙げた男性シニア活動支援事業を起こし活性化させるためにも、活動の拠点と
なる場所、町民活動フリースペースの設置が必至である。
本来は、各公民館に設置するのが望ましいが、まずは手始めに中央館である町民セン
ターへの設置だけでもよいので、早急に住民活動の基盤整備をすべきである。
〇町民活動サポートスペースに町民活動サポーターを配置の必要性
「何かしたいが何をしたらよいかわからない」と相談に来る人やすでに活動している
人の継続や強化をサポートする、事業の企画など、専門性を持った町民活動サポーター
が必要。
(町民活動サポーターの養成を早急に)常時サポーターがいることは、サポート
スペースが住民の拠り所となり、地域活動の活性化にもつながる。
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〇情報発信の仕方の工夫
町のホームページ等で動画を取り入れた各種活動団体の紹介やイベントの公開等、参
加したくなるような充実したものにする。インターネットを使えない人のために町民公
民館や活動サポートスペースに行けばいつでも情報を得られる状態にしておく(各種団
体の活動紹介や近隣市の市民活動情報誌など置くなど)。
いきいき男性シニア集まれプログラム案
回数
1回
内容(テーマ)
(協働の町づくりにあなたの力を活かす)
講
師
目
的
講座
(自分のこれからを
デザインする)
協働文化推進課推薦 今まで蓄積してきた、知識、
の講師
能力などを地域にどのよう
に生かすかを考える講座に
生涯学習、地域活動への参画
する。
2回
すでに地域で活躍する
ファシリテーター
人たちとの交流会
社会教育主事
(満月塾代表・パワーズ・
スポーツ指導者・エコネット・
NPOマイスター等)
この町で、先輩がどのよう
な分野でどのような活動を
しているかを知ることで、
自らの方向性を考えること
が出来る。仲間づくりにも
なる。
3回
行政の仕組みを理解する
行政との協働について学ぶ
ファシリテーター
協働文化推進課
協働のまちづくりの仕組み
を知ってもらい、自主的な
地域活動への参画を促す。
社会活動への参画は、一人
ひとりの生きがいとなり、
その活動の拡がりはやがて
は、町の活性化に繋がる。
4回
デザインした自分の未来を
語り合う
ファシリテーター
3 回の講座に参加し、自分
のこれからをどうデザイン
し、地域にどう活かしてい
くかなど、見えてきたこと
を語り合う。それが仲間づ
くりに発展してゆく。
飲み会付
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